かつて「キムチ梅」がすきだった

かつて「キムチ梅」がすきだった。

正式な商品名が「キムチ梅」だったかは定かではない。
当時のわしがそのように呼んでいただけかもしれない。

"それ"は、
梅しばのような大きさのカリカリ梅で、
梅しばのように個装されており、
梅しばのように1個ずつ購入が可能だった。

梅しばより茶色?オレンジ?っぽい色合いで、
たしかにキムチっぽ〜い?味がするが、
決して辛くはない。

ただ、いまは"それ"を手に入れることはできない。
どうやらもうないっぽい。
この「かつてすきだった」ものは、
西暦が2000年になる前の話なのだ。

当時、エヴァンゲリオンのパイロットたちや、
セーラームーンたち、浦飯幽助なんかと同じ年頃だったわしは、
家で辛いものを出されたことがなかったため
(10年以上経った後に、実は両親が辛いものを
食べられなかったからだと知る)
キムチを食べたことがなかった。

しかし、周りの思春期真っ只中の友人たちは、
"自分が如何に辛いものを食べられるか"
でマウントをとりあっていた。

そんな辛いもの好きの友人が
キムチ梅がおいしいよ、と教えてくれたのだ。

覚えていないが、もしかしたら最初の一個は
その友人がくれたのかもしれない。

初めて食べたキムチ梅は、
キムチ食ったことねぇからこれがキムチ味なのかは知らねぇが、
なんかキムチっぺぇ味すんね?
そんな辛くねぇね?
キムチが辛くないウチ(当時の一人称)ってすごくね?
だった。

それからのわしは、学校の帰り道にあるサンクスで
10-30円?くらい?のキムチ梅を買い食いし、
辛いもの(キムチ梅のキムチ味)を食べられますよ!を手札に
辛いものしゅきしゅきマウント選手権にも出場できるようになった。
(あと、学校帰りにコンビニ寄って買い食いしてますよ?というマウントもとれた)

偉大だなぁ、キムチ梅。

おいしかったのに、もうないのなんでだろ。
梅しばをキムチの素に漬けたら似るかなぁ?やらないけれども。

とまぁ、
辛いものを食べられなくてもマイナスにならないけれども、
辛いものを食べられるとステータスが上がり技が増える、
という歪んだ認知をもった思春期だった。

たかがカリカリ梅一個で。

以上でございます。

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