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うらかたり 第11話

初めまして!こんにちは!
劇団森3年代の藤本エイスケです。
普段は脚本、演出、役者、舞台監督と色んな活動しています。
今回は僕が行っている“映像”というお仕事について皆さんにお話ししたいと思います。

映像という仕事はコロナ禍の対面で演劇ができないことで生まれたセクションです。
もともと映画やMVを撮るのが好きだったので依頼をたくさんいただきました。
僕が映像の仕事をするときに心がけていることは初めから撮り方を決めないことです。

いつもフラットな気持ちで通しを見て演出の方と話し合いながらどのように撮るのがこの作品にとってベストなのかを考えるようにしています。
通しを見終わったあとは演出の方に「あなたはどこまでが演劇だと思いますか?」という質問をします。それは演劇が観客は同じ場所から座ってみるという前提をもった作品だからです。演劇を映像化するときにドラマや映画のようにカット割りをするのか、しないのか、これはとても大切なことです。ただ、定点で撮影された演劇の映像を見続けるのは観客にとっては苦痛に感じる人もいます。演出の意見を取り入れつつ、観客の見やすさも考慮して撮り方を決めていきます。それでは具体的に僕が撮影した公演を見ていきましょう。

 
まず1つ目は

2021年1月 映像公開
舞台美術研究会秋季研究会公演
「まちぼうけ」
主宰:犬飼朋花 
脚本:須藤瑠誠 演出:イロハス
 

自分が初めて映像のお仕事をいただいた公演です。カット割りをたくさんするドラマに近いような撮影方法で個人的にはこの公演の撮影が1番大変でした。具体的にはセットの中にカメラを5つとセットの外にカメラを3つ、そして僕が持つカメラと合わせて10個のカメラを使用して撮影をしました。

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このように奥行きがあるセットだったので、カメラをブレないようにするスタビライザーという機材を使いながらセットの中に入って行き、役者の演技を撮影したのが楽しかったです。ただ、僕がセットの中に入ると影が入ってしまう問題や種類が違うカメラを使うことによる照明の明るさの問題(この件では渡部真子さんにとてもお世話になりました)、カメラの位置と映像を全て把握して緻密にカット割りをしなくてならないことなどに頭を抱えながら撮影したのを覚えています。

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https://twitter.com/bbk73_akiken/status/1346784237127495680?s=21
↑最初の1分程度の動画ですがこちらから少し映像が見れます
 


2020年12月24日 - 12月27日
劇団木霊2020年新人公演
「真空のジェンガ」
作・演出 : 鏡原すず

 

個人的に大好きな劇団木霊さんからのオファーをいただき、意気込んで映像撮影をしました。こちらの公演は生配信と映像配信を両立しており、映像配信の担当だった僕は生配信の映像と別撮りの映像を組み合わせて映像を作りました。

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生配信中は3台の固定カメラを使って中央、上、下からの映像を撮影し、(これからこの撮り方を3点撮りと表記します)別撮りの時にはスタビライザーを使って撮影をしました。

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スタビライザーの映像は観客の心を掴みたいシーンに使おうという話し合いを演出の方と行い、オープニングや身体表現のシーンを撮影しました。映像でも観劇という体験をしてもらうにはどうすればいいのかを考えて、少し形にすることができた公演です。

https://youtu.be/Jylv2Y78mzs
↑スタビライザーで撮った別撮りの部分を抜粋した映像です
 
 
 
 
2021年4月 映像公開
劇団森2020年度本公演
「霖」
脚本・演出:金岡大樹
 

本公演は劇団森にとってお祭りのようなものなので遊び心を持って撮影することを心がけました。
 

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和歌を詠むシーンや歌を歌うシーンに字幕をつけました。

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カメラを吊って撮影をしました。

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役者にカメラをつけるという挑戦的なこともやりました。
 
https://youtu.be/6rUwMFIbwfs
↑そして、こちらのURLはダンスの後の爆発のシーンでカメラを振動させるお気に入りカットです
通しを見ることができずギリギリの撮影となりましたが、3点撮りを基本としつつ他の撮影方法でたくさん遊べたので個人的には満足の公演でした。ただ、その分編集が大変で毎日夜な夜な友達や先輩と電話をしながら編集をしました。
 
いかがだったでしょうか!?今回はここまでです
明日も僕が担当します

藤本エイスケ
劇団森3年代
劇団森と映画サークルに所属し、演劇や映像など多岐にわたって活動している。


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