見出し画像

#長崎#九州#公明党#秋野公造さん面会ルポ「日本は既に核兵器禁止条約が目指す姿を体現している」

面会日:2020年12月27日 17時45分~18時10分
担当:中村涼香・永田真緒
ルポ作成者:中村涼香 議事録:永田真緒

長崎市内の事務所で、公明党の秋野公造さんと面会しました。1時間30分にも及ぶ長時間、私たちとの対話に丁寧に応えてくださいました。

秋野公造さんの議員ウォッチのページをチェック!

秋野公造さんの回答

①核兵器の廃絶を目指すべきだとお考えですか

はい

②-1 核兵器禁止条約がまもなく発効しますが、あなたは核兵器禁止条約に賛同しますか

感情的には、核兵器禁止条約に賛同すべき
しかし、同条約には核保有国・非核保有国がそれぞれどのようにすべきなのか明記されていない。核軍縮をより後退させてしまっているのではないか、というのが第一印象

②-2 核兵器禁止条約に日本は署名・批准するべきだと思いますか

日本は参加すべき
だが、対話の場を失ってはいけない。
批准はいつでもできるが、(条約に批准すれば)橋渡しの役割を全うできなくなるため、今が入るタイミングではない。

③どのような条件のもとならば、日本は核兵器禁止条約を署名・批准することができますか。また、署名・批准に至らない障壁となっていることはなんですか

核保有国と非保有国の間の分断が解消されたら
そのためにも日本はオブザーバーとして締約国会議に参加して、橋渡し役を積極的に担っていくべき

画像2


核抑止について

◯日本の安全保障上、アメリカの「核の傘」に頼るべきという意見があるが、どのようにお考えですか。

核抑止については全く与しない。誤って使用される危険性があるため、核兵器は絶対に廃絶すべき。
もし、(橋渡し役など関係なく)日本の立場だけを考えればいいのであればすぐにでも条約に批准する。条約に参加できない理由として「核の傘」は無い。

核兵器禁止条約について

◯間もなく、条約が発効されるということについてはどのように受け止めていますか。

今回の条約はこれまでの日本の姿を体現しているものだと思う。「核廃絶」という世界的な規範を作ったという点では高く評価したい

◯条約が核兵器の廃絶につながると思いますか

条約の中身を見ると、締約国があらゆる核兵器の使用・保持を禁止するということしか、担保できていない。核保有国が核兵器を持たない意思決定に導く仕組みが無い。核不拡散条約(NPT)にはそうした道筋が明記されているが、核兵器禁止条約にはない。
核保有国が参加しない核兵器禁止条約は、非核保有国との間の分断をさらに深め、核軍縮の流れを止めている。互いの関わり合いを断つような条約であると考える。

核兵器禁止条約に対する日本の姿勢について

◯現状、日本はまだ条約の署名・批准に至っていませんが、「唯一の戦争被爆国」としての日本の姿勢についてどのようにお考えですか。

条約への参加の有無に関わらず、日本は既に核兵器禁止条約が目指す姿を体現している。核兵器廃絶の動きを先導してきた立場にあるため、その役割は果たすべきだと思うが、今、政府はこの条約が核軍縮を後退させる可能性があると懸念しているのだと思う。
ただ、日本が一貫して核兵器の廃絶のために動いてきたことは変わりない

◯核兵器禁止条約に参加しない場合、他の核兵器廃絶を進める手段や方法は何がありますか。また、政府が繰り返し主張する「段階的」なステップとは何ですか。

絶えず、対話の場を設けるべき。外務省の賢人会議を以て、立場の違う3者で報告書をまとめる、冷静かつ落ち着いた議論が必要である。
具体的な方法を提示するのは難しいが、広島・長崎が置かれた状況を説明して伝えていくことでしか動かないと思う。

締約国会議へのオブザーバー参加について

◯締約国会議に日本がオブザーバーとして参加するかどうかが議論されていますが、どのようにお考えですか。

日本はオブザーバーとして参加すべき
広島・長崎での締約国会議の開催を政府が進めるのであれば、それは日本が真の橋渡し役としての姿を試される時だと思う


画像1

感想

【中村涼香】
面会の冒頭で、秋野さんの親戚の方が被爆者であること、それからこれまで核兵器の廃絶、平和のために取り組んでこられた様々な活動を伺う中で、秋野さんご自身の被爆地への強い想いを感じました。しかしながら、核兵器禁止条約の話になると険しい表情で、「核保有国が参加しておらず、核軍縮の動きを後退させてしまっている」と話す姿がとても印象的でした。今回の面会を通して、核保有国が参加していない、という核兵器禁止条約の課題を改めて認識すると同時に、日本の「橋渡し役」としての理想的な姿とは一体何なのか、市民側からさらに強く、具体的に政府に提示していく必要があると感じました。

【永田真緒】
国会議員の方との面会は初めてでしたが、秋野さんが持つ核廃絶や核兵器禁止条約への考えを深く知ることが出来ました。特に締約国会議を長崎・広島で開くべき、また日本はオブザーバー参加すべきとの意見を聞くことができ、有意義な討論を交わすことができたと思います。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?