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3/2 【研究会】ロシア語映画の会 どらま館編 (作品:キーラ・ムラートヴァ『一石二鳥』Два в одном)

「おいでよ どらま館」について

どらま館では2024年2月末~3月頭に「おいでよ、どらま館」と題して、さまざまなワークショップや上映会をまとめて開催します。どらま館noteではその各企画の詳細について紹介しています。「おいでよ、どらま館」全体については以下のHPをご確認ください。


企画概要

古今東西のさまざまなロシア語映画の魅力を発見する「ロシア語映画の会」、満を持してどらま館で開催します。今回は日本で未公開のキーラ・ムラートヴァ『一石二鳥』Два в одном(2007)を、トークショーつきで扱います。どなたでもご来場ください。

担当

衛藤萌子(えとう もえこ)
立教大学文学部文学科文芸・思想専修卒業。現在早稲田大学文学研究科ロシア語ロシア文化コース修士課程一年。ウクライナの女性監督キーラ・ムラートヴァおよび、ロシア語の映画、映画理論、広く現代の哲学・思想を研究している。

日時

3月2日(土) 18:00〜21:30

※18:00~ 映画上映
 上映終了~21:00 トーク(衛藤萌子)

会場

早稲田小劇場どらま館 2F劇場

定員

30名程度

予約


もっと詳しく

 ロシア語映画の会は、ロシア語の映画を研究する院生によって2023年に発足した、ロシア語映画の魅力を発見・発信するための会です。日本であまり知られていないロシア語圏の映画を、ロシア語学習者非学習者問わず、多くの人といっしょに観る場を作ることを目指しています。
 今回は、ウクライナの映画監督キーラ・ムラートヴァの『一石二鳥』Два в одном(2007)を扱います。ムラートヴァは、日本では『長い見送り』(1972)、『無気力シンドローム』(1989)など、ソヴィエト時代の映画作家として認識されていますが、彼女はソ連崩壊後、21世紀にいたるまで、ウクライナでロシア語の映画を撮りつづけ、つねにそれぞれの作品において新しい映画の方法を提示しました。今回は2007年の同作を観て、まだ語られていない新しいムラートヴァの魅力に迫ることを目指します。英語字幕付き、作品鑑賞後、ムラートヴァを研究している主催・衛藤(早大露文院)による、解説を含んだトークも予定しています。
 もちろん学内外問わず、どなたでもご参加いただけます。3月2日(土)18時から、みなさまとお会いできるのを楽しみにしております!

キーラ・ムラートヴァについて

 ソ連・ウクライナの女性映画監督。1934年ルーマニア出身。全ソ国立映画大学卒業後から、オデッサの映画スタジオで映画を製作する。二本目の長編『長い見送り』(1972)で、ソ連当局から八年の公開禁止処分を受けるが、ペレストロイカ後およびソ連崩壊後もウクライナの製作会社でロシア語の映画を発表しつづけた。『無気力シンドローム』(1989)でベルリン国際映画祭銀熊賞受賞。不条理な状況において特異な言動をする人々を平板に描く、独特の作風で知られている。2012年に『永劫回帰』の公開で映画監督を引退し、2018年に逝去した。

『一石二鳥』Два в одном(2007)について

 二部構成。第一部では、舞台に吊るされた俳優の死体が、舞台係の男によって発見される。俳優の代わりに道化の役を務める人は見つからず、警察が到着するまで死体は撤去されない。そのままリハーサルが始まり、舞台係の男は因縁の相手をハンマーで殺す。客席に人が集まり、幕が上がり、本番が始まると、第二部に移行する。第二部では、雪が降る大晦日の夜、金持ちの男が、自身の娘マーシャを裸婦画の前に裸で立たせ、女友達を紹介しなければ暴力を振るうと脅している。マーシャは路面電車の運転手アリスを父の家に招き、三人で年越しをする。二人は風呂場で男を湯船に沈め、人々が乱痴気騒ぎをしている新年のオデッサの階段まで逃げる。

(企画:衛藤萌子 協力:林ゆかり、平田拓海)

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