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純粋な心が心を揺らす――あかもく先生新刊「Chill Out」感想

「Chill Out」

あかもく先生(@akmkmk3)のC100新刊。
一番好きな絵師さんの御本をコミケ当日に、しかも地方のメロブで入手できるとは、予期せぬ幸運でとても幸せです……!
今回もとても素晴らしく、心沸き立つ大好きな作品でしたので感想を文字におこしてみました。

「混じりけの無いもの」

「混じり気のないものが好き」とあかもく先生は最近プロフにお書きになったかと存じますが、自分なりにその魅力を感じとることができた気がします。

私はあれこれ思い悩みますが、頭のなかは大小さまざまな悩みの種たちで混沌としていて、どうにもならず自分を苦しめるものばかりで、混じり気のないものとはほど遠いです。多くの人の悩みもそうでしょうし、だからこそ創作されて人を感動させるものになるのでしょうか。

それぞれの感情を体いっぱいにまとい、日常の一場面を生きている少女たち。一直線に、自分の心を信じきって行動する姿は、底まで透きとおった清流のようで、心のどろどろを流しさってしまえる力があります。

あかもく先生はクールダウンしたかったとおっしゃていますが、私も心境が一転するような体験をすることができました。
じめじめする夏の気怠さが吹っとんで空が青く澄みきった上に、冬のやさしい太陽すら浮かんできたように晴れやかな心地です。行く先が鮮明に眩く染まったようで、少女たちの姿に私の未来が救われたかのようです。

いくつか一つずつ感想を書きます!

まず、表紙にもなっている「サマーランドリー」
洗濯物の匂いが好きなのはわかるけど、コインランドリーに座り込むほどの行動力がすごい。何事にも無頓着ということで納得しました。周りの目を垣間見ず心の趣くままに振る舞うことができるのはとても眩しい。
クーラーの効いたランドリーから外の暑そうな青空を眺め、その場の空間を一途に味わうことができる純粋さに感動させられます。

「一陣の風」
構図がとても好きです。一直線に建つ橋と飛行機雲。針路の邪魔をするように放置された自転車にすこし苛立った少女へ、また風が一直線に吹き抜けていく。そんな1シーンが浮かびました。
あかもく先生の少女たちは今にも日常の続きを始めそうで、ライブ感が本当にすごいです。

そして、私がいちばん大好きになった作品は「夢(の)中」です。
夢中になって自分の好きな絵を描き、ちょっとつかれたから楽しい夢の中にしずむ。楽しそうに口元は緩んでいます。尊敬できるし可愛らしいところもある、理想いっぱいの眩しい姿です。
純粋さが存分に感じられ、穏やかな表情に涙腺が緩むほど心が揺さぶられました。時間があるたび、この絵を何度も眺めかえしています。
設定によると妄想力が半端ない少女らしく、彼女の妄想力に私も惹き込まれて夢の中に落ちてしまうのかもしれません。

どれも素晴らしくて選ぶのがむずかしい!
眺めるたびに感情が溢れてもっともっといっぱい書きたいところですが、つかれてきたので私も夢の中にさようならします。

長文早口になっちゃいましたが、ここまで読んでいただきありがとうございます!

#わヴぇの感想


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