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【HPAC 2006⇒2020 ①】


◎第1回定期演奏会
ベートーヴェン:交響曲第5番「運命」
R.シュトラウス:交響詩「英雄の生涯」

2006.4.10(月)

(ん)じゃじゃじゃじゃーんの、
(ん)を振り下ろした瞬間…

指揮棒が飛んでいった。

飛んでいく指揮棒が描く、
放物線の残像が、
今でも目に焼き付いている。


「英雄の生涯」の最後、
静かなホルンの音色が、
今でも耳の奥に残っている。


◎第3回定期演奏会
シューマン:交響曲第2番
ブラームス:交響曲第2番


当時の僕は、
シューマンの第4楽章の冒頭と、
ブラームスの第1楽章の冒頭しか、
知らなかった。

だから、
演奏会の90%の時間は、
よくわからない、むずかしい、展開部ってなあに?
と思いながら聴いていた。

あれから14年、
今は、
シューマンもブラームスも鼻歌でうたいたい曲。


◎第6回定期演奏会
マーラー:交響曲第6番「悲劇的」


曲中で「ハンマーが振り下ろされるらしい」という
事前情報だけを持って聴きに行ったマーラー。

よくわからなかった。
でも、退屈はしなかった記憶がある。
「すごい」曲だ、とも思った。

今でも、「わかる」曲ではないが、
一生かかってでも、かじりつきたい曲である。


アンコールがあって、武満徹の「波の盆」終曲。
ほんとうに美しい曲だった。


西宮で3日間のあと、
加古川と姫路でも同じ曲目。
音楽家とはなんと体力(と気力)のいる仕事なのだろう。


◎第7回定期演奏会
J.S.バッハ/ウェーベルン:“音楽のささげもの”より「6声のリチェルカーレ」
シェーンベルク:室内交響曲第2番
シューベルト:交響曲第8番「ザ・グレイト」


またまた渋いプログラムだなぁ、
と当時も思ったものだ。
今でも、渋いとおもう。

シューベルトの「ザ・グレイト」というタイトル表記に、
心惹かれたのを覚えている。

彼自身が付けたものでもなく、
というか、ただ比較の問題だけ、
であるにしても、
いまだに、
「グレイト」でも「グレート」でもなく、
「ザ・グレイト」という呼び名が好きだ。


◎第8回定期演奏会
アダムズ:「主席は踊る」
ショスタコーヴィチ:ヴァイオリン協奏曲第1番
ベートーヴェン:交響曲第7番


「のだめカンタービレ」がブームになった頃、
ベートーヴェンの7番が演奏されると、
たちまち満員になったりした、らしい。


それもそうだが、
ショスタコーヴィチ:ヴァイオリン協奏曲第1番。


静かで、美しいだけではない、第1楽章。
永遠のような長さを感じる音楽。


いま、Apple musicでこの曲を聴いてみると、
じつは第1楽章の演奏時間は、10分ほどだった。

とても10分とは思えないほどの、
何か、言いあらわしようのない音楽を、感じていた。


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いつ忘れてもいいように、
書いておきたいことがある。
14年前からの記憶を
時々、たどってみようと思う。



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