うらかたり 第10話
裏方が語る舞台の裏側の物語『うらかたり』と題して、どらま館制作部技術班の渡部と中西が、制作部週間内で毎日更新するnote記事企画。
第10話は渡部が担当します。
前回の制作部週間の際はこれまで私が関わった現場について紹介しましたが、今回は「照明を知ること」についてお話したいと思います。(前回の記事はこちらから)
照明はどこにあるの
舞台はもちろん、映画、テレビ番組、ジャケ写など…。これらを見るとき、照明を意識することなんて普通はないですよね。
でも、ちょっとだけ照明のことを知ると、綿密に計算されたライティングが施されているのがわかって、作品がより立体的に見えてくるんです。
わかりやすく舞台を例に出してみましょう。
舞台において、演者の方の姿が見えるというのは当たり前のことですよね。この「見える」を当たり前にしているのは、紛れもなく照明です。
劇場をぐるっと見渡してみると、沢山の灯体が設置されているのがわかるでしょう。どの灯体が舞台のどこを照らし、私たちに見えるようにしてくれているのか。私たちにどのように見せようとしているのか。そんなことがわかってくると、劇場という空間全体を楽しめるような気がしてきませんか?
写真にも照明が必要
少しわかりにくいところではジャケ写ですね。先日、あるアーティストのCDを買ったんですが、衣装が黄色基調でなんとも輝かしかったんですね。ここに正面から白い光を当てると、写真にした時に白飛びしたり、のぺっとした印象になるのが、なんとなく想像つくでしょうか。
それを防いでいたのが、両サイドからの照明でした。右側から水色、左側から桃色や黄色の光を当てることで、左右で違った色の影ができますよね。それによって、被写体の輝かしさを残しながらも、立体感を出すことに成功していました。写真においても、照明というのはかなり重要な役割を担っているんですね。
照明を「知る」こと
ここまで照明についてお話してみましたが、照明に限らず、作品をつくる要素について「知る」ことは、その作品の制作過程を想起させます。そして、より奥行きをもったものとして見ることができるようになるという面白さがあると、私は思います。
そこで、今回の制作部週間では、皆様にスタッフワークについて「知って」ほしいということで、渡部と中西が早稲田演劇においてスタッフワークに携わる方々に記事の執筆をお願いしました。
次回から2話にわたって担当してくださるのは、劇団森の藤本エイスケさんです。
藤本さんは、脚本演出・舞台監督・演者などさまざまな立場で活動していますが、その他に映像撮影・編集の技術をお持ちでした。
コロナ禍で映像配信による上演を余儀なくされた早稲田演劇。そのなかで、藤本さんの映像技術は頼みの綱でした。
私自身も藤本さんと映像演劇を作ったことがあるのですが、演者の方はもちろん、全てのスタッフワークを活かした映像を作ろうと奮闘してくださる姿勢が印象的でした。
藤本さんは映像、そして演劇にどのように向き合ってきたのか、皆様に知っていただきたいと思い、声を掛けさせて頂きました。
ぜひ、次回からの記事にもご期待ください!
以上、どらま館制作部 技術班の渡部でした!
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