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Uberはコロナを隠れ蓑に黒字化のための解雇を実施してるのでは?

Uber二度の大規模解雇の理由を従業員が激白

Uberにより解雇された従業員の多くは、今回の二度にわたる大規模リストラクチャリングはコロナウイルスを隠れ蓑にしているだけで、本当の目的は早期黒字化目標を達成するためなのではないかとファイナンシャルタイムズ紙に証言している

Uberでの人員削減は、多くの従業員の予想を上回るスピードで行われたという。同社の最高経営責任者のダラ・ホスローシャヒ氏は今週、スタッフに宛てたメールで、コロナウイルスがUberのビジネスに与えた深刻な影響と、正常な状態に戻るまでの道のりの遅さを説明した。

しかし、多くの従業員、特に退職するように言われている従業員の間で感じているのは、Uberはコロナパンデミックを利用して、黒字化の目標を達成し、会社を再構築する機会として利用しているのではないかと考えているようだ。

「今回の決定はコロナウイルスとは関係ないと思う」と、今週チームを解雇されたあるシニアマネージャーはファイナンシャルタイムズ紙に語った。「私たちは信じられないほど順調に業績を上げてきた。」「解雇は株価をあげるためだ」

Uberのタレント・ディレクトリーは、最近大幅な人員削減を行ったAirbnbにならったものだ。Uberの労働者の名簿であると同時に、同社のかつての事業拡大の野望の痕跡を示すものでもある。現在のコアビジネスであるライドシェアリングとは別の聞きなれないプロジェクトに関わっていた従業員たちだ。

投資家との黒字化への約束

2月初旬にはすでに人員整理の計画が動き出していたが、Khosrowshahi氏が投資家に、年末までに金利、税金、減価償却費、償却費控除前の調整後利益で四半期ベースの黒字を達成すると約束していた。

しかし今、Khosrowshahi氏の言葉を借りれば、「クソウイルス」のせいで、目標は2021年に押し戻され、世界中にある45のオフィスの閉鎖や統合を余儀なくされたという。

いくつかの市場でUber Eatsの食事宅配事業を閉鎖しただけでなく、Uberは損失を出している電動自転車をシェア事業であるジャンプをバランスシートから外し、ライバル企業Limeへの大幅なダウンラウンドのリード投資した後、同事業をLimeに統合させた。この合併のディールの結果、約400人のUberの従業員が解雇されたという。

Uberは現状売却や事業の縮小などを検討中だというUber Worksもリストラの憂き目にあっている。ちょうど去年の10月に立ち上げられたUber Worksは、失業者が増えるこのコロナウイルス危機において(ギグワーカーが増えるため)一見追い風のようにも思える。

実際、3月から4月にかけて、詳しい情報筋によると、サービスの利用率は2倍になったという。しかしそうした小さな成功よりもUberは黒字化を急ぎたいということなのだろう。

機関投資家はこの決定的な行動を支持し、今週のUberの株価は3月上旬以来の最高値を記録している。市場はコスト削減だけでなく、Uberがライバルのフードデリバリー・プラットフォームであるGrubhubの買収交渉に関してもポジティブに反応しており、規制当局が取引を認めればUberは米国市場でのシェアを大幅に拡大することになる。

年初に同社の収益の足を引っ張ると見られていたUberのフードデリバリー事業は、コロナウイルス危機の影響を受け、現在では主な成長源になっている。

また、マイアミやダラスでインスタカートやアマゾンと競合して米国に進出し始めた中南米の食料品宅配会社「コーナーショップ」の買収も実施。

黒字化は進むが、IPO時の大風呂敷は何処へ?

大幅な解雇により事業の選択と集中をすすめることで、Uberの投資家が、ちょうど1年以上前のUberのIPOの時に想定していたものよりも小さく収まってしまう可能性はある。しかし同社は、自動運転車や人工知能などの野心的な「ムーンショット」をまだ持っていると主張している。しかしそれらの分野は削減から免れたわけではありません。実際Uberの人工知能の研究所は今回のリストラで閉鎖される。


Uber uses Covid-19 as cue to take stock of strategy


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