無題

満ちる
茶の香り
一つとして同じことは起こらない

バターを塗ったパン
白い小さな花びらが落ちる瞬間
ダブルイメージの朝

雨が降っている
同時に
風が雲を散らし眩い太陽が
煙が地から立ち上る

私は約束に遅れたことがない
白い貝殻を隠すのは
閉じられたことのない書物


砂漠に腕があるとしたら
こんな腕だろう

緑の長椅子に横たわる
熱帯の朝
目の曲線に沿って
消えていく鳥は
淡い水色

胡粉が溶かれる
日没までの時間

灰と赤土が混ざり合う

理由なんてない方がいい

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