宗主国東京

 台風が来たらしい。筆者は引きこもりなので外の天気がよくわからない。ツイッターとテレビの情報によると、この台風は普段の台風とは異なる動きをしたようだ。普通の台風は沖縄方面から北上し、西日本から東日本に向かってやってくる。ところが今回の台風は太平洋側から東海地方めがけて、東から西に向かってやってきたらしい。テレビでは東から西に向かう台風の脅威が盛んに叫ばれていた。どうやら通常の西から東に向かうタイプの台風は、富士山や日本アルプスのおかげで関東地方では風雨が弱まるらしい。対して、今回の東から西に向かうタイプの台風は、台風本来の風雨が弱まることがないので、関東の被害が大きくなるらしい。お天気お姉さんがそのように言っていたのできっとそうなんだろう。

 毎年のように台風に上陸されて被害を受けている県民からしたら、台風が西から来ようが東から来ようが、勢力が大きいわけでもなければ大して違いはない。それよりも、西日本豪雨からまだⅠヶ月も経っていない。岡山や広島の人達がせっかく後処理に励んでいるのに、台風の被害にあってしまえば、まさに泣きっ面に蜂というものだ。大きな被害が出ていないことを祈るばかりだ。

 関東の被害予想報道についてはよく目にしたが、西日本豪雨で被害が出た地域の被害予想が報道されないのが気になった。この台風に対して最も敏感なのは彼らではないのだろうか。全国放送で関東の被害予想ばかり流すことに意味はあるのか。関東民だけ知っていればいい情報ではないのか。

 西日本豪雨の折、こんなツイートがバズった。

 東京中心の政策を皮肉ったツイートだったのだが、想像以上に反響があった。どうやらみんな思い当たるフシがあるのだろう。そして今回の台風についても、あまりにも東京中心主義ともいえる報道を見て、こう思ったのだ。

 もしこれが普段どおりの西から東に向かう台風であれば、ここまで大きな報道はされなかっただろう。いざ関東に、いや東京に被害が出るかもしれない可能性が少し大きくなったから大騒ぎしているのだ。西日本豪雨では災害レベルの被害が出てもなかなか災害対策本部が設置されなかった。これは災害現場が東京から遠かったためではないか。

 災害に限った話ではない。東京は地方から(「東京も地方だ」という野暮なツッコミは控えていただきたい)ヒト、モノ、カネを集めて憚らない。東京は地方の若者を連れ去り、地方の高価な名産物を取り上げ、地方の企業を奪うことで、金と雇用を奪っている。東京モンは「東京のおかげで大型公共事業ができる」と傲慢にも正当化している。声を大にして言いたい。

「公共事業なんてやっていないじゃないか!」

 地方は東京に奪われてばかりだ。これではまるで地方は東京の植民地ではないか。東京モンを生かすために地方があるわけではない。地方のために東京という首都があるのだ。何でもかんでも東京中心でモノゴトを進めるな。金正恩よ、東京にテポドンを落とせ!

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