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「線スケッチ」の立場で美術展を鑑賞してみた

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訪れた美術展の感想文です。ただし、美術展全体の紹介や感想ではなく、「線スケッチ」の視点で鑑賞した内容に焦点を絞っています。視点としては、モチーフ、構図、線描、筆さばき、配色など技…
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#水墨画

国宝障壁画展示《楓図》《桜図》(智積院・宝物館):茫々60年、あれは夢・幻だったの…

(長文になりますのでお気を付けください) はじめに このnoteのどこかの記事で、私がいかに…

「北宋書画精華」展(根津美術館):水墨画鑑賞2023年の振り返り、白眉を飾る北宋山水…

はじめに 昨年は、水墨画の勉強に始まり、水墨画の美術展の鑑賞にほぼ注力した年でした。 …

東京国立博物館<やまと絵>展:おそるべし雪舟!あなたは桃山障壁画の祖か?なぜ樹木…

はじめに 前回の記事で、東京国立博物館で行われている「やまと絵」展で典型的な「やまと絵…

東京国立博物館<やまと絵>展:「やまと絵」展なのに「水墨山水」の本質を体得したか…

はじめに 先月、国立博物館の「やまと絵」展が始まった次の日に訪問してきました。本格の感…

<マティス展>東京都美術館:これでよいのか?人生最高傑作のヴァンス礼拝堂;なぜデ…

前回の記事その1から続きます(最終です。長文になります)。 2巡目の最後に予想外の事実が…

<マティス展>東京都美術館:これでよいのか?人生最高傑作のヴァンス礼拝堂;デッサ…

 今回、東京都美術館で開催されている「マティス展」を訪問しました。その結果、予想外の心の…

<木島櫻谷ー山水夢中展>泉屋博古館東京:とにもかくにも写生帖の樹木表現に注目! はからずも「水墨山水」鑑賞の第一歩に(その2)

記事(その1)から続きます。 (2)感想:「山水画」と木島櫻谷  前回の記事の「はじめに」で述べたように、この展覧会を訪れた最大の理由は、「写生帖」を見に来るためでした。そのため、展覧会の題名すらよく見ずに会場を訪れたのです。  私は木島櫻谷を「日本画家」だとしか思っていなかったので、日本画が展示されていると思い込んでいました。しかし予想外に山水画が多く展示され様子が違うので、あらためて美術展の題名をよくみると、副題に「山水夢中」とあるではありませんか。  どのような

<佐伯祐三展>大阪中之島美術館:湿り気の無い日本風景画は「街歩きスケッチ」そのも…

記事(その1)から続きます(最終回です)。 (2)第1次および2次パリ滞在の風景画について…