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うらかたり 第12話

こんにちは!
前回に引き続き、劇団森の藤本エイスケが担当します。
 
今日も3つの公演を紹介したいと思います。
 

劇団森2021年度新歓公演 
「金の切れ目が時間の切れ目」 
脚本・演出: 前田愛佳

 
この公演はこれまでの公演とは違い、中央に置いた定点のカメラのみを使用して撮影しました。演出の方と話し合い、公演の時間が比較的短いことや常に役者が舞台全体を動き回っていることから、中央の定点映像が一番お客さんに楽しんでもらえるという結論になりました。

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どらま館での公演だったのでカメラを舞台から離して置くことができず、広角カメラを使用し、映画のような横長の映像にしています。

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新歓公演ということで、この劇団に入ったら楽しそうと思ってもらえることを意識して、エンドロールも工夫して作りました。

https://youtu.be/KgbirSVPPoY
↑こちらは時が戻る個人的にお気に入りのシーンです。実際の照明はもっとバチバチにかっこよく見えたので、映像として悔しく思ったところでもあります。
 


劇団てあとろ50‘  2021年度新歓公演
「さよなら、また明日」
脚本: 黒い白クマ演出:奥山ちひろ

 

てあとろさんは身体表現がとても素晴らしく、演出にもそれが現れていたのでカット割が観劇の邪魔になると考え、こちらの公演も1つのカメラを置いて定点で撮影をしました。

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わちゃわちゃ楽しい公演で役者さんのパワーもあったので引きの映像でも楽しめる作品になっていると思います。

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ただ、最初のシーンと最後のシーンだけ舞台面にカメラを近づけて役者さんの演技がよく見えるように工夫をしました。
また、基本的には定点でという話だったのですが、通しで見たダンスがあまりにも素晴らしく、演出の方にお願いしてダンスだけ別撮りでPVの様な形で撮影させていただきました。

https://drive.google.com/file/d/12jVK46Waq45ys_MWIKpaX-HqRjPhCUQq/view?usp=sharing
↑こちらがその映像です。役者さんに何回も踊っていただき(その節はありがとうございました)、素晴らしい映像になりました。
 

7月24日 映像公開
虚仮華紙×劇団森企画公演 
『ササノハラ』(短編二本仕立て)
主宰:高場航大 
脚本/演出
『二人の無職』 谷 祐介/イロハス
 『夏の虫』 福家寿明/酒井まりあ 

 
https://youtu.be/E-dvnTsIuic
↑公演本編
 
 
※ここからはネタバレを含みます
 
こちらの公演は現在公開中の作品です。自分は役者もやりつつ、映像の撮影もしました。もともと映像で撮影されることが想定された公演だったのでカット割りを多めにして見やすい公演になるようにしました。

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まずは基本の3点撮り(中央、上、下からにカメラを設置する撮影)

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そして、中央のヨリカメラと上手にヨリカメラを設置しています。
引きの映像よりヨリの映像の方が役者の動きや表情がよく見えるので嬉しいという話を演出の方からいただいたので、この作品では特に多用しています。

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カメラに向かって役者が近づいたり、映像をアップにしてみたり、映像だからこそ撮影を一度止めて早着替えをしたりと、映像であることを活かした演出も多くありました。
自分が出演しているため少し贔屓目に見ているかもしれませんが、映像演劇としてとても面白い作品になったのでぜひ見てみてください。
 

これまで撮影してきた6つの公演の紹介をしました。皆さんここまでいかがだったでしょうか?どの公演もそれぞれ撮り方がバラバラで、照明や音響のように作品に適した正解を探すのが映像の仕事だと改めて思いました。


最後に僕の気持ちを書いて終わりにします。僕は映像という仕事が嫌いです。なぜなら、時間と空間を共有して観客の目の前で行われる独特の緊張感を持った演劇という芸術が好きだからです。
ありがたいことに映像の仕事のオファーはいまだにいただきますが、早くこのオファーがこなくなって欲しいと思っています。早く観客の前で演劇がしたいです。

ですが、嫌いなのと同じくらい映像という仕事が好きです。生で演劇ができなくてもそれでも伝えたい物語があって、目の前にお客さんがいなくても演じることが楽しくて、人数制限など様々な制約がある中でもプロフェッショナルにスタッフをやり遂げる、そんな演劇を諦めずに戦う方々と作品を作り上げることができるからです。これから先、映像という仕事がどれだけ必要とされるかは分かりませんが、これからも演劇に吹く逆風に抗って戦い続ける人を助けることができたらと思います。

以上、劇団森3年代、藤本エイスケでした。

藤本エイスケ
劇団森3年代
劇団森と映画サークルに所属し、演劇や映像など多岐にわたって活動している。


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