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#4 そして、わが家になる

「スミゴコチワ ドウデスカ? モウスグ キュウスイキ ヲ オキマスカラ モット ベンリニナリマスヨ!」
フロントカウンターの向こうで " ビッグボス " と呼ばれている青年が言った。

マカッサルで暮らし始めて1ヶ月も過ぎると、私たちが滞在しているホテルはマカッサル中心エリア2、3km四方の中でもさらにセンター位置にあるというのが分かってきた。

しかもシニアライフにはかかせないスーパーや市場、病院、銀行ATM、カフェでさえもすべて、手が届く範囲内にあることも見えてきた。そして、過ごせば過ごすほど、知れば知るほど、料金以外のこのホテルの魅力に包まれた!
 
実は、奇跡の部屋料金 "1239円" での6日間が終わる頃には「現地でじっくりと歩き回って探そう!」「MIOん家の近くにアパート借りよう!」という思いはすっかり消えて無くなっていた。

あの衝撃の『1泊1239円』はとっくに『幻』となり、どの予約サイトを見てもマカッサルのホテル料金は上昇。それに、このホテル以外には全く興味が無くなったから。。

それじゃあこのホテルのフロントで予約延長を頼んだらいいんじゃない?

わが家ホテル

フロントへ降りて行くと、いつものスタッフたちに次々とテキパキと指示を出している若く垢抜けたメガネの男性が話しかけてきた。もしかしたら日本人?と感じるほどの身近な雰囲気を漂わせている。

「ナニカ オコマリデスカ?」すごく心地のいい響き、なんて素晴らしい英語!

「はい、このホテルがとても素敵なので、マカッサルにいる間お世話になりたいのですが。。」

「アリガトウゴザイマス! 1パク チョウショクツキ 200,000 ルピア デ イカガデスカ?」

「わー、とてもありがたいです、取り合えず1ヶ月の予約をお願いします!」

ビッグボスは間もなく自宅があるというスラバヤへと戻って行ったけど、その数日後には給水器が設置されていた。

HIROはもう散歩帰りに重い水を買って持ち帰る必要もなくなり、ホテルはますます便利に、居心地のよい生活環境へとグレードアップした。

「ナニカ モンダイガアレバ イツデモ ワタシニ イッテクダサイネ!」ビッグボスがフロントに残した言葉。。トレマカシ、ありがとう。

そして、マカッサル・エンプレス・ホテル 730号室は " わが家 " となった。。

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