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「はっぴいえんど を教えて」という作品についてふりかえる。

こんかい、脚本・演出を担当させていただきました、ひびのわたるです。どーも。
沢山の方に観ていただいて、本当に嬉しかったです。途中での笑い声や、沢山の拍手も、いま思い出しても、うるうるです。ありがとうございました。
それでは、映像の上映会も終わりましたし、いくつかのキーワードに分けて振り返ってみたいと思います。

⚫︎ 書いてみた
ひとあそびスクールが参加した、昨年12月の柳ケ瀬日常ニナーレの演劇体験プログラム内のストリート演劇は、脚本作りの段階に私たちスクール生は決められたシチュエーションや役柄を即興で演じるってのをやらされた。(言い方!エチュードの訓練と受け止めた。)
役者初チャレンジのオーボラ企画でも即興会があったが、自分としては全くうまくいかず、以来苦手意識がある。
ま、それはさておき、その時の設定のひとつで、"路上ミュージシャン"ってのがあって、他の2人と話し合い、3人で演じるのをやった。(その時はイッペーさんと加藤さんと)
その時に、ああ、もしかして、こういう得意な分野の設定の話なら自分ならではの脚本が書けるのかも。と思った。
それで、すぐに"縦書きテキストエディタアプリ"をスマホにダウンロードした笑。形から入るタイプ。(どうも横書きの台本は苦手なのです。)

⚫︎ 脚本
そんな風に書き始めた路上ミュージシャンの脚本と、もう一本同時進行で書いていた「はっぴいえんど を教えて」の2本。
振り返ると、ひとあそびスクールの柳ケ瀬日常ニナーレ(柳ケ瀬路上演劇)本番が12/10(日)で、その打上げで"ひとあそびスクール"の定期開催終了と3/31のひとやすみ公演(ややこしや!)開催が発表され、演目は未定と聞いて、コレはもしやチャンスが?と思い、帰りのバス内で早速仕上げにとり掛かった様子。

(この後モウレツに書き出した模様。)


LINEの履歴をみると、両方を講師陣に送りつけたのが12/17(日)なので、何があったかこの1週間!
それらみてもらって、採用されたのが今回の「はっぴいえんど を教えて」なのです。
脚本なんて書いたことがなく、あ、厳密には高校の文化祭の出し物でクラスの男子でコメディ西部劇をやる為に、なんか書いたことはあったが、それはふざけにふざけた話で。
35年ぶりに書いてみたら、なんとも楽しくて。
ただ役割上で最近、主にSNS上で文章をつづる機会も増え、訓練?されたのか、文章作りのコツやスタイルみたいなものをつかみかけている感覚はありました。

⚫︎ はっぴいえんど
最初に書き始めた「I(仮)」の途中、毎年行っているライブイベントSWEET FISH TOWNのライブ動画を編集していました。2023にバンド編成で出てくれたハルラモネルの曲を切り取ってYouTubeへあげる際、タイトルの綴りを確認しました。

"はっぴいえんど"って、バンドの はっぴいえんど と、おなじでいいんだっけ?ひらがなだったとは思う。
"はっぴーえんど" だったり "はっぴぃえんど"
だったりしないかな?(みなさんココ間違えないでね)
自分の性格上、そこんとこはアーティストの意向に添いたいので、用心深く調べます。(たまにバンド名の表記でさえ無頓着なバンドさんも居ますが...)
CDの歌詞カードや彼の動画を、確認したらやっぱりあの日本語ロックの始祖と言われるバンド はっぴいえんど と同じだった!
丁度その時期、バンド・はっぴいえんどのアルバムのリイシューリリースがあり、大人買いして何度目かのマイブームとなっていたというのもあって、ハルラモネルの曲"はっぴいえんど''をあらためて聴きなおし、良いなーって。映画のエンドロールで流れたらグッとくるなって思って、それどんな映画かなと想像して...
てな具合で、「はっぴいえんど を教えて」の執筆(えらそう)が始まりました。
観ていただいた方にはわかると思うのですが、歌詞の中の印象的なフレーズがセリフにも使われています。原作曲、というか着想元がこの曲という感じです。

⚫︎ ハルラモネル
バンドをやっていた私は、岐阜のバンド仲間を探そうと昔、多分彼が大学生のころ(20年前???)、MySpace(懐かしー)というwebサービスに自分の曲を載せていて、それで彼を知りました。
その後、岐阜のインディーズバンドフェス"SWEET FISH TOWN"へ出演してもらうことになってからの付き合いです。最初は2015年かな?絶え間なく活動を続けている彼はときおりバンド編成でのライブも行っています。
実はテーマ曲"はっぴいえんど"以外の曲もインストバージョンで"ディズニーマジック・ノスタルジックオーケストラ" "ランプ" "さよならインターネット" "若者たちの未完成" という曲もいろんなシーンで使わせてもらいました。

⚫︎キャスティング
まずはメインキャストとなる男女。男性はかめさん(かめやましょうけい)、女性の方は講師陣の1人の梢さん(福富梢)におねがいした。いわゆるあてがきで脚本は書いていきました。スクール生をあてはめて行くのは楽しい作業でした。役名の"ケン"と"ナミ"は1秒で決めました。そゆのは早いです。音のイメージ重視かな。ヌシは軽音部に長年居座る主(ぬし)のあだ名。アイとリョウもイメージ。

⚫︎ 年長者の居る安心感
おばさん(ナミの)を演じてもらった斉藤じゅんこさんは私よりも年長者で、ひとあそびスクールが参加した、昨年12月の『柳ケ瀬日常ニナーレ』のストリート演劇公演「連続性、から、なる、いくつもの、このまちの歩き方」を観に来て興味を持たれ、スクール生になった方。
現在朗読劇をメインで活動されている。
当初、シーン7 "葬儀場の駐車場"のおばさんは暗転中に声のみの収録での出演を予定していました。脚本が完成して真っ先に言われた講師陣からの指導は
「暗転は少ない方がよい」
じゃあ、と、舞台に立っていただくことをお願いした。バッチリとパンチのある"おばさん"を演じていただきました。

斉藤さんと永井さん

経験の浅い私めのつたない脚本にも誠実な態度で向き合っていただいて、嬉しかったです。
オーボラ企画の時に私が言われた「居てくれた方が良い」の意味が少しわかった気がします。
安定感と安心感。かな。(いや、私にそれがあったのかは疑問)

⚫︎稽古
稽古の最初は、キャストみんなで台本を読み合わせした。その録音で残っていて日付が1/29である。つまり丸っと2ヶ月の稽古期間であった。2月中は毎週月曜日以外に+1日/週の個別稽古、3月からは+2日/週、残り1週間はほぼ毎日、というスケジュールをお願いした。(でも実は最近発見した動画に12/18ってのがあって、コレが初回。でも試しに読んでみた程度。ですが、自分の書いたセリフを役者さんに読んでもらう気持ち良さに感激した!と共有時にコメントしてた。)
毎回稽古の様子を録画してYouTubeの限定公開でアップし、見直しが出来るようにしていました。気になった部分をチャプター分けし説明欄に私がコメントし、みんなにみてもらう。をやってました。

⚫︎ 演出
右も左もわからぬまま、脚本を書いた私が演出も担当した。と、言って良いのか自信はないが、演出補佐として講師のなっちゃん(ナッツ・永井美月)が上手にサポートしてくれた。
なっちゃんは経験の浅いキャストをうまく導いてくれました。メインキャストのケンとナミについては細かい手の動きや頭の向き、仕草にもこだわり、毎晩あーでもないこーでもないとやっていた2ヶ月でした。私は、セリフの言い方やタイミング(音とリズム?)を中心に、なっちゃんは身体の動きや表情を中心に指摘していくと言った感じでしょうか?良いコンビだったのではないでしょうか?

⚫︎ セットや装置
当初から講師陣の2人(梢さんとなっちゃん)とケン役のかめさんの4人で優先的にスケジュールを組んで個別稽古をしていたこともあり、そのメンツでセットや装置についても決めて行った。このお話はシーンがいくつも変わるが、テーブルやイスを袖に隠すスペースも少ないため、オリジナル箱ウマを最低数作成してそれを使いまわす方法とした。木製のボックス箱ウマに強く拒絶感を示す講師陣にDIY可能な素材で色々提案し、今回の透明パイプ+木板の箱ウマ×5を用意した。

⚫︎ ストーリーテラー
色々観劇した中で、最初のツカミは大事と感じ、何かエンターテイメント感を出すために考えた。携帯電話をお切りいただくお願いを上手いこと出来た気がする。

⚫︎ リョウとアイ
ぶっちゃけ、最初はサブキャラとして描いていたのだが、稽古していくうちサブストーリーとして段々と存在感を増して来た。バンドマンである伊藤君の見せ場として、弾き語りシーンを追加。ハルラモネル本人に該当部分の演奏動画を参考に送ってもらった。2人のシーンも楽しいシーンになった。演劇経験の浅いお二人でしたが、稽古に必死に取り組んでくれました。ありがたかったです。

アイとリョウ
(川越あけみと伊藤和成)

⚫︎ 渡邉と永井
講師陣のうちのお二人。イヤーな嫌われ役をお願いした。渡邉代表にはあゆのカラオケの録音も(ありがとうございました)。永井は飲んだ時の酔ったイメージがあったのでしょう、予想通りさすがの仕上がりでした。

永井さん

⚫︎ ヌシ先輩
どう考えてもムリは承知。私が30近く若返ることに。いやいやムリムリ。2浪3留の設定として、ならばいっそと、採用が決定してからヒゲを剃らない日々スタート。見事にヌシ(主)完成。劇中でヒゲを剃って再度登場するのは最初から考えていた。

(ライブ衣装用にと買って、30年ねかせていたヒョウ柄のブラウスを初めて披露できて感無量です。)

⚫︎ 音楽
本作の中で、ハルラモネル作品以外の音楽(劇伴)を担当してくれたのが、Dainagon Fujinokamiです。
色々なシーンで素敵な旋律を奏でてくれました。アリガトー!
シーン5のナミが亡き父親を思い出しながら話すシーンの音楽がお気に入りです。

(Dainagon Fujinokami 最新リリース曲)

⚫︎ 照明と音響
照明はバル君。講師陣の(福富)梢さんとなっちゃん(永井美月)の同級生。バッチリでした。
音響はオーボラ企画にスタッフで参加してた柿田Pにお願いした。バッチリ!

⚫︎ シーンの追加
最初、講師陣に提出した時点では5シーンでした。百恵さんに「私ならあと3〜4シーン追加します。脚本作りはこれからですからね、一生続きますよ」と言われて、最終的には4シーン追加して上演した形となりまして。何処のシーンか、に関しては、飲んで酔っ払った時だけ話しますね。

⚫︎ セリフ追加
通し稽古を経て、どう考えてもケンの着替えが間に合わないことが判明。急遽おばさんとナミの会話を追加した。短期間でしっかり修正してくれた斉藤さん梢さんありがとう。おかげで笑いの起こるシーンができました。

⚫︎ 設定もろもろ
ケンとナミの大学は関東のX県。ケンもナミも同県のアパートにそれぞれ暮らしていた。
ナミは岐阜市内北西部エリア出身。デザイン事務所で働いている。運動オンチ。
ヌシは二浪三留でだいぶ年上。ベース担当。愛知県一宮市か木曽川町あたり出身。
おばさんはナミの母のお姉さんか妹で、今は愛知県三河地方に住んでいる。息子は二人いて次男の嫁はナミと同い年で寅年。
リョウは関西出身。入学式でアイに一目惚れ。その日に声をかけアイが入るならといっしょに軽音へ入部。高校の時は文化祭コピーバンドをやるくらい。
アイはドラムかキーボード担当。高校でも軽音部。
渡邉はナミと同期入社。メジャーな音楽しか聴いていない。
永井は中途採用で入社した20歳の新人。お酒の飲み方がまだわからない。

⚫︎実は
・ひびのは軽音楽部に在籍したことはない。
・ナミ役の福富梢は実は運動オンチではない。
・リョウとアイを演じた伊藤和成と川越あけみ(Gabi)は、時々一緒に弾き語りライブに出演している。
・ヌシ役のひびのはそんなにベースを弾けないが、ベースは私物。
・ケンのアコギはひびののモノで、稽古期間中貸していた。
・稽古の終盤、稽古中の糖分摂取に甘いものを用意するようになった。
・公演後、スクール生にサプライズで感謝状がいただけた。

⚫︎公演『HAPPYEND』
ひとあそびスクールのひとやすみ(ひと区切り)公演では3本の劇が上演された。「はっぴいえんど を教えて」はトリの3本目で上演となった。びびった。いや最後は代表の渡邉百恵さんの作品でしめてもらうべきでは?と思うも、終わってみれば、このならびしかないと判断した講師陣が正解。


そんなこんなの日々でございました。いやーだいぶ昔のような気分ですが、まだひと月しか経ってない!?
昨日、映像版の上映会も終わりまして、これで本当にひとあそびスクール終了!(定期開催は)となりました。
講師陣のみなさん、スクール生のみなさん、ありがとうございました。お世話になりました!

初脚本の上演が決まってひびのは、3/31の本番に向け、4/1に死んでもいい位の気持ちで臨んだのですが、死ななかったので
また次も何かやりたいと思っています。
その時はまたよろしくお願いします。

(すでに2〜3準備が始まっている)

#ひとあそびスクール
#331HAPPYEND
#ハルラモネル
#DainagonFujinokami

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