小荷物専用昇降機の竪穴区画って何?

小荷物専用昇降機の竪穴区画とは、
建築基準法の施行令112条10~14項に定められている防火区画の1種です。
施行令112条10~13項に定められた構造・規模の建築物において、階段や吹き抜けなど、火災時の煙が階をまたいで拡がる部分に必要な壁・床・防火設備を竪穴区画といいます。

なお、以下の2つのポイントに当てはまる場合、竪穴区画が必要となります。
●主要構造部を準耐火構造(もしくは耐火構造)とした建築物
●地階、または3階以上の階に居室があるもの

新たに『小規模な特殊建築物』に対する区画の基準が追加されたため、建物の用途・規模に応じて3つに分けて竪穴区画を考える必要があります。

1つ目
3階以上 or 地階に居室があり、準耐火構造 or 耐火構造の建築物』の竪穴区画(令112条10項)

2つ目
小規模な『病院・診療所(就寝施設あり)・児童福祉施設等(就寝施設あり)』の竪穴区画(令112条11項)

3つ目
小規模な『ホテル・共同住宅・(通所系)児童福祉施設』の竪穴区画(令112条12項)
竪穴区画が必要となる建築物
竪穴区画はすべての建築物に必要となるわけではありません。
竪穴区画が必要となる建築物とは、以下の2つに当てはまるものです。
・主要構造部を準耐火構造(または耐火構造)とした建築物
・地階、または3階以上の階に居室があるもの

主要構造部を準耐火構造とした建築物は準耐火建築物ではないのです。
準耐火建築物は、4つに分類されます。
準耐火建築物(イ-1)
準耐火建築物(イ-2)
準耐火建築物(ロ-1)
準耐火建築物(ロ-2)
このうち、主要構造部が準耐火構造となっているのは「イ-1」「イ-2」のみ。
準耐火建築物「ロ-1」「ロ-2」は、主要構造部を準耐火構造とした建築物と同等の耐火性能を有する建築物になります。

つまり、準耐火建築物(ロ-1・ロ-2)は主要構造部が準耐火構造ではないため、区画不要となる場合があります。

ただし、2019年の法改正によって、準耐火建築物(ロ-1・ロ-2)といった主要構造部が準耐火構造でない場合でも、

小規模な『ホテル・共同住宅・(通所系)児童福祉施設』の竪穴区画
小規模な『病院・診療所(就寝施設あり)・児童福祉施設等(就寝施設あり)』の竪穴区画
が必要となる場合があります。


ホテル、旅館、下宿、共同住宅、寄宿舎、病院・診療所・児童福祉施設等の用途の施設は要注意です。

3階建ての建築物でも、3階に居室が無ければ”竪穴区画“は不要となります。
竪穴区画の対象となるのは、「地階、または3階以上の階に居室があるもの」です。
つまり、「地下のある建築物」「3階建ての建築物」でも、居室がなければ竪穴区画は不要となります。
これも建築基準法をよく読んでいないと間違いやすいポイントなので、法文を正しく読みましょう。

竪穴区画が必要な「吹き抜け部分」とは
竪穴区画が必要となる建築物の部分とは、建物内の以下の箇所です。

☆吹抜け
☆階段
☆小荷物専用昇降機含む昇降機の昇降路
☆ダクトスペース

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