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【コラム】ツール・ド・フランス見てますか?

※この記事は、Wednesday Bicycle Happy!! のメルマガ、2024年7月15日配信分の転載です。


こんにちは! Wednesday Bicycle Happy!! です!

現在ツール・ド・フランスが開催中ですね。
今年は最終フィニッシュがフランス南部の都市ニースということで、いつもとは違うツールを感じています。
今日は、これまでのレースを簡単に振り返り、最後の一週間をみなさんと楽しむべく、これからのポイントをお伝えしたいと思います。

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第104回ツール・ド・フランスは6月29日に開幕しました。
第1ステージのスタートをグラン・デパール(grand départ)と言います。
今年のグランデパールはフィレンツェで迎えました。
イタリアでのグランデパールは史上初です。

第1週目には長く自転車ロードレースを見ているファンにとって、非常にエモーショナルな二つの勝利がありました。
一つ目は、フランス人ライダー、ロマン・バルデ(チームDSM)の第1ステージ勝利とマイヨジョーヌ獲得です。

バルデは2016年のツールで総合2位の成績を収め、一躍フランス期待の総合系ライダーとなりました。
当時は全盛期のクリスフルームを擁する、イギリスのチームskyが強大なチーム力を見せており、そのフルーム=skyとツールで争える選手の登場をフランスの人々は待ち望んでいました。
そこに彗星のように現れたのが、当時まだ25歳、フランスの伝統チームAg2rに所属していたバルデでした。
当然、フランスの期待を一身に受け止めることになります。
翌年のツールでは総合3位と連続で表彰台に上ったのですが、そこからはツールでの成績を落としてしまいます。
元々、上りに強いクライマーなのですが、近年のツールではタイムトライアルが重要な位置を占めていることが苦しかった。
またなによりチームの総合力、言い換えると資金力がものをいう流れになっており、あまり資金の無いAg2rというチームにあって、能力を活かしきれなかったということも成績不振の理由でしょう。
いずれにしても、母国の期待を受けながらその期待に応えることのできない、そんな苦しみと戦ってきたこの10年だったのです。
オランダ籍のチームに移り、グランツールライダーというよりクラシックレースを主戦場に変え、今年をキャリア最後のツール出場と発表した直後のマイヨジョーヌ獲得。
正直僕は、残り1kmから涙が止まりませんでした。
きっとフランス人はみんなそう。



そして二つ目はツール・ド・フランス最多勝となる35勝目を挙げた、マーク・カヴェンディッシュ(アスタナ・カザクスタン)の第5ステージ勝利です。

ドゥクーニンク・クイックステップにいた2021年のツールで驚きの4勝を挙げ、エディ・メルクスの34勝に並んでいたカヴ。
しかし、22年は若手のファビオ・ヤコブセンにエーススプリンターの座を奪われツール出場がかないませんでした。
チームでの序列の低下もあり、翌年アスタナに移籍します。
ところが最多勝を期して臨んだ23年のツールでは落車による負傷で途中リタイア。
あと1勝の難しさを感じました。
そして今年。チームはカヴをリードアウトするミケル・モルコフを加えるなどカヴの最多勝を後押しします。
カヴ自身もツールまでにシーズン2勝を挙げるなど気を吐いていました。
とは言え、トップスプリンターが集まるツール・ド・フランス、もう39歳のカヴの勝利は難しいのではと考えられていました。
実際、第1ステージでは猛暑に苦しみ174位、最初の平坦ステージだった第3ステージでは落車に巻き込まれ113位と、やっぱりあと1勝が遠い。
そんななか迎えた第4ステージ、最終のスプリントが始まります。
抜群の反応で先行する選手の後ろにつき、さらに加速すると他を寄せ付けないスピードで、真っ先にフィニッシュラインを駆け抜けました。
遠かったあと1勝にやっと手が届き、彼のキャリアは美しく終わりを迎えられそうです。
偉大なスプリンターは、記憶だけでなく記録にも、きっと長く残り続けることでしょう。



というわけで、今年のツールの僕が感動した二つの大きな勝利についてご紹介しました。
こういう人間臭いのが自転車ロードレースの魅力の一つだと思うんですよね。


ここまで、今年のツールはタデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ)が存分に強さを見せてきました。
第14ステージが圧巻の走りで、ヨナス・ヴィンゲゴー(ヴィスマ・リースアバイク)
大きなトラブルがなければ、そうそうマイヨジョーヌを明け渡すことはなさそうに見えます。
それでも難易度の高い山岳のある第19、第20ステージはクライマーであるヴィンゲゴーが攻撃を仕掛けるでしょうし、最終第21ステージではTT世界チャンピオンのレムコ・エヴェネプール(スーダル・クイックステップ)が逆転を狙ってくるでしょう。
総合優勝を争う3人の動きからはまだまだ目が離せないですよ!

実は現在7月14日のお昼なので、今日どうなっているのかわからないですけどね。

最後の1週間も楽しんでいきましょう!


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