ペイパルは、外国企業として初めて、中国の決済スタートアップを買収
米決済サービス大手ペイパルは、外国企業として初めて、中国の決済サービス企業を完全子会社化したという。
中国政府が運営するデータベース国家企業信用信息公示系統の株主情報によると、ペイパルは昨年12月31日に中国の決済サービス企業、国付宝(GoPay)の未保有株式30%を取得し、完全子会社とした。買収額は未公表。
同社は数年前より中国を戦略市場と位置付け、中国進出を開始していた。そしてその一環として1年前にGoPayの株式70%を取得していたが、今回の株式がいましで外国企業として初めて、中国でオンライン決済サービスを提供する免許を獲得したこととなる。
GoPayはデジタルおよびモバイル取引のライセンスを取得しており、PayPalと同様の運営を行っている。中国の決済市場は現在、アリババの分社であるAnt Groupが所有するAlipayや、Tencent Holdingsが所有するWeChat Payなどの決済大手が支配している。
GoPayの株式の追加取得は、中国の規制当局によるAnt Groupへの取り締まりのさなかで実施されており、PayPal側ではライバルの失点のチャンスに市場に食い込む経営判断があった可能性がある。
ペイパルは昨年8月、中国での長期的な戦略を立案するため、平安保険金融グループのフィンテック部門ワンコネクトの元幹部を中国事業のトップに起用した。
ペイパルは2019年の年次報告書で、中国では当初、事業者・消費者向けの国境を超えた決済サービスを重視する方針を示していたが、この分野でも、XTransfer(奪匯網絡技術)など中国のライバル企業が現れており競争は激化している。
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