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極寒神戸体験記 ~勝ち点3~
はっきり言いますがこの章はヤクルトもオリックスもほぼ関係ないサッカーnoteなので、ご承知おきを。
僕にとってもう一つの大勝負、
そう、僕が応援している清水エスパルスのJ1残留に向けた大一番、浦和レッズ戦がキックオフされたのだ。
清水は地元のチームということもあり、これまた幼い頃から応援している。応援し出した当時は「ヤクルトより早く優勝するんやろな」と思ってたんですが、未だにタイトル取ったところを見たことがない。
とはいえ日本代表正ゴールキーパーの権田修一選手、20歳ながら日本代表合宿に呼ばれた鈴木唯人、松岡大起選手といった若くて才能のある選手がいる魅力あふれるチームで、原、サンタナ、中山、宮本、松岡、高橋という親しみの湧く名前の選手も在籍している。これは推すしかない。
清水は試合前で残り2試合で降格圏と勝ち点3差。今日負けて、徳島が勝てばたちまち降格圏になってしまう。
そんなこの試合、別にまんぼうが出てるわけでもないのに、アウェイサポーターは入れない。つまり360°浦和サポーターという超絶怒涛のアウェイという信じがたい不利な条件下での一戦だった。危うく声出し応援されるところだったし。
ケータイの充電はやばかった。でも、もうそれどころではなく必死にかじりついてみていた。浦和が主導権を握るものの、枠内シュートまで至らない場面が続く。逆に清水は鈴木唯人がドリブル突破してシュートを放つも西川の正面。いや、西川ボール避けろよ。ゴール入らないじゃん。
電車は三宮についた。持ってきた防寒着を装着し、僕は次なる戦いへの準備を進める。
後半になっても0-0のまま試合は進行した。
別会場で17位徳島が先制したとの一報が入る。
負ければ降格圏だろう。やべえ。せめて引き分けてくれ。
買い物をする気にもならず、僕は三宮のロータリーで腰掛けて試合の行方を見守った。
コーナーキックのチャンスを迎える。西澤のキックは風に乗ってゴールへと向かう。
きたか??その瞬間西川の腕が伸びる。
鈍い金属音が響く。
西川が触ったボールは惜しくもポストに弾かれた。
ほんまにさっきから西川何してんの????「清水が点を入れる。ゴールを開けろ。」とか言って退場させたい。そもそもユニフォーム1人違うのおかしいし手でボール触ってんだから退場すべきでしょ。邪魔だし。
さすがに引き分けかな、そろそろ行こうか、と思った87分だった。
「ゆるきーーー」実況の桑原さんが叫ぶ
浦和の選手がスルーパスに抜け出した。
まずい!と思った。しかし浦和の選手が触ったボールはキーパー権田の正面。さすが偉大な日本代表ゴールキーパー権田。素晴らしい。神。
やっぱ目が離せない。最後まで見るか。
「なかむらシュートーーーーーー!!!」
「きたーーーーーーーーーーーー!!!!!!」
実況の桑原さんが叫ぶ。
呼応する様に僕も立ち上がる。
ペナルティーエリア付近で、右足を一閃した中村が放ったボールは、ゴールにむかってシュート回転で飛んでいく。
決まった。1-0。
少し遅れて劇的負けを眼前にした浦和サポーターの悲鳴をマイクが捉え、同時にカメラは清水ベンチを映す。
中村が味方のところへ駆けていく。僕も呼応して走り出す。清水の歓喜の輪ができる。全員が狂喜乱舞している。僕も三宮のロータリーで渾身のガッツポーズを繰り返した。お巡りさん僕です。
程なくして主審の笛の音が響く。残留を手中に収める勝ち点3を掴み取った。
やば。やばすぎる。劇的すぎん?こんなことある?
僕は今日一となる(はずだった)興奮の絶頂を迎えていた。このサポーターなしの逆境で勝つのやばすぎるでしょ。
野球で言えば、12回の表2アウトランナーなしから勝利するようなものだ。そうそうあるまい。アドレナリンはもうドバドバ。
あと10年遅かったら高血圧で倒れて球場じゃなくて病院行ってたし、不審者で通報されてたら交番に行ってた。
興奮が冷めやずにがもう4時。三宮で食料を買い込みむことにした。その間も思い返してはガッツポーズを繰り返した。
買い出しが終わると、北口へと向かい、地下に降りた。
地下鉄の中は7割のオリックスファンと3割の味方でごった返していた。
ビジター燕征時にスワローズグッズつけた人見ると「一緒に頑張りましょうね!」っていう謎の連帯感を覚える。んなことない?
地下で乗ったはずの電車はしらずのうちに地上に出ており、いつしか周りの景色は山となっていた。
そしていよいよ、電車は総合公園駅へと滑り込む。
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