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よく分かる風の魔法 風データ集 Vol.02 直線向かい風・芝

 前回は東京競馬場に絞って調べてみましたが、あまり成果は上がらなかったことに加え、サンプル数もそこまで多くとれ ていないということもあり、もう少し大きな括りで調べてみます。

 タイトルにある通り、今回のテーマは「芝レースの直線向かい風で上がりを使った馬」に関して調べてみようと思います。これは切実な願いなんですが、頼むから使えるデータがあってほしい…(筆者はこの時点でまだデータを調べきっていない)。

 今回も前回同様プロセス含めて見ていこうと思います。まずは手っ取り早く以下の条件から。

【前走直線向かい風 / 前走上がり34.9秒以内 / 前走芝 / 前走場所別】

※上がり34.9秒以内はレース上がりではなく各馬の上がりを指します。以降も同様。

直線向かい風&上がり34.9秒以内&場所別

 前走場所別は各場とも微妙な数字。ちなみに前走福島は単勝79.7倍で勝利したファイブフォースを抜くと単59%・複74%まで落ちるので単なる上振れっぽい。全体の回収率である単78%・複91%ですが、

【前走上がり34.9秒以内 / 前走芝 / 前走場所別】

前走上がり34.9秒以内 & 前走芝 & 前走場所別

前走直線向かい風の条件を抜いた回収率が単93%・複83%になるのでこれもそこまで変わらずというデータ。しかしこちらのデータ、東京なんかはサンプル数も多いのに単回収122%は非常に優秀ですね~。風の話とは関係ありませんが、少し深堀りしてみると、

【前走上がり34.9秒以内 / 前走芝 / 前走東京 / 単勝オッズ別 】

前走上がり34.9秒以内 & 前走芝 & 東京競馬場 & 単勝オッズ別

 とりあえず人気ないやつを狙っておけばOKと……。ちなみに今走の競馬場別で見ると、

【前走上がり34.9秒以内 / 前走芝 / 前走東京 / 競馬場別】

前走上がり34.9秒以内 & 前走芝 & 東京競馬場 & 今走競馬場別

 中山替わりは一気にデータが悪くなる半面、前走東京→今走東京でも上がり34.9秒以内使っている馬はとりあえず買っておけばどうにかなるというところ。ちなみに単勝オッズ100倍台の成績を抜いても単114%・複89%だったので結構有意性はありそうです。

 話を戻して、直線向かい風を風速別に見てみましょう。

【前走直線向かい風 / 前走上がり34.9秒以内 / 前走芝 / 前走風速別】

⑦前走直線向かい風&前走上がり34.9秒以内&前走芝 & 前走風速別

  一見これも微妙に見えますが…

⑧前走直線向かい風&前走上がり34.9秒以内&前走芝 & 前走風速別(ソート:風速順)

 複勝率でソートをかけると結構綺麗に並んでいます(風速「猛烈」と風速「弱い」はサンプル数が少ないので無視してください)。
 僅かの差のようにも感じますが、

【前走上がり34.9秒以内 / 前走芝 / 前走風速別】

⑨前走上がり34.9秒以内 & 前走芝 & 前走風速別

 前走直線向かい風を抜いた状態で風速別を複勝率順にソートすると結構バラバラになるので、これは有意性がありそうです。

【前走直線向かい風 / 前走上がり34.9秒以内 / 前走芝 / 前走距離別】

⑩前走直線向かい風&前走上がり34.9秒以内&前走芝 & 前走距離別

 距離別で行くと、やはり1200mは直線向かい風でも上がり34.9秒以内なんて割と誰でも出せてしまうので、複勝率にはプラスに働かないようです。というわけで抜いてみます。

【前走直線向かい風 / 前走上がり34.9秒以内 / 前走芝 / 前走場所別(前走1200m除外)】

⑪前走直線向かい風&前走上がり34.9秒以内&前走芝 & 前走場所別(前走1200m除外)

 ↑のデータを見て、本当かどうかは分かりませんが、「上がり3Fに占める直線の割合が大きいコース:東京、新潟」か、「直線急坂で向かい風による体力消耗がより大きいコース:中山、阪神、中京」の方が、全体的な回収率の値が高いことが分かります。まあ急坂に関しては単純に急坂があるから上がりが出にくいというのもありますが…。

 というわけでこのコースに限定して再集計。

⑪前走直線向かい風&前走上がり34.9秒以内&前走芝 & 前走場所別(前走1200m除外)

 全体の単複回収率が100%を超えました。ただしこれだけ絞ったのでもう少し欲しいというのが正直な気持ちですが…。前走で上がりを出している馬(しかも直線長いコースで)は基本的に人気になりやすい上、差し馬の場合は捌くリスクもあるので結構頭まで狙えるかどうかのブレが大きいということも原因の一つかと思います。

【まとめと考察】

 今回は「直線向かい風の芝レースで上がりをある程度出した馬」に絞って調査を進めました。結果としては、

① 上がりを出したレースの直線向かい風の風速が強ければ強いほど、次走の好走確率が高まる

② ①は、前走が1200mよりも長い距離の方が、好走確率が高まる

③ 「上がり3Fに占める直線の割合が大きい東京・新潟」「単純に上がりが出ない上、向かい風によって体力消耗の影響度も増す直線急坂がある中山・阪神・中京」で上がりをある程度出せば、好走確率が高まる

 以上3つのことが言えそうです。もちろん定期的に検証する必要はあります。

 ①については直線追い風でも同様のことが言えれば、という感じですね。②については直線向かい風よりも直線追い風の方が影響が出ていそうなので、これも直線追い風の調査結果待ちといったところでしょうか。
 ③については、やはりローカル競馬場や下り坂を使える京都競馬場に関しては、風よりも馬場の影響の方が大きそうな感じはしますね。馬場の影響の方が大きいということは、ではダートはそうでもないんでしょうか。そのあたりも詳しく調べてみる必要がありそうです。

 次回は芝レースの直線追い風について調べてみようかと思いますが、直線追い風についてはコースによって場合分けが必要なのでまたサンプル数の問題に直面するかもしれません……。

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