「プチ潔癖症」が毎日を乗り切る方法

相方は「プチ潔癖症」だ。「プチ」なので、いろいろ不愉快になりつつも、何とか生活に支障を来すことなく暮らせている。付き合わされている私は結構面倒だけどね。彼女が毎日を乗り切っている方法を書いてみる。


「清(きよ)」と「汚(お)」

相方の考えでは、我が家のお風呂に入った体は清らかで、一旦外出してしまうと体は汚れてしまう。その汚れた体で触ったものも、汚染されてしまう。この違いをうちでは「清(きよ)」「汚(お)」と読んでいる。相方は基本的に、不特定多数が触れる場所は「汚」だと感じるらしい。なので、家の外は全て「汚」なのだ。

相方は自分や私が汚したものには無頓着だ。テーブルの上の食べこぼしや、キッチンの作業台の汚れなんかは、しばらく放っておいてもいいらしい。私はそっちの方が気になるので、気付いたらすぐに拭く。その辺の清潔感覚の違いが、私には不思議である。


寝室は聖域

相方が一番守りたいのは「寝室」である。ベッド周辺が綺麗であれば、なんとか正気を保てる(大袈裟)。ここはどんなことがあっても「清」でなければならない。なので、酔っ払ってお風呂に入る間もなく寝たいとかいうときは、ベッドでは寝ない。客用布団をリビングに敷いて寝る。そっちは汚れてもいいらしい。お客様を泊める際には、私が前もって客用布団のカバー類を洗う。


除菌シートを大量消費

以前にちょこっと書いたが、我が家で不可欠な消耗品は「除菌シート」である。これがないと夜も日も明けない。これで何を拭くかと言えば、主には「汚」となった携帯電話、ipadなど。これらはベッドに持ち込まれることもあるので、その際には除菌シートにより清められる。ついでに、ベッド持ち込み前に置いておくテーブルも清める。そうすると台拭きでテーブルを拭くことがなくなってしまった。その他でも相方が必要と認めたものは、除菌シートによるお清めを受ける。


タオルケットと二つのスリッパ

寝る直前にお風呂に入ることは稀で、大抵は帰ってすぐに入浴を済ませる。そうすると、寝るまでの間過ごすリビングはどうするのか?という問題がある。そこでタオルケットが登場。お風呂に入ってから座る場所には、「清」のタオルケットを敷く。その上は聖域となる訳だ。

部屋を歩き回るとき、我が家ではスリッパを使用するが、これも「清」と「汚」の二つがある。お風呂に入ったら「清」のスリッパを使用し、そのまま寝室に移動。どっちもたまに洗って綺麗にする。


便座問題

お風呂に入っても入らなくても、絶対にお世話になるのが「トイレ」。その便座の清潔問題はどうするのか。相方の認識では「お尻は外出しても汚れない」らしい。まぁお尻は便座以外のどこにも触れないからね。では外出時にトイレを使用する時はどうするのか?

相方の職場は和式らしいので問題ない。私の職場は洋式。でもいちいち拭いたり、トイレットペーパー敷いたりは面倒だ。ここは相方が苦渋の妥協をして、「私の職場の女性(のお尻)は清潔」と言うことになっている。相方と職場の女性達は面識があるので、その辺りからの信頼感らしい。

その他の場所で利用する洋式トイレは、便座にトイレットペーパーを敷いて使用する。


外出時の対策

彼女の戦いは家の外でも繰り広げられる。まず車のハンドルは常に「清」でないといけないらしい。なので、愛車にも除菌シート常備。

それから彼女の職場でも。彼女のデスクの電話を誰か他の人が使用しようものなら、除菌シート多めで拭きまくり。本当は別の電話を使って欲しいのだが、それをなかなか言い出せないでいる内弁慶な相方。電話以外でも、デスクの上のものに触って欲しくないので、そういうことがあると帰ってから半泣きで私に訴えてくる。

一時期あまりにもそういう話ばかりされるので、「自分が席を立つ時は、デスクの上に布でもかぶせておけば?」と提案してみた。未だ実施された様子はないけど。その代わりに、この年末の大掃除を利用してキャビネット類の配置換えをし、自分の席の後ろにバリケードを作ったらしい。デスクの上云々ではなく、「もう誰も私に近づくな」だ。職場のS氏には「ベルリンの壁やな」と言われたとか。効果あるといいね。



相方の日々の戦いはこんな感じ。「プチ」なので、「電車のつり革に触ると死ぬ」とかまでは言わない。あんまり触りたくはないらしいが。全然潔癖じゃない私からすれば、「そんなことばっかり言ってたら生きていけんよ!」とか思う。一緒に住むようになって、毎日これに付き合っている私、結構偉い。

「清」と「汚」の問題には神経質だが、ものの片付けが本当に苦手な相方。家の整理整頓は専ら私の担当だ。相方も以前と比べると大分「出したら元の場所に戻す」をやってくれるようにはなった。こんな2人が互いに気になることをキーキー主張し合い、我が家の毎日は過ぎていく。

私の文章に少しでも「面白さ」「興味深さ」を感じていただけたら嬉しいです。