給与の透明性の均衡効果

賃金の透明性をめぐる世論は、労働者が再交渉を通じて新たに開示された賃金の不公平を是正しようとするかという直接的な効果に焦点を当ててきた。しかし、企業の賃金設定や雇用慣行が平衡状態でどのように反応するかという問題はあまり注目されていない。これらの結果を検討するために、我々は不完備情報下の交渉モデルを構築し、その予測を米国の民間企業の文脈で検証した。我々のモデルでは、透明性が労働者の個別交渉力を低下させ、平均賃金の低下をもたらすと予測している。重要な洞察は、透明性の下では、他の労働者とのコストのかかる再交渉を避けるために、雇用者はある労働者に高い賃金を支払うことを拒否するということである。労働者が個人的な交渉力を持たない状況、例えば団体交渉協定や公示賃金のある市場では、透明性の向上は平均賃金への影響が小さい。これらの予測を検証するために,労働者が同僚の給与を尋ねる権利を保護するための米国の州法の展開を評価した。我々の予測通り、この法律によって賃金は全体的に約2%低下したが、組合率の高い職種では低下幅が徐々に小さくなっていることがわかった。我々のモデルは、様々な透明性政策を分析するための統一的なフレームワークを提供し、様々な国や文脈で記録された透明性義務化の効果を調整することができる。


 nber.org/papers/w28903

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?