2020/12/21-12/27 全体の空模様

こんにちは、石井ゆかりです。
いよいよ12/22、木星と土星の大会合、いわゆる「グレート・コンジャンクション」です。この星の一大イベントにあわせて、無料オンラインイベントが開催されます。豪華な出演者様のなかで非常に僭越なのですが、私も音声でちょこっと参加させて頂きます。

よろしくお願いいたします!


今週の空模様ですね。

今週はまず21日、水星と太陽が相次いで山羊座に移動します。太陽の山羊座入りは「冬至」で、星の1年の最終クオーターがここから始まるタイミングです。春分→夏至→秋分→冬至、という、星の四半期の節目なのです。一年で一番「昼が短い」日で、日が暮れると、既に充分以上に近寄っている木星と土星の姿が、西の空に見えるはずです。最接近は22日ですが、21日でも十分「あれはなんだ!」的な、驚きの近づき方になっています。「どんなふうに見えたか」の報告をあつめるプロジェクトもあるようです。

水星は射手座であまり調子が良くないので、21日を境に考えがぱっとまとまったり、誤解が解けたりする感じがあるかもしれません。「フェイクニュース」的なものがこの日を境に沈静化する、みたいなイメージもあります。無用の議論が廃れていくのかなと思います。山羊座の支配星・土星と、水星は仲良しなのです。厳しい先生と賢い生徒、みたいなコンビです。

22日、木星と土星が重なり合います。20年ごとの大会合ですが、風の星座でこの会合が繰り返される200年のスタートということで、盛り上がっております。さらに、見た目の接近の距離がこれだけ近いのは、『星ナビ』によれば1623/7/17以来、つまり397年ぶりだそうで、次に同じくらい近づくのは2080年だということです。

どんな風に見えそうか、動画もあります。

天体現象、星の世界の出来事は、どんなにスゴい機材で撮影しても、肉眼で見るのと同じようには写らないものです。目で見た美しい星の光景は、何に役に立つというのでなく、ただひたすら「人生の宝物」と言えるように思います。それ自体でワンストップ、ひとつのゴールのような体験だと思うのです。是非、星空を見上げて見て頂きたいと思います。

星占い的には「時代の境目」で、世の中を動かす力がこれ以降、新しいものに変わると考えられています。これまではお金、資本、財、経済力が世の中を動かす「主な力」だったのが、ここからは情報、関係性、コミュニケーション、知力、科学的知識などが世の中を動かす力になっていくのではないか、と言われます。たとえば、貨幣から電子マネーへ、所有からシェアやリース、サブスクリプションへ、住所にひっついた固定電話ではなく、動き回る人間一人一人にくっついた携帯ナンバーが「連絡先」になる、みたいな変化を、私たちは既に体験しつつあります。誰もが人の顔や景色より、スマホの画面をのぞきこむ時間を長く過ごしています。

「お金が人間を変えてしまう」「資本が人間の生活や人生を搾取し疎外する」「お金への執着で人間関係が破壊される」といったことへの警鐘が鳴らされた時代を、私たちは体験しました。今後の世界では、たとえば「情報が生身の関わりを破壊する」「人間関係に依存して自分を見失う」といったことが問題視されるのでしょうか。「新しい価値観」は、古い価値観にとってかわるというわけではなく、古今普遍的な問題が別の形で語られるようになるだけ、という可能性も、ないではないのかなという気もします。

このところ、年末恒例のインタビューやラジオ出演などの中で、「新しい時代に乗り遅れないためには、どうすればいいでしょうか?」というご質問をしばしば頂きました。でも、私たちは既に、新しい時代を生き始めているのだと思うのです。たとえば、私たちの多くは、ほとんど無意識に、はやり言葉を口にします。周りで語られていること、起こっていることは、私たちが自覚する以上に、私たちの中に「入っている」のだと思うのです。時代は私たちの外側だけでなく、内側にも流れています。私たちは新しい時代に触れる小さな驚きを毎日感じながら、その驚き自体を「飲み込んで」いるのではないかと思うのです。

エスカレーターが動く方向に身を任せているとき、私たちはそのエスカレーターの動きを、あまり意識しません。エスカレーターを逆走しようとしたとき初めて、その動きの強烈なパワーに気づきます。時代というエスカレーターのどのあたりに乗っていくか、ということは、個人差があるものだろうとも思います。たとえば私は、みんなが携帯を持つようになってからも、なかなか携帯を持ちませんでしたし、スマホが広く行き渡ってからも、かたくなにガラケーを使い続けていました。「古いものを使っているのはかなり少数派」となって、不便を強く感じるようになってから、しぶしぶ新しいものに手を出す、というのが自分のクセだなと思います。「強く不便を感じる様になった」ときがすなわち、自分がエスカレーターを逆行したときなのかなあという気がします。時代はそんなふうに、私たちを飲み込んで流れているものなんだろうと思うのです。

好奇心が強く、新しいものにすぐに馴染んでいく人もいれば、古い世界にできるかぎりいつづけようとする人もいます。みんなが違い合っている、そうした多様性を互いに否定せず、尊重しあいながら生きていけるのが、「風の時代」となれば、と思います。風は爽やかな面だけでなく、古いものを破壊していくような、激しい面も持っています。反骨精神、荒ぶるものを担うのが風です。人と人とを分け隔てるカベが、ガンガン壊れていくような時代が訪れるのかもしれません。

今週は、火星と冥王星のスクエアという熱い形も結ばれます。野心のための闘い、自分の欲望のための闘いは、決して悪いものではありません。風の入り口で、この「個の熱」の形が結ばれているのも象徴的だなと思います。風に吹き飛ばされないために、大切にしなければならないものも、たぶん、たくさんあるのだろうと思います。

今週はそんな感じです。