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音楽と、「好き」って言うこと。

こないだ引越しの片付けをしていて、久しぶりにCDがたくさん入った音楽トランクを引っ張りだした。
10代の頃に聞いていたCDがたくさん出てきた。(oasisとかケースだけで、中身がなかったりしたけど。)

ちょっと前に、年上の友達が「若い頃は腐るほど音楽を聞いていたのに、この10年は全く音楽を聞いてなかった。最近また復活した。」と話していて、「あ、おんなし」と思った。
私も、高校までは死ぬ程音楽聞いてたのに、大学時代はまったく聞かなかったなあ。。と。
でも、最近また音楽熱が戻ってきて、バカみたいに一日中音楽を聞いてる。

私と音楽の関係は、別れたり復活したりを繰り返す恋人みたい。

別れてる時はほんとに完全にその存在を忘れて、別のものに夢中になってる。
でも、しばらくして復活すると、気づいたら耳にはイヤホンが常に入っていて、
家に帰ると部屋の電気より先にPCの電源を入れて、即効itunesの再生ボタンを押してたりする。
そのくせ、周りの人に、「何が好き?」って聞かれるとちょっと考えて、
「うーん何がいいのかは良くわからない・・・けど、なんとなく好き」って答えるようなその程度のかんじ。
自分ではそんなにアツアツって感覚はないんだよな。

音楽を愛してる人って、信じられないほどたくさんのCDをもっていて(もしくはmp3?っての)
好きなアーティストだれ?って聞かれると
「●●と●●と●●みたいな●系のが好きだね。とくに●●の●番目のアルバムの●●って曲は最高!」
みたいにツラツラと語れる人が多いイメージ。
映画や読書って「好き」って言うと「あー観るの(読む)のが好きなんだなあ」って単純に思うけど、
音楽が好きっていうと「聞くのが好き、フェスやライブで盛り上がるのが好き、なんなら自分で演奏するのが好き」
まで、好きが触れる幅がすんごく広い気がするし、なんだかそのくらい好きでないと「好き」って言いづらい雰囲気すらあった。


大学時代の私が音楽と距離をおいた理由はそこにある気がする。

語れもしない「好き」を公言することを異常に恐れていた。


「好きって言うくらいだから、当然あれ知ってるよね?」みたいになるのが怖かった。
この、知識量をはかってくるかんじ・・・とくに音楽が好きっていう人に多い気がする。
読書や映画に比べて、音楽を「聞くこと」って時間の制約がないから、それだけ多くに触れられるから、
好きか嫌いかは置いておいて当然あれ「知ってるよね?」ってなる。
映画だと、まあ1本見るのに2時間かかると考えると見たことないものがたくさんあっても普通だから、
自分の好きなものを相手も知ってるとは限らないという前提で話が進むのに。
音楽はなぜか、「ロック」っていうだけで、あれもこれもとりあえず聞いたことあるでしょ?と思われるんだ。
面白いよな〜。

で、知らないと、あーその程度か、みたいな顔をされたり 笑


というのを考えていたのは昔の話で、今は好きなら好きと正直に言えるようになったし、
知らないときは知らないということも恥ずかしい、怖いとは思わなくなった。

「●●が好き」

「え?じゃ●●知ってる?」

「ごめん知らない、教えて」

と、それで十分やなと思えるようになった。

歳を重ねるにつれて少しずつ嗜好も変わってきて、
昔よりも幅広く音楽を楽しめるようになったし、知らなければ聞けばいいし、聞いてみて嫌いだったら、それ異常深く掘る必要もない。


怖がらずに自分の好きなものに正直でいて、

知らないことは謙虚に受け止め、知ろうとしてみる(姿勢だけでもみせる)

それってすごく大事だなって思っている。

だから、私はアツアツ!というほどではないけど、
好きな音楽を今日も堂々と聞く。

2014年11月08日

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