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花茶

ホットジャスミン茶を飲んでる。
これを飲むと思い出すことがある。
もうかなり昔の話し。
通背拳を武蔵小杉の日曜教室で習い始めて、しばらく経った頃。
新宿で師父が通背拳散手セミナーというのを希望者に始めた。
行ってみたかったが、初心者の自分が参加していいものか迷っていたので行けずにいた。
習い始めで師父と話すこともなかなか出来ない頃だった。
でも、ある日セミナーに参加してみてもいいか思いきって師父に聞いてみた。
「いいよ、来てください」と言ってもらえてとても嬉しかった。
セミナーはウィークデーの夜に花園近辺の公園で行われていた。
ボクが初めて行った時は冬の寒い時期だった。
基本的に有志の練習なので通常の教室とは違って、決まった練習メニューがある訳ではなかった。
それぞれが自分のテーマで練習して、先生にアドバイスをもらうような感じだったけれど、対人でどう使うかをやることが多かった。
参加者はたいしていなかった。多くても4人くらい。でも、1人ってことはなかったかな?
セミナーが終わるとボクらは師父の事務所に行った。
当時、師父は中国との貿易の仕事をしていて、新宿にマンションを借りて事務所にしていた。
そこでは師父がいつもジャスミン茶を入れてくれた。
ジャスミン茶は中国語で花茶(huacha ほあちゃ)。
ボクは最初は薬みたいな匂いと味のこのお茶が好きになれずにいた。
でも、セミナーに参加して師父が花茶を入れてくれて、仲間と武術の話しをすることが当たり前のようになって、いつの間にか花茶が大好きになっていた。
中国のお茶と言うと烏龍茶を想像する人が多いだろうけど、中国の北の方、大連あたりでは普通は花茶。
寒い時に花茶を飲むとこの頃の事を思い出す。
もう30数年も前の話し。

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