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劇場版名探偵コナン25作品を全部観て、感想&ランクづけ

はじめに

俺は『名探偵コナン』が結構好きなのですが、劇場版は観ているのと観ていないのがあったので無料公開されているこのタイミングで制覇しました。微妙にネタバレを含みます。でも今まで劇場版を観たことない人のきっかけになってほしい。

劇場版コナン俺的格付け

同じランク内でもより上位の方が評価が高い。

ランクS(大満足)
迷宮の十字路
天国へのカウントダウン
漆黒の追跡者
から紅の恋歌
銀翼の奇術師
世紀末の魔術師
ハロウィンの花嫁

ランクA(満足)
紺青の拳
時計じかけの摩天楼
天空の難破船
純黒の悪夢
ベイカー街の亡霊
瞳の中の暗殺者

ランクB(まあまあ)
14番目の標的
ゼロの執行人
沈黙の15分
異次元の狙撃手
緋色の弾丸
水平線上の陰謀

ランクC(アリっちゃアリ)
戦慄の楽譜
探偵たちの鎮魂歌
業火の向日葵
絶海の探偵

ランクD(もう一度は見ないかな…)
11人目のストライカー
紺碧の棺

以下、公開順に感想

『名探偵コナン 時計じかけの摩天楼』(1997)

【ランクA】
・劇場版コナンとしてスタンダードな構成。クセがないすっきりとした味わい。
・俺はミステリー・ラブコメ・アクションが劇場版コナンの3大要素だと思っているのだけれど、そのどれもを満たしている。爆発予告への対処(アクション)をしながら犯人探し(ミステリー)を進めていく。
・新一と蘭のラブコメ要素もしっかりある。例の名台詞「だって切りたくなかったんだもん。赤い糸は…」は蘭の健気さ・明るさの象徴。新一と蘭が犯人に打ち勝った瞬間ともいえる。やっぱコナンはミステリーじゃなくてラブコメだよ…
・ただまあ近年のハリウッドばりの壮大さはないから、大人しいと言えば大人しい。

『名探偵コナン 14番目の標的(ターゲット)』(1998)

【ランクB】
・見どころは、犯人の狂気・豹変っぷりと小五郎の過去。
・先に述べた三大要素の他に、犯人の魅力(美学があるか・狂気的か)とキャラクターの掘り下げが劇場版コナンのサブの要素としてあって、そこのポイントが高い。
・360度カメラぶん回しのシーンは美しい。
・ラブコメ要素は薄いかな…

『名探偵コナン 世紀末の魔術師』(1999)

【ランクS】
・舞台が大阪→クルーズ→お屋敷と移り変わっていくことで、テンポの良さを生んでいる。飽きずに観られる。しかも、各ステージで起きた出来事を受けての移動なので、その度に状況が整理される。今どういう状況なのかが分かりやすい。
・映画オリキャラの夏美さんと青蘭さんがツートップ過ぎる。明るい夏美さんと少し陰のある青蘭さん。魅力的。
・後半の炎のシーンにはセル画だからこそ出せる画面の美しさがある。

『名探偵コナン 瞳の中の暗殺者』(2000)

【ランクA】
・蘭が完全にヒロインをしている…!?これに尽きる。
・冒頭にこそギャグ・緩いシーンがあるものの、その後はシリアス。かなりハードな雰囲気が続く。佐藤刑事が撃たれるシーンは演出も相まってかなりショッキング。
・コナンに意地悪を言う灰原←これ蘭への嫉妬だろ…
・灰原「あなたとずっと…ずっとこのまま」←直後になーんてね、で胡麻化してるけど結構すごいことを言っている。俺は見逃さないからな。

『名探偵コナン 天国へのカウントダウン』(2001)

【ランクS】
・小学生のころからコミック版を読み込んでいるので、正当な評価ができないかもしれない。いやでも、トップクラスに面白いだろ…
・前半に種をまいて、後半おもしろさが一気に畳みかけてくる構成。前半観客を飽きさせない役割を担っているのが黒の組織。黒の組織が初登場!という宣伝文句ではあるものの、ストーリーの引き締め役で、メインは探偵団。良いスパイスではあるが。
・後半は本当にずっと面白い。アクションも謎解きも高水準。ラブコメ要素は抑え目だけど、見やすさとして評価したい。
・伏線回収元太・男前光彦・元気な恋心が爆発している歩美・めんどくさヒロインの灰原…探偵団全員に見せ場がある

『名探偵コナン ベイカー街の亡霊』(2002)

【ランクA】
・冒頭のガキムーブ灰原だけで観る価値がある。
・ランクAなんだけど、ちょっと微妙なところは多い。
・まず、探偵団オルタみたいな奴らが出てくるんだけど、まあまあなクソガキ。後半、改心してアツい展開になるところで親しみが沸くか、それまで耐えられないかは人によると思う。
・事件が二つ起きているのだが、片方の犯人が分かった状態で進むのが痛い。犯人を推理できないのは惜しい。
・あと、味方の退場の仕方がワンパターンすぎひん?
・まあでも、それを上回るほどアクション全振り。ロンドンという舞台設定と電脳世界の組み合わせもこの作品独自の魅力。

『名探偵コナン 迷宮の十字路(クロスロード)』(2003)

【ランクS】
優勝優勝優勝。ミステリー・ラブコメ・アクションすべての水準がハイパーMAX。
・犯人の狂気度にも魅力あり。
・平次がかっこいい。好き。

『名探偵コナン 銀翼の奇術師(マジシャン)』(2004)

【ランクS】
・上品。どこか切なげな雰囲気がずっとある。
・画面の美しさを評価したい。華があるシーンが多い。寒色と暖色のメリハリが効いている夕暮れの高層ビルのシーン、シャープな線のキッドとコナンが夜の摩天楼を飛び回るシーン…操縦席のシーンにも切なげなオレンジに満たされていてずっとチル。
・音楽も上品。

『名探偵コナン 水平線上の陰謀(ストラテジー)』(2005)

【ランクB】
・オリキャラの辻本夏帆が幸薄そうで可愛い。
・お腹いっぱい食べてご機嫌な元太・日焼けした黒光り元太・かくれんぼで鬼に見つかった時に作画ぬるぬるのリアクションを見せる元太…謎に元太に力が入っている
・園子&灰原とかいう謎の絡みが見られるのは貴重。全然関係ないんですけど、俺は灰原がコナンを呼ぶときに工藤君と江戸川君を使い分けているのがすごく好きなんですが、共感できる人いますか?
・登場するメインキャラクターが少ないから話がすっきりしている。小五郎の活躍もアツい。

『名探偵コナン 探偵たちの鎮魂歌(レクイエム)』(2006)

【ランクC】
・犯人が狂ってていい。美学が感じられる。
・普段コナンを邪険に扱っている小五郎とコナンがタッグを組むというだけで楽しい。と思っていたら、平次まで出てくる!
・この辺から灰原がコナンの相棒面をし始めます。
・平次とキッドと白馬が出てくるのはいいけど、その分話が落ち着かない。事件の全容が把握しづらいこともあり、置いてけぼり感。

『名探偵コナン 紺碧の棺(ジョリー・ロジャー)』(2007)

【ランクD】
・妙にコメディ色が強い。そのせいか、雰囲気が緩いというか緊張感がない。序盤から起伏なく進んでしまっている。
・コナン「助手じゃなくて相棒かな」灰原「調子いいこと言っちゃって」←蘭をほっといてこういう事し始める…

『名探偵コナン 戦慄の楽譜(フルスコア)』(2008)

【ランクC】
・オリキャラの秋庭怜子にずーーっと振り回される。最初の頃はキツイ性格してるなと思っていたら、ツンデレを見出すことができたので俺の勝ち。オタクってチョロいな。ちょっと優しさを見せられると、コロッといっちゃうんだもんな。ミステリー・アクションはそんなに面白くないので、彼女を楽しめないと評価しづらいかも。
・前作に引き続いて相棒面する灰原が最高。
・アクション少なめ。犯人の湿度高め。

『名探偵コナン 漆黒の追跡者(チェイサー)』(2009)

【ランクS】
・余計な寄り道をせずちゃんと事件を取り扱ってくれている。そうだ。それでいい。ミステリーだもんね。
・やっぱり黒の組織が出てくると緊張感が段違い。冒頭のシーンでつかみが最高。本編と地続きの描写があるのも良い。
・敵ながらアイリッシュも魅力抜群。
・たった30秒ぐらいなのに、オリキャラである本上なな子の天真爛漫さにやられる。

『名探偵コナン 天空の難破船(ロスト・シップ)』(2010)

【ランクA】
・ミステリーというよりハイジャックもの。俺はテロものが好きだから刺さった。コメディもやりつつ、余計な要素がなくダレていない。
・クズ過ぎるキッドとそれに翻弄される蘭。この二人の共犯関係に色気がある。

『名探偵コナン 沈黙の15分(クォーター)』(2011)

【ランクB】
・近年のハリウッドばりの爆破アクション傾向は今作から顕著に見られる。冒頭の電車暴走がそれ。
・コナンのスーパースノボーアクションは見どころ。小五郎「あいつやりやがった…」
・オリキャラ同士が信じられないくらいギスギスしている。緊張感があるのとは違う。空気が悪い。あの小五郎が気を利かせて、あの少年探偵団が消耗してしまうほど。
・コナン&灰原が信じられないくらい一緒にいる。ずっと。ナチュラルにスケボー二人乗りしていると思ったら、「ガキが…」のシーンだよ(頭を抱える)。は?

『名探偵コナン 11人目のストライカー』(2012)

【ランクD】
・ゲスト声優のサッカー選手たちが棒読みなのがしんどい。一瞬とかじゃなくて、かなりセリフが多いから余計に気になってしまう。
・サッカーってすごくポピュラーに見えて、意外とそうでもないというか。別にコナン映画でサッカー要素の掘り下げはいいかな。

『名探偵コナン 絶海の探偵(プライベート・アイ)』(2013)

【ランクC】
・イージス艦という特殊な状況でつかみは良い。
・決定的な減点要素がないけど、ストーリーの流れが分かりづらい点、北朝鮮をずっとぼかしている点など微妙に気になる点が積み重なってしまう。キレがない。
・たまに平次と和葉がイチャイチャしている。

『名探偵コナン 異次元の狙撃手(スナイパー)』(2014)

【ランクB】
・地味。
・序盤の展開が雑で犯人・被害者サイドへの理解が追い付かないまま進んでしまう。謎解き要素も薄い。
・世良が出てきてちょっと嬉しい。

『名探偵コナン 業火の向日葵(ひまわり)』(2015)

【ランクC】
ずっと爆発している。ハリウッド映画化が止まらない。もうアクション要素がいちばん強くない?画面が騒がしいなと思っていたらいつの間にか事件が解決されていた。
・灰原→コナンへの明確な恋愛感情ッ!!頬を!赤らめている!!
・ゲスト声優使わない方がいいって…

『名探偵コナン 純黒の悪夢(ナイトメア)』(2016)

【ランクA】
・ジンの兄貴がウッキウキでハッスルしちゃった結果、例年通りハリウッド映画になってしまった。これ後で”あの方”に絶対怒られるよ、ジンニキ…
・「イルカにキスされちゃった」って言うモブが可愛い。
・まあでも、「黒の組織が出てくると当たり年」の法則に漏れず面白い。
・鳩と戯れてポンコツと化してしまった博士で爆笑してしまった。ほとんどキャラ崩壊。「はっはっは、可愛いのぉ~」「ワァー鳩ぽっぽガー」

『名探偵コナン から紅の恋歌(ラブレター)』(2017)

【ランクS】
・『迷宮』以来の平次&和葉メイン作品。みんな待っていた。ありがとう。
・冒頭と最後にチャチャっとアクションして、あとはひたすらラブコメ。どいつもこいつもイチャイチャしている。いいぞ。
・1時間43分15秒付近が盛り上がりの90%を占める。

『名探偵コナン ゼロの執行人』(2018)

【ランクB】
・最初は引き込まれるんだけど、後半若干ダレる。『絶海の』もだけど、聞きなじみのない組織が出てくるとちょっと大変。
・個人的に国とか正義とかに乗れなかった。

『名探偵コナン 紺青の拳(フィスト)』(2019)

【ランクA】
・ミステリー・アクション・ラブコメ過不足なし。
・京極さんの背中で可愛げなくギャンギャンうるさい園子、好感度高い。
・俺は馬鹿なのでシンガポールの雰囲気の良さに騙されてしまう。

『名探偵コナン 緋色の弾丸』(2021)

【ランクB】
・歴代最強の灰原作品と呼び声高い。実際にそう。
・事件の方はちょっとお粗末。

『名探偵コナン ハロウィンの花嫁』(2022)

【ランクS】
・警察学校同期の外伝+アクションみたいな感じ。警察学校組を知っているならまあアリ。推理要素は薄い。ラブに関してはあるようで意外とない。高木&佐藤ってカップルになっちゃってて、すでに成立したカップルについてコナンワールドは苦手である。
・後半のアクションは、ガン・ヘリ・爆破とてんこ盛り。
・犯人の狂気度が足りない?犯人の動機が守備的なんだよな…
・爆弾がピンクと水色の映えを意識したり、公式がエモを推していたりと、劇場版コナンが新たなステージに進んだ感じがある。
・opはもうみんな見たことあるよねって前提で遊び始めた。

まとめ

・コナン映画に何を求めているのかがに人によって違うので、あくまで俺の感想でした。

・来年は黒の組織が登場しそうなので楽しみ。

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