『あみもの 第四十号』の感想
気になった歌を挙げていきます。短めの感想ですが。
「喰らし」/サラダビートル
・一息で言ってる感じがいい。でも発話しているのは「もー」の部分だけだと思う。
・ソシャゲも宗教みたいなもんだしな。
「ずっと不機嫌」/冬寂(なつとふゆ)
・力強い文体に惹かれた。そのマッチの使い道が気になった。
「アースカラー・デイ」/丁香花古
・あるあるだ! 「似ている」だったりではなく、「寄せられている」なのが上手い。
「いない」/CHONO
・今どき携帯の番号を覚えているのか、と思ったけど、わかる。だいぶ深い仲なのか。
「OUT OF ORDER」/真ん中
・あれもダメ、これもダメじゃん… でも悪い気はしない。「もちろん」がポップさを生んでるなあ。
「リリー」/白野
・「はがれるように」「納得のいく」という修飾が良い。ブツ切りな表記もひねり出すようでハマっている。
「制動と聖堂」/夜夜中さりとて
・「喜怒哀楽」という概念をシャッフルを通して、質量を与えているのすごい。
「祖父の家」/咲兵衛
・比喩が抜群。箸使いだけではなく、ちょっと首を伸ばしているのかなとか思っちゃう。
「帰り」/鳥さんの瞼
・びっくりしちゃった。グロすぎ。俺はマイナスな感情を呼び起こす短歌でも、その絶対値が大きければ評価すべきだと思う。「よけれる」という可能さの提示は残酷に映る。
「いつか来る日を待ちながら」/高野蒔
・居心地の悪さと開き直り。景の具体性の塩梅がいい。
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