盛岡一高


今日は、私が3年間通っていた岩手県にある盛岡第一高校について振り返りたいと思います。大した学校ではありません。 

盛岡第一高校には、1年生の4月に「応援歌練習」という校歌や応援歌を20個くらい覚えさせられる行事がありました。私は高校に行きたくなくなりました。入学前の春休み中に全曲が入ったCDと歌詞ブックを渡されましたがおかしな曲だったので全く覚えていきませんでした。真っ暗にした体育館に裸足で立って歌い続け、歌えていないのがバレると巡回している応援団に「歌詞!」と怒鳴られ即座に歌詞を言わねばならず、言えないと「歌詞場(かしば)」という体育館の隅に作られた特設コーナーに連れて行かれ、罵倒されながら正座で歌詞を言い続けなければなりませんでした。

「杜の都」という仙台の人が歌ったほうがよさそうなタイトルの歌がありました。10分くらいひたすらお経のような歌い方をする歌で、3番までありました。勿論歌えない人が続出し、歌詞場がたちまち溢れかえり、見渡すと二列に並んだクラスの1/5くらいしか残っていませんでした。私は歌詞を覚えていませんでしたが、「おー」や「あー」といった母音を頼りに大きな声を出してごまかし、生き残っていました。しかし、もうすぐ歌い終わるというところで応援団の男に見つかり、「杜の都2番歌詞!」と耳元で怒鳴られ、「分かるわけねえだろバーカ、うるせえ死ね!」と怒鳴り返せばよかったものの「うっうっ」となってしまい、腕を引っ張られて見事に歌詞場に連れて行かれました。歌詞場では既に多くの人が大声で歌詞を音読しており、私はその人達の近くで口パクをして乗り切りました。

なんの訓練だか知りませんが、入学式の翌日から5日間このイベントがあり本当に苦しみました。この高校に入らなければよかったと思いました。ちなみに野村はのちにこの応援団の一員となり、冬も裸足に雪駄で登校していてかわいそうでした。

続く。

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