デジャヴ【三橋雄斗】


引っ越しが終わりました。



無事に年を越すことができます。



荷物を全て運び終え、役所へ行って住所変更をしてきました。



届けに、本籍を書く欄があるのですが、
ひかりちゃんが自分の本籍がわからないと言い出し、
わざわざ住民票を出して貰って、それを書き写していました。



手続きを待っている間、僕はひかりちゃんに、「本籍とか覚えておいたほうがいいよ」とアドバイスしました。



すると、ひかりちゃんは、
「今覚えたって、結婚したら変わるんでしょ?それならそこで覚えたほうがいいじゃない」
と、言いました。



僕はハッとしました。



これから近いうちに、ひかりちゃんと同じ本籍になるのだと。



そういえば、本籍は日本中どこにでも置けると聞いたことがあります。



自分の好きな球団の本拠地や、沖ノ鳥島に置く人もいるそう。



僕は、そのことを思い出し、
「結婚したら本籍どこに置く?」
と話を振ってみました。



ひかりちゃんは、「別にどこでもいい」と、あまり興味無さげでしたが、
手続きの待ち時間が長く、暇を持て余していたので、色々提案してみました。



「やっぱり馴染みがある所がいいよね!びーちぶはどう?」


と提案すると、


「嫌と言い難いけれど嫌だよ。あと、そういうのに『地下一階』って書きたくないよ」



と言うので、



「じゃあ、芸小はどう?それなら地下じゃないよ!」



と提案すると、



「なんでライブ会場限定なんだよ!」



と返してきました。



僕は、この流れを過去にもやった気がしてたまりませんでした。



すると、ひかりちゃんが、
「これ、披露宴どこでやるかの時にもやっただろ!もういいよ!結婚してから考えるから!うるさいな!」
と言うのです。



ひかりちゃんは、素晴らしい記憶力です。僕も、同じ流れはやりたくないので、本籍の話はそこで終わり。



そういえば、披露宴の場所、結局決めていなかったなと、ボーッとしながら考えていると、
役所の人が大きな声で僕の持っていた番号札の番号を叫んでいました。


申し訳ない顔をしながら窓口へ行き、無事に住所変更が終了しました。



ひかりちゃんも気づいていたなら教えてくれれば良かったのに、と帰りに話していると、


「いや、アタシもボーッとしちゃってさ、披露宴どこでやりたいか考えてしまって」



とのこと。



僕は、「びーちぶはどう?」と提案すると、
いきなり口をきいてくれなくなりました。



別の案を真剣に考えよう。


【相方へ】

わかっていますよ!美容用品です!
胸を張って言います!美容用品です!

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