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双極性障害Ⅰ型、Ⅱ型(躁うつ病)

【要約】
 双極性障害(躁うつ病)とは、活動的になる躁状態の時期と活動性がおちるうつ状態の時期を繰り返す、原因不明の脳病です。躁状態が重いものをⅠ型、軽いものをⅡ型と区別することもあります。昔は躁うつ病と呼ばれ、現在もそのように呼ばれることもあります。
 10代から20代に発症することが多いですが、発症直後は症状が軽く、病状が進行し、中高年になってから初めて精神科を受診される方も珍しくありません。躁状態は本人も無自覚なことが多く、性格の範囲と誤解されていることもあります。うつ病と誤診され、抗うつ剤を処方された時に、躁状態になってしまったり、落ち込んだ状態から急に活動的になることで自殺に及ぶことも珍しくありません。10代に抗うつ薬を処方することは注意が必要です。
 躁状態の期間は短く、うつ状態の期間のほうが長いです。躁鬱は交互に繰り返すものではなく、うつが連続して続くこともあります。
 薬物治療が有効で、気分安定薬や抗精神病薬などを用います。病状が落ち着いていても、再発予防のために飲み続けることが重要です。
 病気をなかなか自分ごととして理解できないのも双極性障害の特徴であり、治療の自己中断率も高いです。また自殺リスクも他の精神疾患よりも高いです。なので、薬を飲み続けること、通院を続けることの重要性を説明し続ける必要があります。

【参考】
 日本うつ病学会、双極性障害ガイドライン(2021/5/31)

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