第一回和寒町ふくしのまちづくりサミットが開催されました。
和寒町ふくしのまちづくり」は、町民の皆さんがいてこそのプロジェクトです。様々な集まりやイベントなどに伺いますので、ご意見をお聞かせください。ご協力お願い致します。
サミットの模様は以下より見ることが出来ます。
<挨拶>新しいまちづくりのスタート
サミットの冒頭では、和寒町長の奥山盛さんからご挨拶をありました。和寒町ふくしのまちづくりプロジェクトについて、「これからのまちづくりを進めていくにあたり、一から勉強しなおすつもりで和寒町のこれからを考えたい」と意気込みを語られました。
<事業説明>越境する福祉をめざして
今回の受託事業者である「ゆうゆうteco共同体」では、「越境する福祉の実現」をめざしています。越境する福祉とは、ただ福祉施設を運営するのではなく、まちにある産業や自然などを守りながら、福祉分野を越えたまちづくりを行うことだと私達は考えています。そのためにも、「一人一人の力で創る」だけでなく「建築にこだわり、多くの人が立ち寄るまちのシンボルを構築する」ことを目標として事業に携わっていきます。
<対談>福祉と建築でまちをつくる
社会福祉法人愛川舜寿会の馬場拓也さんと建築家の金野千恵さんからは、神奈川県愛川町にある「春日台センターセンター」が出来上がる過程や現在どのようにまちの皆さんに利用されているのか対談形式でお話いただきました。
「春日台センターセンター」は、かつて賑わったスーパー「春日台センター」の跡地を子どもからお年寄までのまちの中心(センター)として再構成したもので、高齢者の住まいやデイサービス、障がいのある人や出所者の働く場、障がいのある子どもの通いの場、洗濯代行や惣菜販売などの機能を持っています。これらはまちの皆さんと共に語り・学びながら形作られ、現在この拠点では沢山の人たちが集う場となっています。多様な方々が出会い思いもよらない良い化学反応が生まれることもあると、「場」の持つ不思議な力についてもお話されていました。
<基調講演>一人一人の居場所を作るまちづくりを
長く報道の現場で働いてきた野澤さん。知的障害のあるお子さんを育てられたご経験から福祉に携わるようになり、今まで様々な形で福祉に貢献されてきました。
講演の中では、人口減少や財政難だけではない今後の問題点について触れ、中でも、ALS患者が嘱託殺人で亡くなった事件にみられるような、孤立や疎外感などから生まれる問題は福祉サービスだけではカバーしきれないことを指摘しました。
一人ひとりと向き合いながらそういった問題を解決していく地方の福祉団体の例を取り上げ、高齢者・障がい者問わず地域で生き・働き・暮らすことができることが理想的なまちだと述べました。そのためにも、福祉サービスの利用者が地域に還元できるような仕事の担い手となることや、その土地の風土を生かした福祉実践を行う、といった人口が減っていく中で地域と共生できる社会を目指す必要性の提言がありました。
また、福祉を起点にしたまちづくりが大事だと、フランスのナント市での取組みを紹介。まちに住む高齢者や障がい者が利用しやすい移動手段を確保したことで、地域の活気や連帯感が生まれたことから、このように地域が主体になっていく時代だと述べました。まちの人々の「経験」「感性」「情念」を大切にし、町民一人一人の居場所について考えながら、これからのまちを作っていくべきだと提唱しました。
最後に現代の子ども達は、いじめ、虐待、自殺、どれも増えている状況があり、未来がすりつぶされているような気持になる、と現在取り組まれている若者とのSNS発信の取組みを話されました。「いろんな人が役割を持ちながらまちを作っていくことが大事だと改めて思う」と講演を締めくくられました。
<参加型ワークショップ>町民みんなで和寒のこと、考えてみよう!
ワークショップ「みんなで和寒町をデザインする」を開催しました。和寒町
にまつわる思い出を各々に書いていただき、それを時系列順に年表に並べま
した。田中さんは、「福祉の話だけではなく、どういう和寒町を作りたいか、自分たちで主体的に考えていただけたらと思い実施しました」とコメントしました。
思い出を書き出す過程でも、年表に並べてからも、様々な和寒の思い出が語られ、沢山の参加者でとても賑やかなワークショップとなりました。
そんなワークショップを見た堀田さんは、このように感想を語りました。当プロジェクトもこのコメントのように、和寒の眠っている部分に光を当てるようなプロジェクトにしたいと考えています。
和寒町トピック
和寒のことをよく知るための「和寒まちあるき」
町職員のご案内のもと、サミット関係者で和寒町内を散策しました。
芳生苑や健楽苑をはじめ、こども館、保育所、かたくり荘などを巡り、 途中出会った町民の方と立ち話をする場面もありました。
まちの新たなアイデアづくりに役立てられればと思います。ご協力してくださった皆様、ありがとうございました!
認知症キッズサポーター・ジュニアサポーター養成講座
6月16日・小学校5年生、26日中学校2年生の皆さんと認知症サポーター養成講座を実施しました。ゆうゆう理事長・大原が自身の祖母が認知症になった体験を述べ、「暮らしやすいまちってどんなところ?」と参加者に考えてもらいました。
遠慮がちだった生徒も、講座が進むにつれ自分の考えをしっかり伝えられるようになっていきました。これからもまちづくりについて、若い皆さんと一緒に考えていきたいと思います。
運営団体について
本プロジェクトは、ゆうゆうteco共同体によって運営されています。ゆうゆうteco協同体は、和寒ふくしのまちづくりプロジェクトを実行するために社会福祉法人ゆうゆうと建築設計事務所tecoが恊働して出来た団体です。
社会福祉法人ゆうゆう
ゆうゆう当別町を本拠点とし様々な福祉サービスを提供している団体です。ただ福祉サービスを提供するだけでなく、組織や地域を越えて社会問題にチャレンジし、普遍的に地域文化を構築する実践に取り組んでいます。
teco
tecoは金野千恵の主宰する建築設計事務所です。テコの原理で小さな力で大きなモノを動かすように、仕組みから考えデザインします。住宅、家具、公共空間などの設計、建物やまちに関するリサーチを行っています。
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