2022-09-15 Thursday 彼氏彼女の事情を読破

2022-09-15 Thursday


彼氏彼女の事情を読んでいた。今後の展開を大きく変えるであろう思わせぶりなフレーズが以前登場していたため、宮沢雪乃と有馬総一郎の行く末を見ぬ事には気が済まなかったためだ。一度は中弛みしていたのに、驚いた。急にめちゃくちゃ面白くなっていた。物語の最初の頃の爽やかさはどこにもなくなっていて、そこからは苦しみの道をひたすら歩むような内容だった。だけどそこに救いを感じたんだよな。だってこの物語はボーイミーツガールなお話だから。有馬の痛ましい過去の蓋がどんどんとこじ開けられていき、爽やか完璧ボーイとして生きていたはずの彼は心に秘めた禍々しいものを抑えきれなくなって自暴自棄な一人の少年になっていく。有馬の変貌っぷりはこの漫画の作風に大きく映し出されていて有馬そのものを体現した漫画だと思った。有馬の親友・浅葉が言った表現がとても心に残っている。「人間にはさ、陽光(サンシャイン)型と月光(ムーンライト)型があるんだって。陽光型は自分で光を発せて他人まで照らすことができる。月光型は陽光がいてはじめて自分も光ることができるタイプ。俺も有馬も月っぽいな。おれは気持ち分かってやることはできるけどあいつを変える力はない。でも宮沢は『このままじゃダメだ』って言って有馬をムリヤリ引っ張ってく力を持ってると思うよ」と…。私はこの言葉に妙に救われたんだよな。闇を持つ人間はブラックホールのように光を吸い込んで決して輝けないのだと思っていたから。月光という美しい表現も嬉しかった。素敵な人を見てはいつも、太陽みたいな人だ、と思ってはいたけど、月みたいな人もいたんだね…。有馬にとっての太陽は宮沢だったけど、私にとっての太陽がいつか昇ってきてくれる日は来るのだろうか。有馬は宮沢に惹かれれば惹かれる程に自分の闇を隠そうとした。宮沢を信じきれなかったからだろう。彼は完璧超人なので隠す事は雑作ない事だったが、悪の化身のような産みの母という存在が現れた事で過去の蓋がこじ開けられ、忘れていた事をいくつもいくつも思い出してしまい、増幅する闇を隠しきる事ができなくなった。初めて宮沢と向き合わざるを得なくなった有馬はそれでも全てを隠そうとした。自分がそこまで愛される価値がないと思ったからなのかな。ちょっと分からないところがあるけど、有馬は文字通り狂っていき、自傷的になり、宮沢に嫌われるような事や愛を求めるような混乱した状態になった。あんな有馬を見るのは初めてだったけど、私たちは漫画という名の神の視点から有馬をずっと見ていたからこうなる事はある程度予測できていたけど、宮沢は本当に寝耳に水で大いに困惑したことだろう。それでも宮沢は有馬を愛することをやめなかった。全身全霊を持って有馬を愛し、有馬を真に知ろうとし、その知性を持って有馬の全てを解放させてみせた。宮沢は本当に太陽の人だったのだ。陽光型の人といっても全員が全員、宮沢のように全てを愛せる人ではないと思う。その人の性格云々とは別に、有馬と宮沢ほどの関係性を築いていないとか宮沢程の知性がないとかいろんな要素が相対する人間たちの関係を左右するはずだ。有馬のような人の深い深い闇を知り怖くなって逃げ出してしまう人だっているだろう。だから有馬は宮沢に言えなかった。本当のところでは宮沢を信頼していなかったのかもしれないし、宮沢を求めるがあまり絶対に言いたくなかったのだろう。それ以前にあまりにも酷な記憶だから本人が本人のために思い出したくなかったからというのも大いにあるけど。悲しいのは有馬は自分の闇や過去の一部を親友・浅葉には話していたという事だ。彼らの間には絆があったのだ(だけど浅葉には有馬を救うことはできないのだけど)。二人の愛し合う恋人の間にはなかったものが。


とか翌日の朝から書いてる途中だったのに夕方に右手を軽めに突き指した。またかよ。馬鹿みたい。

HAPPY LUCKY LOVE SMILE PEACE DREAM !! (アンミカさんが寝る前に唱えている言葉)💞