2020/9/14-9/20 全体の空模様

こんにちは、石井ゆかりです。
今週はまず、17日の乙女座の新月です。この新月は山羊座の土星にトライン、火星にインコンジャンクトを組み、「既にある問題に新しい形で取り組み始める」ようなイメージがわきます。土星は2017年の終わりから山羊座に位置し、火星は今年6月末から牡羊座に位置しているわけですが、そうした時間の流れの中で「顕在化」してきた問題に対して、乙女座という「対処・対応」の星座から新月のスイッチが入るというのが、面白いところです。

乙女座的なアプローチは「アリの一穴」的なイメージがあります。大上段に振りかぶるような大きな形ではなく、下の方から、ボトムアップ的になにかが起こる、という感じです。あるいは、小さな作用が連鎖して大きな結果を生む、といった展開も考えられます。今回、「大きな社会的力」を担う土星に対して、この実務的な新月は親和的な角度を組んでいるのですが、火星の位置が「単に素直で従順なだけではない」という含みを持たせているように見えます。このインコンジャンクトが「火星を置いてきぼり」にするのか、それとも「火星の違和感と疑問を連れていく」のか、ひょっとすると、選択が可能なのかもしれません。

幼い頃から私たちは、「大人の言うことを良くきく従順な子」こそが「良い子」だというメッセージを受けとって育ちます。文句を言うことや反論すること、権利を主張することは「悪」だと教えられて育ちます。こうした「しつけ」は、大人になってもしっかり私たちの中に染みついています。
でも、人生の中では、理不尽にはきちんと抵抗し、間違ったことにはNOと主張しなければならない場合がたくさんあります。「申し出なければ認識してもらえない」ことがたくさんあるのです。これは、とてもたいへんなことです。

乙女座の世界は、どちらかと言えば「従順さ」を「倫理」と結びつける考え方を担います。制服や軍隊は乙女座の管轄とされることもあります。山羊座土星的な大きな社会的な力は、こうした従順さを必要とし、貴びます。でも、そうしたほころびのない大きな流れの中で、自覚せずに傷つけられ、おとしめられるものが生まれてしまうことも多いのだろうと思います。逆行を始めたばかりの、新月にインコンジャンクトする火星は、そうした「自覚せられぬ痛み」に対して、怒りに気付くことを促しているようにも見えます。

金星と天王星のスクエアは、とても自由でユニークな配置です。陽気で明るいのですが、たとえば、ちっとも強そうに見えない人が、猛者揃いの腕相撲大会で優勝する、みたいなイメージが浮かびます(どんなだ)。暢気そうで実は強いぞ、みたいな破壊力は、人をはっとさせます。ありそうもない場所にある力、壊れそうもないものが結構簡単に壊れるかもしれないという示唆。そんなものが感じられる配置です。また、金星は愛の星ですから、「愛のブレイクスルー」のような感じもあります。意外な形で愛のハードルを越えていく人が少なくないかもしれません。

今週はそんな感じです。