記事一覧
【転載】映画『フィールズ・グッド・マン』 オルタナ右翼に「利用」されたカエルのペペの数奇な運命
この記事は『Wezzy』に2021年4月10日に掲載された記事です。同ウェブサイトの閉鎖に伴いこちらに転載いたします。
3月12日より劇場公開中の『フィールズ・グッド・マン』(アーサー・ジョーンズ監督・脚本、2020年)は「ぺぺ」という名のカエルのキャラクターが、その作者の手を離れてネット上でミームとして利用され、ついには白人至上主義者が人種差別的な投稿に添えるアイコンとして利用するにまで至る
『コンヴァージェンス・カルチャー』あとがき「YouTube時代の政治を振り返る」リンク集
ヘンリー・ジェンキンズ著、渡部宏樹、北村紗衣、阿部康人訳『コンヴァージェンス・カルチャー: ファンとメディアがつくる参加型文化』のあとがき「YouTube時代の政治を振り返る」で言及されている動画へのリンクをまとめました。基本的にページ順に従ってYouTubeへのリンクを貼ってありますが、前半よりも後半のほうがAppleのCM、『ハリー・ポッター』などのポップカルチャー、オバマをはじめとする現代の
もっとみる第5回 エドウィン・ポーターと映画の文法の萌芽
黎明期においては映画という新しいテクノロジーは観客を引きつける大きな魅力であり、動いているものを映像として見ることそれ自体が新しい経験でした。しかしながら、1896年に投影式の映画装置バイオグラフを開発したアメリカン・ミュートスコープ社を始めとする競合の会社が出現し、エディソン社はこれらの会社との競争に勝ち抜く必要に迫られます。第3回でお話しした法廷闘争もその対策の一つですが、映像コンテンツ自体の
もっとみる第4回 騒々しい観客と「アトラクションの映画」
さて、前回の最後に、今回は映画の中で物語を語る技法が発展して行く話をすると予告しました。早速昔の映画製作者たちがどのようにして、クローズ・アップやカット・バックといった映画の中で物語を表現する技法を洗練させて来たのかという話をしたいのはやまやまなのですが、その前に当時の観客が映画をどのように楽しんでいたのか少し考える必要があります。私は前回、映画の中で物語を語る技法は映画製作者たちが映画史の最初の
もっとみる