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『3D/Biela』解説


チャス!チャスチャス!チャス!
福島カイトです。なんか、noteが見出し画像をつけろつけろとうるさいんでつけてみました。要る?
あといつの写真なんやろこれ。まあええか。

はい、今回は3D/Bielaです。
この曲は歌詞やら展開やらに何かと複雑な意味とか込められてるんでしょうが、そもそもヤマトさんはメンバーの俺たちに対してすらも楽曲の中身(歌詞とかメッセージ性とか)を滅多に語らないんで、この曲のそういう設定部分の詳細は知りません。なので、そういうのにはあまり触れず、音楽的な部分をメインに書いていこうと思います。


ほな、解説始めます。


この曲は、歌い出し始まりですね。ということでまずは、これまで解説した2曲では殆ど何も書かなかった、歌詞に焦点を当ててみましょう。まず、キャッチーな曲作りに欠かせないとも言える韻踏みについてです。

歌詞を聞いてたらわかりますが、一曲通して、歌詞の区切りの多くを「オ段」で踏んでます(君と生きていく「よ」や、起こらなくて「も」、遠ざかってって「も」等)。あとこの曲で露骨に韻を踏んでる部分としては「水蒸気」と「水曜日」が1番わかりやすいですね。ヤマトさんは、他の曲でもしっかり韻踏みます。特に「君の秘密になりたい」と「心臓の奥が痛い」とか、超わかりやすい。

こういった韻踏みとか、譜割りとかの部分は、キャッチーな曲を作る上でめちゃくちゃ重要です。特に譜割り。譜割りというのは、メロディーに対する歌詞の当て方のことを指します。この曲の中で例を挙げるなら「夜は天使みたいに二人をどこかへ連れ去って」の部分は、メロディに対して、歌詞が綺麗にハマってますよね。

この譜割りが上手く組まれていない、「歌詞を書いて、そのままメロディーに当てました」みたいな曲が、俺とヤマトさんは本当に嫌いです。初めて聴いて「おっ、ええやんけ」と思った曲が、2番サビに入ると突然、さながら子供の替え歌のようなクソザコ譜割りになってしまった時の悲しみは、なんとも凄まじいものです。大学2回生くらいの頃、ヤマトさんと二人で酒を飲みながら適当に音楽を流しては、気持ち悪い譜割りの曲が来るたびに「クソ曲!!クソ曲!!」と喚き散らして一気飲みしていたことを思い出します。

重ね重ね言うぞ。俺達は雑な譜割を絶対に許さない。動くな!!譜割り警察だ!神妙にお縄に付きやがれ!!(譜割り警察は二人とも大学3留しました。)


さて、譜割り警察はさておき、カズキさんのドラムビートにも焦点を当てましょう。シンプルなビートをこよなく愛す(サボり癖とも言える)カズキさん。PKの楽曲の多くはギターのコードが複雑かつ、ベースも割と動きがちで、ボーカルメロディーも音の移動が多かったりするので、ビートは彼の好み通り、あえてシンプルなものにすることで程よいバランスが保たれていると思います。しかし、それは上述ような動きの多いパートが、しっかりと鳴っている場合での話です。

この3D/Bielaのイントロ部分はボーカルとギター1本の弾き語りという音的にやや寂しいものになっているので、後ろで鳴ってるビートは特殊なものにしてみよう!という案をヤマトさんが出しました。そして、カズキさんがその要望に応えるため、なんとか特殊なビートを絞り出そうとしている時でした。偶然バスドラを3回踏んでしまったのです。

「ドドドタンッ ドッ ドドタドッ」

その瞬間、ヤマトさんが「カズキ、今のや。」と告げました。

あの時のカズキさんの表情は、今でもしっかりと目に焼き付いています。さながら授業中に隠れてスマホゲーをしているところを教師に見つかった高校生のような、そんな悲しい顔でした。

ドラムを少し齧ったことがある人なら分かると思いますが、バスドラを「ドドド」と3連続で踏むって結構難しいです。無論、シンプルなビートしか叩かないカズキさんは、そんな特殊なフレーズは今まで叩いたことがありません。そもそもカズキさん、そんなにドラム好きじゃないですからね。アニメとかネットスラングとかの話では1番大声で会話に参加してるのに、ドラムの話になると何故か遠くを見つめて黙り込みますし。

そのため、ヤマトさんがカズキさんに対して複雑なフレーズを叩け、と命令し、カズキさんがそれを嫌がるケースは他の曲でもちらほらあります。そもそもカズキさんは何かしらドラムフィルを入れるべき部分で、スネアとフロアタムを力強く1音、

「ド ン ッ ! ! !」

と叩くような人ですからね。なんやそのドンは、真面目にやれ!と指摘しても「ええやろこれ。このパワー。」とか言ってくるような人ですから。なんやねんあのドン!、アホっぽすぎるやろ。名ゼリフ言う時のルフィかよ。そんなアホにあんな奇怪なビートを叩かせるなんて、無茶ですよ。ちなみにドン!は京都線のサビ前とかでやってます。

まあ、かくしてあのようわからんビートは生まれました。カズキさん、アレめちゃくちゃ練習してましたね。可哀想に。いや、可哀想じゃないな。あのカス。もっとドラム叩け。この前カズキさんに「ライブ近いし次の日曜スタジオ入ろ」って誘ったら「悪い、その日はサーフィン行く」って言うて断られましたからね。サーフィン行くなアホ。

それ以降のビートは、いつも通りシンプルなものです。ドラム解説終わり。アホが。


この曲のギターについて書くとするなら、ヤマトさんは半音下げカポなしで、俺はレギュラーチューニング4カポで弾いてます。これはギター2本のボイシングを変えるためです。また、サビでは2種類のチューニングの差異や旨みを活かすために、どちらも開放弦を多めに使ったコードを弾いています。ちなみにサビのコードは絶対に書きません。滅茶苦茶面倒くさいです。本当に名前わからんし。

あと、バンドイン直後のギターソロは、ちょっとむずいですが僕自身とても気に入っています。ギターについては、以上です。ベースはまあ、頑張って弾いてはりますなあ・・・ベースについても、以上です。

最後に構成について。この曲はセクション、つまりは進行が2種類しかないです。これは洋楽によく見られるVerse、Chorus構成(邦楽風に言うとVerseがAメロ、Chorusがサビ)に近いものなのですが、この曲においては、もはや二つともChorusであると言えるほど、両セクションともパワフルなメロディを持っています。これに近いものだと、かの有名なStevie Wonderの『Isn't She lovely』、邦楽だと松山千春さんの『大空と大地の中で』なんかがありますね。こういう「ずっとサビ」って感じの曲、本当に好きです。あとこの「ずっとサビ」構成の弱点として、「進行が2パターンしかないせいで、曲が長いとしつこくなりがち」というものがあるんですが、3D/Bielaは割と短い曲なので、割と気にならないですよね。良かったねえ・・・

あと、この二つの進行のうち一方は、最後にコードが変化してます。また上述の通り、ギターのチューニングも2種類です。その上この曲は、PKの中では結構珍しい、アウトロが全く存在しない曲でもあります。こういう部分に、色々意味が詰まってるとかなんとか、この前ベロベロのヤマトさんが言ってましたね。

ビエラ彗星について調べると、何か意味がわかるかもしれません。

【まとめ】

気持ち悪い譜割りを、絶対に許すな。

〜おわり〜

ダボ助が!!!CD買え言うとるんじゃ!!




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