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統合失調症

【要約】
 統合失調症とは幻覚(主に幻聴;男性の声「殺す」など)妄想(主に被害妄想:インターネットで悪口を言われている、など)に支配される陽性症状抑うつ気分、意欲低下といった陰性症状の2つの症状を行き来する、脳の病気です。ドパミン系の脳機能に障害が生じていることは確認されていますが、原因はまだ分かっていません。人口の1~2%の人が10代から20代で発症すると言われています。また中高年になって初めて、発症するタイプの人もいます(遅発パラフレニー)。
 治療では、ドパミン受容体をブロックする抗精神病薬が有効です。抗精神病薬は様々な種類がありますが、新しいものを非定型と呼び、非定型の中でもSAD、MARTA、DPAの三種に分類されます。パーキンソン症状、代謝障害、糖尿病、過鎮静などが副作用としてあります。副作用が出た場合は、他の薬に変更するか、副作用止めを追加して治療を続けます。電気けいれん療法(ECT)による治療もあります。
 幻覚妄想に支配されると、治療者や家族までもが敵に見えてしまい、薬を毒だと思い、外来治療が続けられないことが多くあります。そのため、入院治療になるケースが多いです。入院には措置入院(自傷他害の恐れがある人が対象の強制入院)、医療保護入院(家族もしくは市長の同意による強制入院)、任意入院(自発的な入院)があり、通常は医療保護入院での治療が多いです。というのも、診察室では家族の説得もあり、入院治療に同意したとしても、入院すると、妄想に支配され、退院を希望されることが多いからです。
 治療期間は長く、1年以上かかることも珍しくありません。再発を繰り返すことも多く、症状が落ち着いたあとも予防のために薬を飲み続けます。昔は早発性痴呆と呼ばれていたことからもわかるように、再発を繰り返すことで人格水準が低下するとも言われています。
 社会復帰が難しく、障害者枠で働く人や就労継続支援施設(A型、B型)で働いたり、自宅で引きこもり状態にならないようデイケアに通う方も多くいます。薬の自己管理が難しく、訪問看護を利用される方もいます。生活保護をとられる方も多くいます。
 

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