見出し画像

フェルミ推定における回転数(回転率)を求める公式

あくです。中途で総合コンサルのデータサイエンティストをしています。
転職時の採用フローで、フェルミ推定などのケース面接がほぼなかったので、コンサルだけど、フェルミ推定が出来ず、少しコンプレックスがありました。今後、何かの役に立つかなと思い、フェルミ推定の勉強をぼちぼちやっています。

フェルミ推定で飲食店の売上を推定するときは因数として、回転数(回転率)という概念を使うのがオーソドックスのようです。(実際にビジネスをしている方も回転数で考えているようです)しかし、飲食店の回転数がどれぐらいというのは感覚値がないため、回転数を使ってフェルミ推定をすることに違和感がありました。

そこで、稼働率とか、滞在時間のようなもっと感覚値がある数字で回転数を推定する方法を考えました。頭のいい人にとっては当たり前すぎるからなのか、「フェルミ推定 回転数 稼働率 関係」のようなキーワードで軽くググっても、該当する日本語ソースが出てこなかったので、同じように悩んでる人に役立つかなと思い、noteに書き留めました。

1.前提

そもそも回転数(回転率)とは:

回転数(回転率)とは、フェルミ推定で飲食店の売上を推定するときによく出てくる概念で、定義は下記のとおりです。

回転数=客数÷席数

1日の客数を席数で割ると1日の回転数、1週間の客数を席数で割ると1週間の回転数になります。

回転数の使い方:

フェルミ推定だと、こんな感じで飲食店の売上推定に使います。

飲食店の年間売上=席数×(1日の)回転数×年間営業日数×1食の単価

例えば、毎日営業している席数10、一杯1,000円のラーメンを提供しているラーメン屋が1日5回転しているとすると

あるラーメン店の年間売上=10席×5回転×365日×1,000円=1,825万円≒2,000万円

となります。

問題意識:

フェルミ推定というのは、普段の生活で分かる感覚値・常識を使って、すぐには検討がつかない数字を暗算で推定することです。
私の問題意識は、飲食店のオーナーならともかく、一般人の我々には、店の回転数が1日何回転なんてそれ自体検討がつかないということです。

2.回転数の推定方法

結論から先に書くと次の公式で計算できます。

回転数=営業時間×稼働率÷滞在時間

上記のそれぞれの指標は平均値を使って計算します。稼働率は、席がどれだけ客で埋まっているかを表した指標です。

考え方ですが、個人的には、次の図で考えると分かりやすいのではないかと思いました。

イメージ図

オレンジ色で塗っているところがお客さんが入って席が埋まっているところと考えてください。

ここで稼働率を考えると、例えば11時20分のところでは10席に対して、客①②③の3名が座っているので、稼働率30%ということになります。
全体を通した平均の稼働率だと、要は、席数×営業時間の全体面積に占めるオレンジ色のトータル面積の割合ということになります。
オレンジ色のトータル面積は、客数×(平均)滞在時間なので、

稼働率=(客数×滞在時間)/(席数×営業時間)

となります。
ここで、回転数=客数÷席数なので、上式の右辺の分母・分子を席数で割ると

稼働率=(回転数×滞在時間)/営業時間

となります。この式を変形して

回転数=営業時間×稼働率÷滞在時間

と公式が導出できました。

(直感的には、店の中の1席を考えたときに、稼働率を考慮した正味座れる時間を営業時間×稼働率で求めて、滞在時間ごとに新しい客が入れ替わり座っていくイメージで考えるとしっくりきますね)

3.実践方法

この店の回転数といっても、当たりが付きませんが、営業時間、稼働率、滞在時間については、

営業時間:「だいたい11時開店で22時には閉まるだろう」のように当たりを付けられる

稼働率:「いつもどれぐらい席が埋まってるかな。いつも行く時間帯は混んでいるけど、他の時間はもっと空いてるだろうな。ならしたら●%ぐらいか」のように当たりを付けられる

滞在時間:「あそこの店はファストフードだから20分ぐらいで店を出るな」「あそこは店内で仕事や勉強してる人もいるから、ならすと●分ぐらいかな」のように当たりを付けられる

のように、それぞれ当たりを付けられるので、上記の公式を使って回転数を求めることが出来ます。ケース面接はもとより、自分がふらっと入った店でも回転数はいくらかなと簡単に計算できるでしょう。

4.終わりに

長々と説明しましたが、最近流行りのChatGPT4に上記のことを質問したら、素晴らしい回答が返ってきたので、うまくネット上の記事を検索したら、僕と同じことを書いている記事は、きっと他にもたくさんあるんだと思います。(今回は思考の練習も兼ねて、自分の頭で考えてみました。)

参考文献


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?