見出し画像

よく分かる風の魔法 Vol.1『風情報の入手方法』

 ※このマガジンは書く気分を少しでも高めるために、半分くらいおちゃらけが入っていることをご了承ください。

 Twitterでも300程度のフォロワーしかいないのに、まさかnoteで50フォロワーも超えるとは思っていませんでした。

 冷静に考えたらR Channelさんの予想家プロデュース企画に通った時点で紹介記事の「50フォロワーを超えたら」を変えればいいだけの話だったんですが(笑)、約束は約束です。

 ただし、いきなり風の理論を語っても知らない人からすれば「何のこっちゃ」となりかねないので、第1回目の今回はタイトルにも記載の通り、『風情報の入手方法』について記載したいと思います。

 以下、目次です。

1.気象庁のHPを使ってる人は風予想初心者

 さて、いきなり過激な小見出しですね。

 どういうことか気になりますが、どうやらマサラタウンにいるサトシが風予想家になりたいようです。せっかくなので、彼の動きを追ってみましょう。

 おおよそレース回顧をする際、過去の風の状況を調べるにあたって、まず最初に検索するのが気象庁のホームページ。

 「今日から俺も、風使いになる!」

ポケモンマスター

 意気込みもそぞろに、とりあえず検索開始。

「風向き 過去」と調べてみると、一番上に出てくるのはやはりというべきか、気象庁のホームページです。

検索 気象庁

 当然ここをクリック。

 出てきたのは地点・年月日を選択する画面と、その横にデータの表示方法を選択する欄。

 サトシくんは日曜の京都の風を知りたいようなので、早速

地点: 京都府京都
年月日:2020年5月10日

 として、データを取得。下の画像の真ん中にある『データの種類』から、「2020年5月10日の1時間ごとの値を表示」を選択すれば、1時間ごとの風向・風速が分かります。これでサトシも一安心。

気象庁③

気象庁④

 サトシはこの情報を使ってレース回顧し、風使いへの一歩を歩み始めました。

 と、ここまでサトシの行動、もとい気象庁のホームページを使った過去の風情報の検索でしたが、これだけ見ると、特に違和感がないように感じられます。

 しかし、このサトシの行動、実は大きな問題点が2つほど存在しているのです……!


(以下、6/3(水)追記)

①その観測地点、本当に大丈夫?

 サトシが見せてくれた風情報ですが、これは京都市のアメダス観測所から計測されたもの。観測所である京都地方気象台は京都市の碁盤の目の左上あたりに位置しています。

 京都を知っている方ならご存知かと思いますが、京都市でも比較的南の方に位置する京都競馬場の距離は直線距離にしても12km強。これだけ離れているところで、同じ風速・風向の風が吹いているなんて、京都の地形を考えてみてもとてもそうは思えませんが、サトシの反応はいかがでしょうか。

画像6

 いい反応ですね。

 ちなみに府中に観測所がある東京競馬場でも、観測所から東京競馬場への直線距離は2km程度あります。

 阪神競馬場も一番近い観測所は豊中観測所で7.5km弱。

 やはり、遠い観測地点の風情報は信憑性に欠けます。

 ちなみに、気象庁のデータを使った各競馬場の風の信憑性は、100%を「信頼できるソース」と定義したうえで、経験則ベースで以下のようになります。

札幌:70%
函館:70%
福島:50%
新潟:70%
東京:60%
中山:30%
中京:30%
京都:30%
阪神:20%
小倉:40%

 あくまで経験則ベースではありますが、海に近い札幌・函館・新潟あたりは比較的気象庁の情報でも使えるイメージがあります。そもそも海風が強いため風が割と天気に左右されない、ということが大きいと思っています。

 中山・小倉も海に近いですが、小倉は近くに観測所がなく、八幡までいかないと観測所が見つかりません(直線距離11km程度)。最悪距離はいいとしても、小倉競馬場と八幡観測所の間に山を挟んでいるので、これは風向が違っても文句言えないような環境です。

 中山は割と近い(と言っても直線距離7km程度)んですが、風向というより風速が全くない感じです。正直ここに関しては結構謎なんですが、強いて言うなら、中山競馬場の方が港の地形的に風が通りやすい構造になっている、ということくらいでしょうか。気象学者でも地理学者でもないので、その点は勘弁してください。

 ちなみに、同じ気象庁のデータでも、気象庁ホームページよりtenki.jpの方が使いやすいです。

画像7

 これは南関東の過去の風向・風速データを表したものなんですが、風向を矢印、風速を色で表現している(画像の右下に説明あり)ので、ビジュアル的に分かりやすいです。

 仮に風の判断が付きにくい時でも、他の観測所の風向も分かるので、上の画像だと「中山近辺は何となく南かな」というのが分かります。


②「リアルタイムの風状況はどうやって知るの?」

 まあ、とはいえサトシも風情報について自分なりに一生懸命調べたわけです。必死に捕まえたコラッタが実はそんなに強くないポケモンだったとしても、私はそのプロセスを評価したい。

 というわけで、過去の風情報については一万歩譲ってもう終わりにするとして、風予想をするにあたってなくてはならない当日の風情報については、どうやって入手するのでしょう?

 すかさずサトシは答えます。

「もちろん、気象庁のホームページにある風のデータを見るんだ!」

気象庁⑤

気象庁⑥

 いや、見づらw

 1つ目の画像は当日の風の状況と調べたら出てくるページですが、風速は記載されているものの、肝心の風向がありません。

 仕方ないので画像1枚目の左上にあるデータ(一覧表)をクリックすると、2枚目の画像に遷移。「俺は一覧が欲しいんじゃなくて、競馬場の風が知りたいんだよ!!!」と思わず唸りそうなデータの羅列。

 毎週見るものなので、さすがにインターフェースや使い勝手は見づらい・使いにくいとストレスが溜まります。競馬やる前からストレス溜めてたら勝てるものも勝てません。

 というわけで、リアルタイムの風情報を見る際にオススメのアプリを紹介します。


2.リアルタイム(+α)で使える風予報アプリ

◆tenki.jp

 先ほども出てきた天気予報のアプリバージョン。まず「ピンポイント天気予報で競馬場が存在すること」、これは非常に大きい。

 つまり、○○競馬場で検索すれば、そこの天気予報=風情報が分かるということ。これでリアルタイムはより正確な風情報を入手することができます。

画像9

 画像は東京競馬場のもの。

 tenki.jpは無料でも10個まで場所を登録できるのも強み。つまり、中央全場を登録することができます。また、全場開催しているわけではないので、中央は3場にして、地方競馬場を登録することも可能。


◆ウェザーニュース

 僕が使っているのはこちらのアプリ。競馬場は無料だと3つまでしか登録できませんが、中央は3場開催が最高なので、使い勝手はそんなに大差ないと思います。

 個人的にインターフェースが好み。風速の矢印もこちらの方が見やすいと思います。

画像10

 こちらの利点としては、過去の天気を遡れる時間。tenki.jpが18時間なのに対して、ウェザーニュースは3日前まで遡れます。回顧しようとしたときに、

「あ、先週の風情報メモるの忘れてた~」

 となっても、遠くまで遡れるのは結構ありがたかったりします。

 上の二つは、競馬じゃなくても普通に使えるという点でもおすすめですね。また、開催終了後、過去を遡ってスクショしておけば、次週以降の回顧の際、非常に役立ちます


◆Windy.com

 リアルタイムオンリーで見るなら神アプリ。

 風の情報がダイナミックに分かります。また、アプリ内でGFS(アメリカ海洋大気庁)・ECMWF(ヨーロッパ中期予報センター)・METEOBLUE(NCEP(アメリカ環境予測センター)とNOAA(アメリカ国立気象環境予測センター)が協力して出来た気象予報機関)と3つの気象データを比較することも可能。

「そんな比較してどうすんねん」と侮るなかれ、アプリには3つ同時比較のページもあり、目を凝らして見てみると結構風速や風向が違ったりします。

 スイス発のこのアプリ、非常に面白いのですが、まず過去の風が見られないのが欠点。遡りはほぼ出来ないと思ってもらっていいです。

 また、スイス発のアプリのため、風の単位の初期設定がkt(ノット)。まあ、変えればいいんですが、1kt≒0.5m/sなので、何も知らないと風速がめちゃくちゃ強いように見えます。

 とはいえ、競馬場の風を見る程度なら若干詳しすぎるきらいも。どちらかというともう少し現場で風向きが重要になってくるスポーツをしている人向けでしょうね。登山とか、気球とか。


 以上、3つのアプリの紹介でした。

 まとめると、次のような感じですかね。

画像11

 完全に忘れていましたが、サトシの反応はどうでしょうか。

画像12

「俺はポケモンマスターにはなれても、こんな風オタクにはなれない…。」


 やかましいわ。

 でも、そんなサトシにも風情報をマスターできる方法はまだ残されている! その答えは現場にこそある!

 次回は「映像から読み解く風情報~旗のおじさんに向かって叫べ~」です。要するにデータで分からないなら映像で判断しろ、ということですね。

 どこまで出来るか分かりませんが、各競馬場・各距離における映像でのチェック方法についても触れられればなと思います。今回は初心者向けの内容だったのですが、お役に立てていれば何よりです。

 

サポートいつもありがとうございます。フォロワーが一定数に達するか、サポート額が一定額に達するかした場合、順次理論を公開してきますので、引き続きサポートの程よろしくお願いします。