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パクリについて思うこと

鉄道系YouTuber界隈でパクリが話題だ。今回渦中になっている人がどうこうということは述べないが、私自身が動画のネタをパクること、パクられることについては長年の積み重ねにより考えがまとまっているのでここに記しておく。

まず、自分の動画がパクられたらどう思うか?
これは、パクリ動画が自分の動画より再生されてたら悔しいし、再生されてなかったら自分の動画の方が結果としてクオリティが高かったんだなと自信になる。こういった感情だ。

再生数を話題にした通り、まずパクったからといって、確実にパクリ元の動画と同じくらい再生されるという訳ではない。
例えば、私の名阪酷道の動画は128万再生されているが、タケヤキ翔氏(登録者254万人の超大物YouTuber、彼はパクリは問題ないと明言しているので分かりやすくするために名前を出しておく)が私の動画のサムネの撮影位置、構図をパクった動画は26万再生となっており、言うほど伸びていない。しかもこのタケヤキ氏の動画、動画内に一般道の区間は登場せず名阪国道の方をひたすら走って大阪〜名古屋を移動するという内容である。本当にサムネをパクるためだけに酷道区間の場所を調べて写真を撮りに行ったんだろうなという苦労を感じる。

私はパクリ動画は基本的に作らないが、タケヤキ氏にパクられたら彼の動画をパクろうというのは前々から目標にしていた。タケヤキ氏、交通系の動画はパクリが多いが、意外と他で見かけないネタもやっているので、ネタ候補として見ることが時々ある。無事に名阪酷道がパクられたのでパクリ解禁とした。このように、自分がパクられた人の動画をパクるというのはトラブルを防げる健全なパクリの方法だろう。

私がパクった1つ目の動画は「ガッツレンタカー」。これを「片道500円」という文言で彼は紹介していたので、それをパクろうかと思ったが、「24時間2000円だけど大阪〜東京は6時間で行けるので実質500円」という強引な説明だった。さすがにその説明は微妙に感じたので、1ヶ月料金の日割り額「1日1000円⁈」をサムネに採用させていただいた。

2つ目の動画は「東京→大阪フェリー」。東京徳島のフェリーを大阪行きとして使う発想はなかなか至らなかったので、これもパクらせていただいた。ただ、両者とも私はサムネをわざわざ似せにいくことはせず、題材をパクるといった感じだ。交通系では題材がかぶることはいくらでもあるので、厳密にはパクリとまではいかないかもしれない。

この2つのタケヤキパクリ動画を出させていただいたが、再生数はタケヤキ氏の元動画には遥かに届かずという結果になった。やはりパクったら同等の結果を簡単に得られるという訳ではない。特に、タケヤキ氏は交通系と視聴者の層が全然違い、そこに向けてヒットする動画を作り続けているのだろうなと感じる。

逆に、多分私の動画が元ネタで、それを参考にしてサムネや内容を向上させた動画を上げた結果、私の動画より何倍も再生されているというのを見かけることもある。悔しいとは思うものの、動画を見ると私の動画より面白かったり視聴者を惹きつけやすかったりして、まあ再生されるのは当然かと納得いく場合が多い。結局、パクリ自体は禁止されている訳ではないので、YouTubeの世界ではパクろうがパクられようが再生が多ければ勝者、再生が少なければ敗者、弱肉強食の世界だと感じている。

また、動画投稿における考え方も2通りあるのではと感じる。一つは、「パクリでも何をしてでも再生数が稼げる動画を作ることが第一」という考え。パクリを多用する人はこちらの傾向なのだろう。
もう一つは、「一から考えて動画を作ることが好きなのでパクリは言語道断」という考え。どちらかというと私は後者寄りだ。
これで後者の動画を前者の人がパクってしまうとトラブルになってしまう。今回起きている騒動もその結果だろう。

ただ、知らずのうちに動画が似てしまうということもある。以前は交通系のチャンネルを多数チャンネル登録して誰がどんな動画を上げてるかチェックしていたが、今はやめてしまった。自分のパクられ動画が出てきたらあまり嬉しくないのと、パクリになりそうなものを見てしまうのを防ぐためだ。見てしまうとどうしても自分の意識の奥に他人の動画が残ってしまう。それを意識しない動画はもう作れない。私はそうなりたくないというのと、元々自分自身、YouTube自体交通系の動画を見るためではなく、全然違うジャンルの動画を見るために使っているためだ。昔は水溜りボンドやヒカルをよく見ていたし、今はQuizKnockやwakatte TVをよく見ている。そんなんでよく交通系の動画投稿してるなと思うかもしれないが、プロ野球選手でも「野球をするのは好きですが、観ることは少ないので好きな球団とかは特にない」みたいな話もたまに聞く。見るのとやるのは別。やる方が楽しいから私はYouTubeをやっている。

あと、「パクるなら一声かけろ」「一声かけていただければ信頼できるのでOKです」みたいな意見も見かけた。私はあまりそれには賛同していない。パクリの基準は曖昧だし、好きにすればいいと思う。
私は基本的には投稿者同士は再生数というパイを奪い合うライバル同士だと思っている。また、視聴者に関しても「粗を探していつか炎上させてやろう」という目で常に見られていると考えている。なので、一声かければ信頼できるという感情も特にない。もちろん私が他人に対して敵対心を剥き出しにしすぎてしまうと、それはそれで悪影響なので、人当たりの良い性格を心がけているが、明るくて人当たりの良い人こそ裏があるので要注意である。私自身、YouTubeを初めて最初の数年は「なるべく人を信用しよう」と思い、基本的に人を信用する方向で行動していたが、特に明るい人に裏切られることは多かった。そこで得た最終的な結論は「基本的に誰も信用できない」である。悲しいかもしれないが、それが事実だ。

最後に思うのは、パクリ騒動って投稿者同士でトラブルになってる場面しか見たことがないが、視聴者〜投稿者間でトラブルになったらどうなるのかなと思う。特に、タケヤキ氏の動画を見ていると、私の動画以外にも、これはこの人のパクリだなと思うものが多数ある(例えば謎のちゃんねるさんのサンライズの動画)。その人のファンの方が、「これは謎さんのパクリだろ!」みたいなコメントを書きまくって炎上に至るとかも全然あるのではないかと思う。実は謎のちゃんねるパクリのサンライズの動画は投稿直後にパクリだと気付いたのでコメント欄の様子を眺めていたが、パクリだと指摘する声は結構あったものの、そういったコメントは削除して炎上防止に努めていたようだ。
YouTubeでは都合の悪いコメントは削除すればとりあえず何とかなるし、ではTwitterに炎上が飛び火しないのかと言うと、YouTubeの動画単体についてTwitterでわざわざ話題になることは滅多にない。ということで、意外とこうした炎上は発生しない。どうしてもYouTubeのパクリ動画が許せない例があるのであれば、削除できないTwitter上で世間に問いかけるのをおすすめする。

投稿者観点でのパクリについて書かせていただいたが、視聴者側としては特に深く考えずに、見たい動画を見て、面白かったら面白い、つまらなかったらつまらないと感じていただければ全然良いと思う。私も今後も特に深く考えずに動画投稿を続けていく。

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