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#長崎#国民#西岡秀子さん対談ルポ#

面会日:2021年1月18日18:00~19:45
担当:中村涼香・杉岡恭介・中島大樹・山口紗希・村上文音・永田真緒
ルポ作成者:杉岡恭介・中村涼香

新型コロナウィルスの感染拡大に伴い、オンラインでの対談となりました。質疑応答の形で活発な議論がなされ、1時間半に渡って丁寧に対応してくださいました。

西岡秀子さんの議員ウォッチのページをチェック!

西岡秀子さんの回答

①核兵器の廃絶を目指すべきだとお考えですか

はい
核兵器の廃絶は人類の究極の目標であり、特に被爆地長崎に生まれ育った者として、しっかり取り組んで行かなければならない

②-1 核兵器禁止条約がまもなく発効しますが、あなたは核兵器禁止条約に賛同しますか

はい
被爆者の皆様の二度と自分たちのような経験を誰にもさせてはいけないという強い思いと国際社会への訴えが今回の発効に繋がったと思う。

②-2 核兵器禁止条約に日本は署名・批准するべきだと思いますか

はい

③どのような条件のもとならば、日本は核兵器禁止条約を署名・批准することができますか。また、署名・批准に至らない障壁となっていることはなんですか

いわゆる「核の傘」のもとにいる日本として、安全保障上の現実的な判断として、政府としての取り組みと(核廃絶という)目的は同じでもプロセスが違うという形で、政府は批准、署名について今はできないという判断をしているのだと思う。

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段階的なステップ

◯政府は繰り返し、段階的に核廃絶を目指すと言っているが、段階的にとは具体的にどのようなものでしょうか

政府としてはNPTの検討会議において核兵器保有国も入った中で、核兵器保有国と非保有国の橋渡し役をしながら核兵器廃絶に取り組むということを説明している。

◯なぜ核兵器禁止条約のもとで核兵器廃絶に取り組まないのでしょうか

政府は核兵器禁止条約によって核保有国と非保有国の間に「分断」が起こることを懸念している。

分断

◯核禁条約が核保有国と非核保有国の分断を深めているという意見に対してはどのようにお考えですか

分断が深まることを懸念する声もあるが、すでに各国の状況は核軍縮に逆行しているような流れがあり、核兵器禁止条約が発効されたから分断されることはないと思う。
その中で、国際法上、究極の「核兵器を禁止する」という新たな規範ができることで、なかなか進まない状況を動かす力になるのではないだろうか

日米同盟

◯核兵器禁止条約に参加しない理由の一つに、アメリカとの同盟関係がありますが、日本の安全保障政策と合わせてどのようにお考えですか

確かに北朝鮮が核を持っている大きな脅威や、核が強化されているという現実があるなかで、日本の安全保障上、日米同盟は大変重要なものだと思う。核の抑止力の下にある日本が、安全保障政策上難しいという政権与党の主張も、そういう考え方もあるとして理解はしている。
賛同するかしないかという立場に関わらず、話をする機会を持つことが有効。国会でも議論が足りていない現状がある。こうして皆さん(議員ウォッチメンバー)と今日話せたことが一つの前進だと思う。

オブザーバー参加について

◯今年予定されている締約国会議への日本の参加について

核禁条約の中には被害者の救済や環境の回復なども入っており、唯一の戦争被爆国である日本がオブザーバーとして参加する意味がある。オブザーバーとして参加する中で、最終的には署名・批准という方向に向かうように取り組んでいくというのが一番現実的。まずは日本政府としてどういう立ち位置でどう対応していくのかを国会でしっかり議論するべき。この条約に日本が背を向け続けることは、国際社会上できないと思う。

◯今後、日本政府が核兵器禁止条約に入らざるを得ない状況になるとお考えですか

現在、核兵器が絶対的なものではなくなっている。今後、アメリカの核に対する対応も変わり、これまでの安全保障と違う局面も生まれる可能性もある。

感想

【中村涼香】
残念ながらコロナウィルスの感染拡大に伴い、直接お会いしてお話しを伺うことはできませんでしたが、オンライン上で核兵器禁止条約について建設的な議論ができたように思います。今回の核兵器禁止条約が国際社会の中から生まれた意味というものを改めて考える時間となりました。その上で、唯一の戦争被爆国である日本がこの核兵器禁止条約に参加していない現状に違和感を覚えつつ、国会でさらに議論を活発にし、後押ししていく必要性を痛感しました。長時間に渡って私たちの質問に真摯に対応いただいた西岡さんに改めて感謝申し上げます。

【杉岡恭介】
機材トラブルに見舞われながらも1時間半を超える対談の中で西岡さんが繰り返し対話の重要性を訴える姿に、国会議員と市民の距離を縮めたいという思いが感じられました。核兵器廃絶に向けた国際社会の中での戦争被爆国としての日本の役割と責任について言及されていることが印象的で、核兵器禁止条約への署名・批准への積極的な思いをご自身の言葉で語っていただけたように思います。オブザーバー参加の実現と広島、長崎の被爆者の実相を他の議員に広く伝えることをご自身の役目だとおっしゃった西岡さんと共に自分たちも頑張りたいと思いました。

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