行方不明の前夫

前に進むことにします。

前夫が行方不明になり、早一年。
いや、待てよ、あれ？もうすぐ、ニ年か。

あ、ニ年かあ、、。ニ年なんだな。
ニ年も立ち止まっていたのか。

八年前に離婚した時から、
頑張って頑張って、前に進んできたのに、
この二年は時が止まっていた気がします。

疫病神と貧乏神がセットで憑いていたような前夫。
私に内緒で多額の借金を作っていたことが発覚して離婚。
彼には心底失望したし、娘を借金地獄の家庭で育てたくなかった。
辛かったけど、別れて正解、、
いや、わかんなかった。
正解にしたくて、必死にここまで一人で頑張ってきた。

だけど、あんなに嫌いだったはずのなのに、
闇金から借りたお金を返せなくなった彼が突如いなくなったことで、
私はこの二年、彼のことが心配で心配で仕方がないのです。
もう二度と会えなくてもいいんだけど、
どうかどこかで元気にしてて欲しい。
ちゃんとご飯を食べていて欲しい。
あったかいとこで寝ていて欲しい。

あれ？おかしいな？
なんであんなクズを
なんでこんなにずっと
「どうでもいい」になれないの？
もう顔も名前も思い出せない元彼だっているのに、
なんで前夫だけはこだわっちゃうの？
なんで私は元気な時も、
心のなかに冷たくて真っ黒な沼があるの。

昨日ばっちり答えが出ました。
出すきっかけを、頂いたのです。

「まだ惚れてるんだね」

と、ある方に、ズバリと言い切られたのです。

その答えは私が離婚してから九年間、
頑張ってやってきたことを無に帰すものなので、
到底、認めたくないものでした。

だけど、本当にそうなのだとしたら、、。

こだわり続けてしまったのは、きっと憎しみからじゃない。

これは愛だ。
これが、きっと愛なんだ。

そうだと嫌だから、そうじゃないように、
100も200も大嫌いを集めて、
それをギュウっと握りしめて、
せっかくここまで走ってきたのに。

大嫌いを手放す時が来ました。

私はあなたを、どうしても嫌いになれません。

だけど、もう、さようなら。

私はもう、このままで前に進みます。
もう嫌いになるために頑張ったりしません。
振り返って大嫌いを集めたりしません。

本当は好きなものを嫌い嫌いと言いすぎて、
もう疲れました。

あなたがいないことにこだわることをやめます。
「あなたがいなくなった人生」を生きるのをやめます。

「あなたがいてもいなくても関係なく描ける私の人生」を生きます。

だから、もう、このまま探しません。
それが正解です。

今まで、ありがとう。
誰が何と言おうと、
私はあなたといて、楽しかった。
憎い憎いと思いながら会った日でさえ、
結局は笑っていたよ。

さようなら。