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夢はでっかく具体的に。それを声に出す!ゲスト:儀武ゆう子さん(2022/11/18 OA)【Watta! Itta! #08】

新番組「Watta! Itta!」

第8回のゲストは、与那原町出身、
声優・司会・構成作家の儀武ゆう子さんでした。

沖縄出身声優の草分け的存在として活躍している儀武さん。代表作であるアニメ「たまゆら」の桜田麻音役を始め、多くのアニメやゲームでキャラクターボイスを担当している他、結婚式を中心とした司会業や、ラジオやイベントなどの構成作家、そして沖縄を舞台にした作品の方言監修といった裏方の仕事もこなしています。

実はクワエは儀武さんを良くネット上でお見掛けしていまして。大好きなゲームの一つ「御城プロジェクト:RE」の生配信番組で、儀武さんの活躍を一方的にではありますが、いつも楽しませてもらっていたのでした。

そんな関係性から、儀武さんとのトークはスタートしました。

放送はこちらから!

【radiko】 ※2022/11/25迄
→沖縄県内からはタイムフリー(無料)で、県外からはエリアフリー(有料会員)で聴けます。

【podcast】 ※2022/11/24~
→全国どこからでも聴けます。
(anchor、spotify、apple podcasts、Google podcasts、Amazon music)

放送内容のまとめ

ここからは放送内容のネタバレになりますので、是非番組を聴いてからお読みください。(一部、本放送ではカットされた部分も含みます)

高校の放送部で自信を得て、声優への夢を叶えるために上京

儀武さんは与那原町で生まれ、地元の知念高校へと進みます。

幼い頃より周りの人たちから「声がいい」と褒められていた儀武さん。アニメが好きで、そうしたアニメ好きとしての感情を正当化するためという理由もあって、声優を志すようになります。
「アニメが好きだから声優になりたい」ではなく、あくまでも「声優になりたいから勉強のためにアニメを見ているのだ」と。

そんな儀武さんが進学したのは、地元の高校(出身中学校の隣)であり、当時放送部が全国的に活躍していた知念高校。顧問だった池原初子先生は高校の放送界ではレジェンドであり、「知念高校に行けば良い活動ができそうだ」と考えてのことでした。

そしてその目的通りに大活躍。NHKのコンクールでは賞を総なめにしていきます。
個人戦であるアナウンス部門では、2年の夏に最優秀賞を獲得。その後は引退までその座を誰にも譲ることはありませんでした。
そして知念高校としても団体戦では全国2位になるなど、大きな経験をすることになり、この時の「皆で作品を作って行く」という経験が後に儀武さんの転機にも繋がっていくことになるのです。

自信を胸に上京も、苦労しながら声優へ

こうして高校時代に大きな自信を得た儀武さんは、夢であった声優になるために上京することを決断。「就職進学」という制度を活用して、会社で既定の時間を働きながら声優養成所へと通うことになったのですが、そこで自信が打ち砕かれることになります。

小さい頃から声が良いと褒められ、高校時代も県内で賞を総なめにし、当然自分は簡単に声優になれるはずだ、と思っていた儀武さん。しかし現実はそんなに甘くなかったのです。

声優養成所に在籍する声優の卵たちにとって「声がいい」「喋りが上手」というのは当然であり、その上でどういった魅力を持てるのかが無いと厳しい世界。そうしなければ事務所から声がかからず、デビューも出来ない現実・・・。

儀武さんはしかしそれでも諦めず、会社では居酒屋事業部に所属し、ホールで働きながら、懸命に声優になるために努力した結果、2004年にようやくデビューのチャンスを掴むことが出来たのでした。

「たまゆら」で気付いた自分の得意分野

こうして声優デビューして色々な作品に出演するようになった儀武さんですが、大きな転機となった作品がありました。

それが、2010年にOVAでリリースされた作品、「たまゆら」でした。

広島県竹原市を舞台に、高校生四人の友情と夢を追いかける姿を描いたこの作品は、2016年の完結までに、TVアニメシリーズが2期、劇場公開の完結編と、全4シリーズの展開となった人気作。その作品の中で、儀武さんが担当したのが桜田麻音という女の子のキャラクター。
プライベートの儀武さんとは真逆の内気な女の子で、そうした意味でもこれまでの儀武さんのキャリアの中では異色だったのですが、何より大きかったのが作品との関わり方の変化でした。

この作品での儀武さんは、単なる声優での出演だけではなく、作品イベントの企画や運営も任されるようになり、後半はイベントの司会や台本自体も自分で書くようになるなど、98%のイベント出席率と共にスタッフ周りの仕事もこなすようになっていったのです。

そこで儀武さんは気付きます。
「お芝居も好きだけど、一番好きなのはみんなと何かを作り、その先の笑顔を見ることかもしれない」ということに。

これは中学生の頃からアニメが好きで「声優にならないと死んでしまう」というくらいの気持ちで生きてきた儀武さんにとって、「声優にならなくても死なない」し、声優というポジションや立ち位置にこだわらず作品に携わることでも”楽しい”は作れるんだと気付いたことは、大きな大きな転機になったのです。

「たまゆら」という作品に参加することで、「真ん中に立つよりも人を手伝う方が好き」と気付くことになった。だからこそ儀武さんにとって「たまゆら」は、今でも大切な作品となっています。
作品の舞台となった竹原市のお寺で、自身の結婚式を挙げ、かつそのウェディングパーティーへの参加権利をたまゆらの映像作品の購入特典にするほどに。(そんな特典、他ではなかなかお目にかかれません!)

その後の儀武さんは、ラジオやイベントの構成台本を手掛ける構成作家としての仕事もこなすようになり、また沖縄を舞台にした方言監修も手掛けるなど、”表方”の声優としてだけでなく、”裏方”の仕事も多く任されるようになり、今も多くの作品や番組を支えています。

そんな儀武さんのこの先の目標が「アニメの脚本を書くこと」。アニメの脚本も監督や原作者、出演者や演出など、多くのスタッフ間の調整が求められる仕事。そしてそれは皆を手伝うことにもなります。
「たまゆら」という作品で人を手伝うことに喜びを感じるようになり、そこから”表方”としても”裏方”としても多くの作品に携わってきた儀武さんだからこそ実現できる道。今後の”脚本家・儀武ゆう子”の活躍に期待ですね。

こぼれ話

儀武さんの沖縄でのフェイバリットスポットは、高校時代の青春の一ページだった、与那原の「JEF(ジェフ沖縄)」
「ぬーやるバーガー」や「クッキーポテト」が好きという儀武さんは、高校の放送部の時によく同級生たちとこのお店で大会に向けて色々な話をしていたそうです。
JEFは今では沖縄に三店舗。与那原と豊見城と那覇にあります。A&Wに比べるとマイナーではありますが、沖縄の南部の人たちにとってはソウルフードの一つ。まだ行ったことが無い方は是非行ってみて下さい。


儀武さんが後輩たちに伝えたい”夢をかなえる秘訣”はというと、「夢は出来るだけ具体的に。そしてそれを周りに言いまくること」でした。

儀武さんが今でも考えることとして挙げたのが、声優デビュー前のこと。
居酒屋で働いていた時にお客さんから「将来どんな声優になりたいのか」と聞かれた儀武さんは、当時は硬派な方がかっこいいと思って「声優でご飯が食べられればいい」と答えていたということ。

その気持ちには嘘はないし、その夢を無事に叶えて芝居で食べられるようになったので、その夢を実現した自分を誇りに思っている。
ただ、もしその時により具体的に「どういう声優になりたいか」を伝えていたら、どうなっていたのだろうか、と。

例えば「武道館に立ちたい」という、より具体的な目標を立てていれば、そのためにはどうするかと考え、例えば「ボイトレをする」「大手の事務所に移籍する」など具体的な道筋も見えたはず。
そう声に出さなかったから(思わなかったから)、今「武道館に立っていない」のであり、「声優でご飯が食べられるようになりたい」という目標に対してしっかりと道筋を立てて実現して誇りに思っているからこそ、あの時に「こういう声優になりたい、こういうことを実現したい」と具体的に考えていれば、また違った道を辿っていたのかもしれない、と儀武さんは考えているのです。

だからこそ、夢は大きく具体的に立てて、それを周りに宣言し、そしてそれが嘘にならないためにはどうするかをちゃんと考える
目的地をしっかりナビに設定することこそが、夢の実現の秘訣ということですね。

今でも沖縄を愛する儀武さん。「沖縄から出ることでより沖縄の魅力に気付いた」と語ります。
だからこそ沖縄の若者たちには挑戦してもらって、夢はでっかく声に出す。それをやって欲しい、そう強く語ってくれた儀武さんでした。

【告知】
儀武さんが声優および方言監修として参加したアニメ「白い砂のアクアトープ」
この南城市を舞台にした作品のトークイベントが、来月12/3(土)に南城市の知念体育館で開催されます。司会として地元に凱旋を果たす儀武さん。多くの地元ファンに歓迎される姿が目に浮かぶようです。
様々な配信先で見られるので、興味のある方は是非どうぞ!

次回のゲストの紹介

さて第9回となる次回のゲストは、合同会社東京都沖縄区の代表社員である平良英之さんです。

【Twitter】 【TOKYOうちなーねっと】

平良さんは宮古島の出身。宮古高校を卒業後に沖縄国際大学へ進学し、高校の教員免許を取得しながら教員になる前に経験を積もうと、東京の小売業の会社に就職。
数年働いて沖縄で高校の教員になるはずが、その働いている間に様々な刺激を受け、また様々な職業に触れることで、自身でももっと色々な可能性を追いたいと、保険業に転職したことを皮切りに、”法人へのソリューション営業”という領域で、金融業や不動産業で経験を積んでいきます。

こうした中、2013年には”東京から沖縄を盛り上げる”という思いの元、「東京都沖縄区」を設立。以来、事業の柱としてウチナーンチュ向けの上京支援の活動を行い、関東の沖縄関連の情報を集めたメディア「TOKYOうちなーねっと」の運営などを手掛けています。

そんな平良さんに、こうした活動をするようになったきっかけや、実際に現在行っている活動などを伺いますので、どうぞお楽しみに。

2022/11/25、22時~ オンエアーです!


「Watta! Itta!」(ラジオ沖縄)
毎週金曜日 22:00~22:30
ハッシュタグ:#ワッタイッタ
メール:watta@rokinawa.co.jp
→皆様からの感想やゲスト候補の自薦・他薦もお待ちしています!


【Watta! Itta! Credit】
・Sponsor
一般社団法人あゆむ
株式会社バリューブリッジ
株式会社しんか

・BGM
(Opening)「Emotronik」佐土原隼人
(Ending)「かえりじたく」ninny
(Jingle)なるけしんご、近藤崇、ハヤシユウ

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