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ステライトとは何?初心者に優しい溶接知識

ステライト®とは

主成分のコバルトに30%程度のクロム4~15%のタングステンを成分にした合金です。
ステライトとは、コバルトを主成分として、クロム、タングステンを含む非鉄合金です。
硬度が高く、耐摩耗性、耐食性、耐熱性、耐酸性に優れており、長期に渡って品質を保てる特性があります。
例えば、1500℃~2000℃の高温においても、その特性は変化しません。
高い硬度と優れた耐摩耗性・耐食性を併せ持つ合金は、バナジウムやモリブデンを加えたものなど配合される成分の違いによって高い耐熱性を発揮するため、飛行機や船舶などのエンジン部品にも使用されております。

ガス溶接、Tig(アルゴンガス)溶接の2種類があり、ガス溶接はTig溶接より硬度がやや高くなります。
なお、ステライト®はデロロステライトグループの商標です。

高い硬度と優れた耐摩耗性・耐食性を併せ持つ合金は、バナジウムやモリブデンを加えたものなど配合される成分の違いによって高い耐熱性を発揮するため、飛行機や船舶などのエンジン部品にも使用されております。

ステライトは、摩耗が進んだ部位への肉盛り補修にも用いることができ、新たな機器を製作するよりもコストダウンが可能です。

ステライトの特徴

硬質で、耐磨耗性・耐食性・耐高温酸化性に優れる

ステライト溶着(肉盛り)

ステライト肉盛りである溶着の技術は、非常に難易度が高く、一人前の職人になるには10年以上が必要だそうです。

紛体プラズマ溶接(PTA)
プラズマアークを発生させ、超高温で溶着する方法です。
粉末状のステライトを使用する為、効率の良い溶接が可能です

ステライト溶接肉盛につい
ステライト溶接肉盛であるステライト溶着(肉盛り)
ステライト溶着の技術は、非常に難易度が高く、一人前の職人になるには10年を要すると言われております。
シャフトスリーブに用いられる溶接肉盛の方法は、一般的に「ガス溶接」「TIG溶接」「紛体プラズマ溶接(PTA)」の3種類であり、材質、形状、仕様で使い分けるのが一般的です。

ガス溶接
ガス溶接は、アセチレンガスと酸素が化合して生じる高温度の燃焼熱を利用して、溶接棒の一部を溶融し溶着する溶接法です。広範囲にガス加熱されるため、溶接割れが生じ難く、主にコバルト系合金やニッケル系合金の溶接に適用されます。ガス溶接法は人的作業の為、熟練した技能が必要となります。

TIC溶接
ベースとなる台金とステライト棒を溶融する溶接法で、加熱する部分が少ない為、短時間での溶着が可能です。
アルゴンガス中でタングステン電極と母材との間にアークを発生させ、溶接棒と母材を溶融し溶着させる溶接法です。CO2溶接、MAG溶接に比べて溶着速度が小さい溶接法で、溶接材料は、コバルト系合金、ニッケル系合金、ステンレス系、鉄系など様々な種類があり、線径の選択により入熱を押さえた肉盛溶接が可能です。

紛体プラズマ溶接(PTA)
紛体プラズマ溶接(PTA)=PTA肉盛溶接は、プラズマアークを発生させ、超高温で溶着する方法です。
粉末状のステライトを使用する為、効率の良い溶接が可能です
①高周波発生装置を使用してトーチ内でアークを発生させガスを加熱します。
②その超高温でイオン化したガス流中に、粉末状の溶接材料を送給して溶着する溶接法です。
③ガスは、窒素、ヘリウム、アルゴンなどの混合ガスを使用し、肉盛厚さは1層で3~4㎜と他の溶接法に比べて効率の良い肉盛溶接が出来ます。

用途別ステライト合金事例

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★溶接関連で安心してお任せできる中小企業をご紹介

新日本溶業株式会社 https://www.snyg.jp/
耐摩耗のコンサルティング&エンジニアリング会社
レーザクラッディング、レーザー溶接、レーザー肉盛ステライト肉盛溶接、破砕機刃物にて対応。
建設機械・産業機械の分野から石油化学分野、環境分野などへ、素材から製品、技術サービスの提供をしている。

アーク工業 https://www.y-arc.com/
・TIG溶接、Co2溶接を得意とし、またパイプ加工では主に銅、ステンレス素材で製作。
・TIG溶接は小物から大物まで、裏波溶接にも対応。
・試作品も対応可能。

島谷溶接加工株式会社 http://www.toritani.co.jp/
特殊溶接棒の開発から生産まで溶接コンサル工事施工の関西特殊溶接棒



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