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HostFamily日記(1) 留学生が我が家にやってくる

2020年12月12日にブラジルから我が家に留学生がやってきて、約8ヶ月一緒に過ごすことになった。彼の帰国まで少しずつ彼との記録を残しておこうと思う。

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ホストファミリーの説明会に申し込んだ

いつだったか、まだ三男が生まれていない頃、妻と「子供たちが大きくなったらホストファミリーってやってみたいね」なんて話をしていた。僕も妻も留学経験もホームステイの経験もない。ホストファミリー経験者が近くにいたわけでもない。ホストファミリーの良さを知っていたわけでもないが、なんとなく面白そう、なんて思っていた。
時は過ぎ2020年の初め頃、そろそろ本当にホストファミリーになってみようと妻と話した。それからすぐに憎きコロナが流行り出し、この話は一旦頓挫した。そして5月、どうせコロナですぐには実現しないけど資料請求したり説明会とかに参加してみようとなり、AFSという留学生サポート・ホストファミリー支援・国際キャンプなどを行う非営利組織の説明会に申し込んだ。なぜAFSにしたかと言えばググったら出てきたからだ。他にも沢山の組織団体があったのだが、実はあまり比較検討はしていない。人生を左右する選択だったかもしれないが、夫婦共にあまり調べずに「とりあえず行っとけ」みたいなタイプなので、人生それで乗り切ってきた。妻とは気が合うのだ。強いて言えば1番歴史ある団体で外務省などへのパイプも太いらしく信用できそうだったからだ。

説明会

6月に行われた説明会はオンラインで実施された。そう、オンラインだったことで軽い気持ちで申し込んだのだ。本当に便利な世の中だ。説明会ではAFSのエージェントの方数名がAFSという組織の紹介、ホストファミリーになるまでの流れ、ホストファミリーになってからの説明をしてくれた。それからホストファミリー経験者の方がお2人登場し、実際の生活の様子や良かったこと、困ったことなど実際の体験談を話してくれた。一通り説明を聞いたあと、やっぱり面白そうじゃんとなった。ちなみにこの説明会に妻は参加していない。こういうのに参加するのは僕の役目で、終わったら要約して妻に共有するのである。決して押し付けられているのではない。信頼されているのだ。たぶん。たぶんね。そして妻も面白そうじゃんとなったので説明会終了後にきたアンケートにホストファミリーになる意志あり、と回答した。

家庭訪問

アンケートに回答した数日後、僕の住んでいるエリアの担当者から電話があり、早速訪問してお話を伺いたいとのことで快諾した。これは家庭訪問か?僕らが的確かどうかの審査か?と若干緊張した。数週間後に3人の女性が来てくれたが、その内2人はホストファミリー経験者で色々教えてくれた。そして3人とも国際交流異文化交流を推進したくてボランティアでやられているとのこと。このような人が全国に沢山いるらしく、とてもありがたいことだ。住空間のチェックも隅々までされるだろうと思い普段散らかり放題の家の中を一生懸命片付けたわけだが、リビングでの1時間ほどの説明と質疑応答のみでお部屋チェックは行われかった。ピカピカに取り繕った部屋の中をお見せしようと思っていたのに(笑)
ちなみに数年前にドイツからの留学生を受け入れた女性の話では、その留学生が日本を気に入り、帰国して高校を卒業したあと東京大学に合格して再び日本に留学していて、彼女を日本のお母さんと慕ってくれて定期的に遊びにきてくれているらしい。素晴らしい関係だ。

Q&A

説明会や家庭訪問で質疑応答し合った内容で記憶にあるものをまとめておく。もっと沢山やりとりした気がするが、覚えているものだけ...。

AFS Q:ハラルなど宗教に応じた食事やヴィーガンなどの信条に応じた食事の提供は可能ですか?
僕 A:できる限りの配慮はしたいですが、育ち盛りの息子3人がいますし、同じ食卓に並ぶのもNGと言われるとかなり難しいかもしれません。留学生が食べられるもの選んで食べ、同じ食卓で私たちの食事が制限されないのであれば対応できると思います。
AFS Q:留学生が過ごすとしたら個室ですか?誰かと共有ですか?
僕 A:個室に余りがないので子供の誰かと共有してもらうと思います。
(説明会に参加する前は留学生の個室が用意できないとホストファミリーにはなれないと思っていたが、どうやら個室はマストではないらしい。共有でも特に問題ないとのこと)
僕 Q:留学生の出身国は選べるんですか?
AFS A:指定はできません。
僕 Q:英語話者であった場合、息子たちに英語を教えてほしいというようなことを頼んでも良いですか?
AFS A:基本的に留学生は日本語や日本の文化を学びにくるので、生活の中で中々意味が伝わらない場合でも根気強く日本語で会話してください。英語教師として留学生を捉えるのはお止めください。しかし息子さんたちとリフレッシュ的に英語で会話するのは何ら問題ありませんし、留学生の母語に触れるというのは異文化交流として大切なことです。英語に限らず留学生の母語についても聞いてあげてください。留学生を個人として尊重してもらえれば、あとは家庭内で上手くやってください。
僕 Q:お金の負担区分を教えてください。
AFS A:学業関連費・医療費はAFS、留学生個人としての交際費・物品購入費は留学生、生活費全般はホストファミリーです。
(団体によっては生活費も支給があったり、毎月固定の費用サポートがあったりするらしい。留学生は自分でキャッシングするので留学生個人の資金管理はホストファミリーは行わない)
僕 Q:留学生が通う高校は留学生が選ぶんですか?
AFS A:市内で留学生の受入実績があり受入可能な学校をAFSが探して選定します。学力や留学生の特色に応じた学校選定は基本的には行いません。
僕 Q:留学生の性別は選べますか?
AFS A:大島さんの場合、お子様が全員男の子でかつお部屋が共用ということなので女の子よりは男の子の方が良いかもしれません。一応希望は出せます。
(妻以外が男なので留学生は女の子の方が良いのでは?と思い妻に聞いてみたが、どっちでも良い、とのことだったので特に希望は出さず)
僕 Q:お弁当は毎日必要ですか?
AFS A:お弁当が必要な学校であれば毎日用意をお願いします。実はお弁当作りを1番のハードルにされる方が多いのですが、日本の方はお弁当のクオリティが高すぎます。外国だとパンと飲み物だけでも普通ですし、作るのが難しい時は500円渡して何か自分で買いなさいでもOKです。
僕 Q:留学生の滞在期間はどれくらいですか?
AFS A:短期の2〜3ヶ月から1年ぐらいまで様々です。おおよそのご希望に沿うことが可能です。
(どうせやるならと我が家は10〜12ヶ月の長期を希望しておいた。あまり深く考えず笑)
僕 Q:留学生との間に解決し難い問題が発生したらどうすれば良いですか?
AFS A:留学生1人につき1人専属のサポート役がつきます。問題がある場合はすぐに相談してください。双方にとってベターと判断して場合は留学生を別のホストファミリーに移す場合もあります。

急報

知らせは急に届いた。コロナがあるのでまだまだ先だろうと思っていた9月、AFSから「11月にブラジルから留学生の男の子が来る予定です。来年の8月まで受け入れ可能ですか?」と連絡があった。え?もう?再来月やん!と驚いたが、妻に確認したら「いいよー」とのことだったので直ぐにOKの返事をした。こういう時の妻の決断は早い。常に大船に乗っているような状態なのだろうか。見習いたいものだ。それからは必要な書類を沢山書いたり留学生やご両親からメールが来たりで今に至るが、その辺はまた次のnoteにしよう。

子供たちの反応

以下、ブラジルから男子留学生が来ると聞いた時の反応である。

長男「よっしゃ〜。オレ、弟になれる!」
次男「イエーイ。一緒にサッカーやれるぜ!」
三男「うおおお。おれブラジルのこと調べるわ」

普段弟たちに兄貴風吹かせまくる長男が弟になりたかったとは驚きである。そして次男よ、ブラジル人だからといって全員サッカーをやっているわけではないぞ。彼はバレーボール部だ。何にしても子供たちから喜びの感情が聞こえてきたことは嬉しかった。生活が始まれば色んなことが起こるだろうし楽しいことばかりではないかもしれないが、彼らの原体験の1つになれば幸いである。

コロナ

最後にやはり気になるのがコロナ。ブラジルは感染拡大が進んでいる地域の1つであるし。留学生は11月下旬に両国外務省の許可の下に日本にやってくる。ブラジル出国前にPCR検査、日本到着後にPCR検査を行い、検査が陰性であっも14日間の完全隔離を行い最後に再検査をしてその後我が家にやってくる。検査は万能ではないし、検査翌日の以降の陰性を証明するものでもない。もしかしたらこんな時期に留学生を受け入れるなという意見があるかもしれないが、でき得る対策をした上でコロナを理由に全てを諦めるべきではないと僕は思う。特に我が家のご近所さんには僕がしっかりと説明するつもりだ。

最後に、留学生は16歳の高校生である。未成年であるので僕と妻が責任を持って保護者となり、いち個人として尊重し敬意を持つことをここに誓う。息子がもう1人増えるのが楽しみだ。つづく。

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