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特別寄稿

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各界よりお寄せいただいた、道しるべへの寄稿を特集しています。 それぞれの専門の方の文章をお楽しみください。(道しるべによる解説記事も合わせて採録しています)
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2020年7月の記事一覧

【『新型コロナからの気づき(1)』に寄せて】「みんなが間違え」てしまった原因とは―「時代精神」が示すポスト・コロナの展望

 国際地政学研究所理事長 柳澤さんの特別寄稿『新型コロナからの気づき―社会と自分の関わりを中心に(1)不要不急とは何か』は、コロナ禍以前に今の社会のひずみの原因を見出す考察が光る論考です。その中に一つ、柳澤さんがご自身のキャリアをかけ考察された著作を連想させるフレーズがあります。それが「みんなが間違えていた」という最後の段落に登場する一節。  それは、柳澤さんが戦後日本の安全保障政策とともにあったキャリアを見つめ直した著作『検証 官邸のイラク戦争-元防衛官僚による批判と自省

『新型コロナからの気づき―社会と自分の関わりを中心に(1)不要不急とは何か?』(柳澤協二氏)

[画像]新型コロナ対応広告の無料イラスト(提供:株式会社Hikidashi)。様々な事業者の自粛による臨時休業は緊急事態宣言発令で全国に拡大し、日本経済が"自粛"する事態となった。 【道しるべより、特別寄稿のご紹介】  国際地政学研究所理事長・柳澤さんはこのコロナ禍を振り返り、「改めて感謝したい気持」になるほど様々な気づきがあったそうです。私どもへの特別寄稿第1編では、等身大の目線で個人と社会の動きを考察いただきました。  初回には「自衛隊を活かす:21世紀の憲法と防衛を

【特別寄稿のご案内(7/25-)】柳澤 協二 国際地政学研究所理事長/元防衛省防衛研究所所長・内閣官房副長官補

■自分の論理で、考え抜く ミスター防衛庁と呼ばれた故西広整輝事務次官は、冷戦が終わったとき、「なぜ君たちはロシアや中国との同盟ではなく、日米同盟を当然と考えるのか」と言っておられた。私は、ずっとその答えを出さなければならないと思ってきた。それは、「あらゆる前提を疑い、自分なりの論理で考えてみろ」という教えだったと思っている。 (岩波書店『検証 官邸のイラク戦争』P.183-184) [画像]ソマリア海賊対処部隊で任務に就く海上自衛隊・護衛艦むらさめ(スタッフ撮影)。ソマリア