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よく分かる風の魔法 Vol.2『4つの法則を知れば風予想の7割が分かる』

 前回50フォロワー達成から150フォロワー達成まで4か月もかかってしまいました。

 まあ、フォロワーを増やすことが目的ではないのですが、このペースで行くと20以上あるはずのマガジンをすべて出し切るのにあと6年かかる計算になります。さすがに僕以外の何者かがnoteに書いてそう。

 ということで、前回ののマガジンVol.1『風情報の入手方法』の次回予告では、「映像から入手する風情報」をVol.2にて投稿するつもりと話していたんですが、少し順番を変えて、風の根本ともなる基本法則についてお話します。

 最後にはオマケで今後の2歳戦で使えそうな新馬・未勝利のレースを取り上げたいと思います。こちらは実験的に有料にしていますが、Twitter等で呟いてたりもしていますので、ご参考程度ということで。

 

風予想は4つの原則で成り立つ

 「理論は20近くある」「風の研究では圧倒的に先行している」などと仄めかしている筆者ですが、脳内はパッパラパーなので基本的に風の予想では4つのことしか考えていません。それは以下の4つです。

①追い風の時はスピードが上がる
②向かい風の時はスピードが下がる
③風は風速が強いほど効力が上がる
④風はスピードが速いほど効力が上がる

 これを読んだ10人中9人はこう反応すると思います。

「当たり前じゃねーか!」

 僕も当たり前だと正直思わなくもないですが、タブを閉じる/戻るボタンを押すのはもう少し待っていただきたい。

 順番に見ていきましょう。

①追い風の時はスピードが上がる
②向かい風の時はスピードが下がる

 これは皆さんも何となくイメージが付くと思います。陸上選手の100m走なんかでも追い風参考記録とかありますし、野球でも風が強いときは高く上がった打球が風に乗ってホームランとか、逆に押し戻されてただの外野フライに……といったように、割と目にする光景かと思います。

③風は風速が強いほど効力が上がる

 これもイメージが付きますね。台風なんかで向かい風だと進むのもやっとですが、普段生活しているときに向かい風で前に進めない、なんてことはないでしょう。

④風はスピードが速いほど効力が上がる

 最後のこれがイマイチイメージが付きづらいという方が多いんじゃないでしょうか。

 これ、ロードバイクを乗ったことがある人とかだと割とすぐ分かるのですが、下り坂で追い風の時、スピードが無制限かってくらいに上昇していきます。それなりにトレーニングしている方だと法定速度くらい出たりするので、競走馬と同じかそれ以上の速さですね。

 逆に、キツい上り坂の時、平坦時は20~30km/hで走っていて緩やかに風を感じていたのが、15~20km/hまで落ちると途端に風が止んだように感じます。これ、風が止んだんじゃなくて、スピードが落ちたことで抗力が弱まっているからなんですね。

 ロードバイクに乗ったことがない方でも、自転車に乗ったことがある人や、もしかしたらバイクに乗ったことがある人ならピンとくるのではないでしょうか。

 詳しくは流体力学の専門分野になるので割愛します(というか僕もそんなに話せない)が、ざっくり抗力は速さの2乗に比例すると考えてもらうとイメージが付きやすいかもしれません。

 さて、①~④が分かったあなたは風予想の7割を理解したと言っても過言ではありません。ただこれで締めくくると暴動が起きそうなので、以下、昨年の2歳芝の中距離レースを使ってケーススタディーという形で説明できればと思います。


2019年9月15日 4回中山4日目 5R 2歳新馬

 ラップは

12.7 - 12.5 - 13.2 - 13.1 - 12.9 - 11.8 - 11.2 - 11.2

 となっています。

 見出しとラップだけで勝ち馬が分かった人は変態認定したいと思いますが笑、勝ち馬はショウナンハレルヤです。

 この日の風は予報では北風5.0m/s。

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 映像で見ても分かりますがかなり強い直線向かい風でした。

 これを一杯に追わずに、直線部分に相当するラスト2Fを11.2-11.2で完勝。勝ちタイム1.38.6は馬場を考えると激遅でしたが、この時点で次のレースは本命にしようと決めていました。

 先ほどの基本原則に当てはめて考えてみましょう。

 まず直線向かい風だったので②向かい風の時はスピードが下がるはずですがラストは11.2-11.2とスピードが落ちていません。

 次に③風は風速が強いほど効力が上がるです。風速5.0m/sというのは普段の風の中では強い方なので、本来であればスピードはより下がるはずですが、スピードは落ちておらず。

 最後に④風はスピードが速いほど効力が上がる。直線のラップは11.2-11.2でしたから、向かい風の抗力も相当なものですが、前述のとおり、スピードは落ちていません。

 つまり、ショウナンハレルヤが生み出したラップはこの基本原則②③④に大きく逆らったものと言えます。不自然なラップを生み出しているほど強さは際立ちますから(ある意味5つ目の原則と言えるかもしれません)、全体タイムが遅くても、上がり3Fが微妙でも能力を確認できたというわけですね。

 ちなみにその後の馬券については聞かないでください。

 2戦目アルテミスS、3戦目菜の花賞で厚く◎を打つも気性的な問題もあり凡走。4戦目で見限った途端激走されてしまいました…。実際には過去2走の敗戦が気性的な問題であることに気づいていなかったので、その点は反省点と言えます。


2019年8月18日 2回札幌2日目 5R 2歳新馬

 ラップは

13.1 - 13.1 - 13.5 - 13.4 - 13.0 - 12.9 - 12.5 - 11.3 - 11.3

 となっています。

 これは結構有名なレースでしょうか。勝ち馬はホウオウピースフルです。

 風はウェザーニュースのスクショがないので、tenki.jpの過去情報から抜粋しますが、風は12時時点で直線向かい風4.7m/sとかなり強い数字。

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 こちらのタイムは1800mにも関わらず何と1.54.1。ダートかと見紛うほどのタイムで、全体時計だけだと評価のしようがありません。

 しかしこれもラスト1Fで11.3をほぼ馬なりで快勝。先ほどと同じように基本原則②③④に逆らう形での勝利ですから、いかに能力が高いかが分かるかと思います。

 ちなみにこのレース、2着~5着までの着差が、1 1/2馬身差、1 1/4馬身差、1 1/4馬身差、1 3/4馬身差とかなり間隔が開いていますが、普通直線向かい風のレースはこんなに着差がつきません

 理由としては、基本原則④を思い出してください。スピードが速ければ早いほど、風の効力(抗力)も強くなるので、馬がスピードを上げようとしても、結局風の抗力がどんどん強まる状態にあります。

 つまり、馬が加速のためにストライドを伸ばし、ピッチを上げたとしても、それによる風の抗力も強くなるので、馬が思ってるほど(?)スピードが上がらないんですね。

 なので、皆一様な脚色になり、上がり3Fも皆同じような数字になるケースが多いです。

 逆に、今回のように、直線向かい風のレースで隊列が縮まったまま直線に入ったにもかからず、ゴールした時にはバラバラと離れて入線しているような場合は、絶対的な能力差による着差を疑ってかかってもいいかもしれません。

 このレースですが、ラスト1Fが速かった順がミヤマザクラ、ホウオウピースフル、アンティシペイト>ナスノフォルテ≧ヒルノエドワード。

 ホウオウピースフルは次走の百日草特別できっちり単勝をGET、ミヤマザクラとナスノフォルテは次走に○、◎と印を打ち、高い配当を手にすることが出来ました。

(いずれもPATの的中スクショを取り忘れていたため、後からいくらでも編集できるので信頼度としてはほぼゼロに近いですが、Targetの的中画面でご勘弁ください……)

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2019年11月3日 5回京都2日 5R 2歳新馬

 ラップは

13.4 - 12.2 - 12.9 - 13.8 - 13.8 - 13.0 - 12.1 - 11.1 - 11.0

 でした。

 こちらの勝ち馬はトゥルーヴィル。

 風はtenki.jpによると直線追い風2.0m/sでした。

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 先ほどの2鞍と似たようなラップですが、こちらの方が京都で下り坂を使っているとはいえ直線部分に相当するラスト2Fが11.1-11.0と圧倒的な速さを記録しています。

 しかし風の基本原則に当てはめてみると、弱いとはいえ直線追い風に変わったことで、基本原則②と④に従っていて自然である、ということが言えるのではないでしょうか。

 実際、トゥルーヴィルは次走きさらぎ賞で5着でした。休み明けや乗り替わりなどの影響もあったかと思いますが、上がり3Fではコルテジアやサトノゴールドなどとも同じ33.9で、新馬戦で見せたものと比べるといささか物足りないように感じます。

 また、シュルシャガナに至っては、この新馬戦でトゥルーヴィルよりも速いラスト1F推定10.6~10.7の豪脚を使っているにもかからず、その後未勝利勝ちすらできず登録抹消してしまいました。

 同じようなラップ構成だとしても、前者の2鞍と後者の1鞍のように、風が直線向かい風か直線追い風かだけで、評価は大きく変わります

 ちなみにこのことに対して理解がまだ浅かった筆者はトゥルーヴィルのきさらぎ賞とシュルシャガナの3戦目くらいまではしこたまお金を突っ込んでしこたまお金を失ってしまいました……。(シュルシャガナに関しては能力以外にも問題のありそうな感じにも見受けられましたが)


 以上、芝の中距離新馬戦の3鞍をケーススタディーとして、風予想に関する4つ(+α)の基本原則と、実践のケーススタディーをお送りしました。

 今回は芝中距離の話を中心にしましたので、次回はダート短距離の話でもしようかと思います。

 その前にフォロワーが250人に達するかどうかの問題ですが笑


----------------------以下、オマケ----------------------

 オマケコーナーでは、今年の2歳新馬・2歳未勝利から、上記のようなケーススタディーを記したものを3つほどお送りできればと思います。

 自信度順に★☆☆、★★☆、★★★で記していますので、予想の参考にしてみてください。

 ちなみに先に言っておきますと、今年ははっきり直線向かい風のレースというのが少なく、普段直線向かい風が多い札幌競馬場も今年は比較的直線追い風~4コーナー追い風のレースが多く、下で取り上げたレースも札幌のものはありません。

 函館競馬場はほぼすべての開催で直線向かい風だったんですが、唯一ラスト2F11.7-11.6と評価できるラップを刻んだソダシは次走の札幌2歳Sを快勝しており、妙味としては前走で出し尽くしてしまった感があります。


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