2020/9/28-10/4 全体の空模様

こんにちは、石井ゆかりです。
これを書いているのは9/26なのですが、あと4日で12星座別『星栞 2021年の星占い』(リンク先は天秤座)が発売となります。ドキドキ。

版元の幻冬舎コミックスさんが、ツイッターに続き、インスタグラムでも公式アカウントを作って下さいました。プロの撮影した本が、映える! 映えている! 背景も「2021年のハナシっぽく」なっていたり、「その星座自体の雰囲気っぽく」なっていたりします。今蟹座までアップされています。毎日少しずつ出るようです、お楽しみに!

で、今週の空模様です。

今週はまず、土星が順行に戻ります。5/11から逆行していた土星が前向きに動き始め、12月の水瓶座入りまでまっすぐ進みます。もう振り返りません。2017年の終わりからの山羊座土星タイム、2020年という山羊座祭りの時間、2000年からのグレート・コンジャンクションの一サイクル、そして地の星座の約200年。これら複数のサイクルの「終わり」が、今週から12月中旬までの時間帯に置かれているわけです。これはなかなか、重厚です。

山羊座は、12星座の中ではもっとも「高い場所」にあります。たとえば12星座全体を一つの街と考えたとき、山羊座はどこにあたるかというと、東京なら国会議事堂か皇居、京都なら御所、みたいなイメージになるかと思います。熊本なら熊本城かもしれません。中心にあって、最も社会的で、権威があって、固く守られている場所、的なイメージです。そこを中心として一つの閉じた世界ができあがっていて、誰からもよく見える、一番信頼できる場所、みたいなイメージです。

2020年はその場所に、もっとも強いスポットライトが当たっていた年でした。たとえば、多くの人が政治のことを考えました。政府とは何か、権力とは何か、まつりごとと自分との関係はどういうものかということを考えました。各国の権力者の多くが、一般市民に直接語りかけました。新しいルールが次々に作られ、多くの人がそれに従うかどうかを考えました。世界各地で、ルールや権力の理不尽に対する怒りが噴出する一方、それを更に覆い尽くすような強力な権力が発動されました。人間が社会的な集団をつくって生きていること、そこに大きな力が作用していることを、多くの人がさまざまなかたちで意識した時間だったと思います。

この時間が、今週から12月半ばまでの中で、一気に「次の段階に飛び移る準備を始める」ことになります。これまでの傾向が解体されていくのか、あるいは逆に、あるいは新しい芽が出るまでの反動的な、洗礼のような展開が起こるのか。いずれにせよ、ここから二ヶ月半ほどのひとつのレールを、最短で1年、最長で200年の過去を丸ごと背負って、私たちは走ってゆくことになるようです。

山羊座は、建設の星座です。個人の生活の中で、私たちは時間をかけて様々な世界を作ります。文字通り「家を造る」場合もありますし、システムを作ること、場を作ること、チームや家庭など、人間同士の輪を作ることなど、様々な「建設」に私たちは日々、いそしみます。くりかえされる「生活」自体が、建設されるべきものと言えるかもしれません。毎日の生活はいろいろなルールや手順、周囲との結びつきでできています。「生活」自体が一つの世界のようなものです。

ここから12月にかけて、そうした建設のプロセスが、最終段階に至ります。過去20年をかけた建設、過去3年をかけた建設、過去200年をかけた建設。そうした建設の作業が最終段階に至ります。細部をチェックし、修正を加え、さらに、運用について深く考えることができます。中には、老朽化した場所を「終わらせる」ような選択をする人もいるかもしれません。別の場所を目指して、新しい旅を始めるために、古い場所を後にする人もいるでしょう。今週はそんな「最終段階」が始まるタイミングなのです。

10/2の牡羊座の満月は、この「終わりの始まり」によく符合しています。牡羊座は始まりの星座で、満月は「到達点、ピーク、ゴール」のタイミングだからです。火星は10/6に最大化しますが、今すでにとても大きく見えています。是非夜空に、赤く輝く星を探してみて下さい。この星が今週は獅子座の金星と120度を組み、文字通り「愛と情熱」の噴出を謳っています。エネルギーが充ちきり、これまでに積み重ねて来たことの人間的な意義が溢れだし、私たちはひとりひとり、自分にとって最も「意味がある」と思えることを、自らの意志で選び取って、間近にせまる「次の世界」への守り刀とするのだと思います。

山羊座は「集団」の世界ですが、牡羊座-獅子座ラインは「個人」の世界です。大きな社会に対して、個人ができることは限られています。ですが、そうした「大きな社会」もまた、個人があつまってできている場所です。私たちは、ひとりひとりバラバラにいるときと、集団の中にいるときとでは、全く違った「自分」になります。意識するとしないにかかわらず、集団の中の一員である自分と、自分一人の自分とでは、べつの時間を生きてしまうところがあるのだと思います。集団でいるときと、個人でいるときとでは、「人生において一番大事なもの」もまた、一変しうるのです。

ひとりでいるときと、集団の中にいるときとで、もし「同じ自分」であれるなら、どんなに気持ちがいいでしょうか。それができる人もいるかもしれませんが、そう多くはありません。ただ、「集団の自分」と「個としての自分」の違いを意識化したり、自覚したりすることは可能です。今週以降、そのことに自覚的であればあるほど、新しい時間に向かうことにも、自覚的でいられるのかもしれません。

水星(思考)と太陽(意識、意志)がちょっと弱い状態にある今、「感情」や「感覚」のほうが、もしかするとより、頼れる指針になるのかもしれません。普段無視しがちな「心の声」に耳を傾けたとき、「今」やるべきことがよりクリアになるのではないかと思います。

今週はそんな感じです。

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9/30、全国の書店さんで置いて頂いております!お見かけの際は是非、お手にとってご覧下さい!