『君の秘密になりたい』解説


チャス!ウィス!
今日も暇なんで楽曲解説します。今回は『君の秘密になりたい』です。

この『君の秘密になりたい』、ヤマトさんが人生で初めて作った曲らしいです。その割に何かと高度なことをやってるんで、解説するのはなかなかやり甲斐があったりします。この、マセガキ!
あと、この曲はサブスクにないので、聴くにはCDを買うしかありません。


買ってください。さあ、買うのです。1st single『奇跡』に入ってます。今すぐ買うのです。主要都市のタワレコにもあります。マスクと消毒を心がけ、人混みを避けて走るのです。


ほな、解説始めます。



イントロとBメロのコード進行

D#M7→D#m7→Dm7→Gm7
D#→F→A#M7→A#7

この曲の印象的な部分の一つですよね。
このD#M7→D#m7の動き、所謂サブドミナントマイナーって奴です。これは、Aメロ「君のスカートの裾を濡らした」部分にも使われてます。ヤマトさんが作る曲の強みの一つが、こういうちょっとしたコードアプローチです。これがおざなりになると、曲が一気にチープな印象になってしまいますよね。

あと、にしけんの謎ダウンピッキングも印象的。よく考えたらサブドミナントマイナーの部分、何気に代理コード弾いてますね。なんかアイツが俺らに内緒で代理コード弾いてくるの、ムカつきませんか?俺は許せません。

このベースのダウンピッキング後半から入ってくるギターのブリッジミュートは、スタジオでヤマトさんが「ほら、カイくん見てこれ…アジカンみたいやろ?へへっ…」と言いつつ披露してきたものを弾いてます。これ本当に速度もそうですし、弦も移動するし、ゲボ吐くほどむずい。何笑っとんねんカス。普通弾けへんてこんなん。あの人ブリッジミュートのダウンピッキング、異常に速いんですよね。アレをサラッと弾けるのホンマにタチ悪い。なんか、俺が悪いみたいになるやんけ。お前が弾け。お前が弾け!!!!!!!!(号泣)


続いてAメロのコード
A#→Dm7→Gm7→FM7→A#M7
D#M7→D#m7→Dm7→Gm7→CM7→FM7

歌詞でいう「宇宙に何故か僕ら二人だけのような」の「け」部分は、このキーのマイナートニックであるGm7のコードに、メジャートニックのA#の音をぶつけてますね。要はコードの響きが暗めの部分に対して、歌の音程が一気に上がっている明るいメロディラインを当てて対比を生むってやり方。本人は多分無意識にやってますけど、これめちゃくちゃ気持ちいいですよね。人生で初めて作った曲で対比生むな。


そして上記の通り、Bメロのコード進行はイントロのものと同じです。最高のメロディや。ここホンマに1番いけてるわ。書くことなし。good!!やっぱうちのヤマトは無敵やで!!

あとは・・・
あとは滅多に曲書かないとこだけ・・・
治してくれたら・・・


サビは

D#→F→Dm7→Gm7
D#→F→A#M7→A#7

非常にシンプルなサブドミナント始動の進行。この曲はビートもシンプルな上に、Bメロの方がボーカルメロディの最高音が高いので、こうしないとサビの爆発力が足りなくなります。こういう部分を意識するだけで楽曲としての「味の濃さ」みたいなものに大きな差が出ると思っていて、ヤマトさんはいつもこういう部分をかなり気にしてます。細かな楽曲のテンション管理がうまくいかないと、退屈な曲になったりよく分からない曲になると思うんです。人生で初めて作った曲で「味の濃さ」に大きな差を出すな。


間奏以降はキメが沢山あったりしますが、これ以降特筆すべき点はしばらくありません。次に展開が動くのは終盤、Cメロのコード進行です。

A#→D#→F→Cdim→Gm→Gm・maj7→Gm7
→C→D#→F→A#M7

Gmからの流れは、半音ずつ下がっていく、所謂クリシェってヤツですね。ドラマチック。人生で初めて作った曲でクリシェすな。


アウトロはイントロと同じ進行が続きますが、後半に短三度転調します(A#キーから、A#mキーへ)。思えばこれが、PKで初めて転調を使った瞬間でしたね。前身バンドであるトラッシュノイズ版には無かった展開です。

この転調、日が沈んで夜に差し掛かったような雰囲気がしませんか?視覚情報抜きで、音だけを使って時間の経過を演出するのって、かなり難しいんですよね。その解決策として、この曲では転調が選ばれました。特にこの転調先のキー、夜って感じがしますよね。僕はそう感じます。転調前よりもテンションを上げつつ、雰囲気は暗めに落としたいので、リードのアルペジオリフはそれまでよりローフレットに、一方でバッキングギターはハイフレットに移動してます。人生で初めて作った曲で日が沈んで夜に差し掛かるような雰囲気出すな。

楽曲内で時間経過を演出する手段として他に使われるものとしては、岡村靖幸さんの『あの娘ぼくがロングシュート決めたらどんな顔するんだろう』の1、2番のAメロのように「歌詞で演出する」やり方とか、松本梨香さんの『タイプ:ワイルド』の終盤のように「テンポを落とす」やり方とかがあるかなあ。もしこれらの方法以外で、時間経過の演出が上手い!って曲があったら教えてください。



【まとめ】
人生で初めて作った曲に趣向を凝らすな。


〜おわり〜

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