【復刻】キム・ハナ事件の記録
これは2008年から09年にかけての10ヶ月間、韓国ソウルの大学に留学していたときの話である。この記事は、ここに登場する「キム・ハナ」(おそらく女性)に苦しめられ、その愚痴を綴っていたmixiの日記から転載したものである。
当時、私のmixi日記を読んでいた人には「有名な」話であるため、ここに残しておこうと思う。
2008年10月27日
ついこの前のことです。
オートマチックに電源が落ちるという、後進ケイタイとおさらばし、マイミクさんにいただいた中古の携帯へと乗り換え、契約をしなおして新しい番号をもらったわけです。
こちらの携帯は、手にもって階段を下りても電源が落ちない。素敵な携帯です。
さっそくメールが入りました。
「10月25日は、お客様の分割金支払いの納金日です。
○○法務社事務所より」
「○○キャピタル 100~3000万ウォン、5分で承認、遅滞者可能、信用照会なし」
「1年定期利子8%。新規申請6%。全国どこでも、誰でも、1時間以内に入金します」
・・・・・・・・。
お金、借りちゃおうかな・・・・。
って!
なんですか、分割金ってなんですか。
私、確かに買い物の時にカードは使いますけど、分割しないといけないようなものを買った覚えはないし、ってか携帯番号変えたばっかり!
そして先日。
上記の法務社事務所とかいうところから電話がかかってきまして。
「キム・ハナさんですか?」
「・・・・はぃ?」
「キム・ハナさんですよね?」
「違いますけど・・・」
「・・・いつ電話番号変えました?」
「先週です」
みたいなやり取りがありましてね。
どうもね、この番号を使っていた人がね。
信用不良者、日本語で言うと「多重債務者」っていうんですかね、お金借りたり、カードで買い物して分割金払わなかったりしたあげくに、電話番号変えたようです。
そしてその番号が私に。・・・超・迷惑!
名前からしてこのキム・ハナさんも私と同じく女性のようですが、私、なにぶん外国人ですからね。それが発音からわかったのかはわかりませんが、とりあえず電話の相手は理解してくれたわけです。
ただ、怒涛のように押し寄せる「お金借りませんか」メールは相変わらずでして。
「メールだ♪」
と、お酒を飲む期待に胸を膨らまして携帯をみて、ガッカリですよ。
まぁそれでも「私、カードでなんか買ったっけっ!?」という恐怖から解放されただけでもいいんでしょうけれども。
金は借りてないけど、
借金取りに追われるという経験。
・・・正直、びみょーです。
2008年11月13日
住所変更の届けのため、加入した携帯ショップに行ってきました。
ついでに「前の人宛の電話が多すぎるんだけど」と言ってみたんですが。
解決方法は番号を変えることか、あるいは電話の相手に持ち主が変わったことを話すしか・・・といわれ。相手がどれだけいるんだよ、と。しかしまぁ、この前変えたばかりでまた番号が変わるのはウザすぎるので、とりあえず静観することにしました。
2008年11月15日
昨日は学校に行ってきまして。
久しぶりに授業など聞いてみたのですが、その教室の学生の国籍は 「インド」「中国」「モンゴル」「日本」「韓国」 と超多国籍。
先生のほうも、「これ通じてるのか?」と思いながら話しているらしく、途中で言葉を言い換えたり、やたらと英語を使ったりしている。
・・・多国籍な授業ってのもちょっと微妙である。
授業後、その先生と韓国人学生の一人と私は、出身大学院が一緒なので3時という中途半端な時間にもかかわらずご飯を食べにでかける。近くの日本式ラーメン屋さんでとんこつラーメンをすする。ちょっと脂っこい。
そうこうしていると、携帯にメールが来た。
「都市ガスです。
3か月分のガス費が未納になっています。
支払をお願いします」
韓国の携帯メールは、電話番号で届くショートメール式。
そういえばガスの工事にきてもらったとき、代表者として(注:この時私は3人のルームメイトと暮らしていました)私の電話番号を教えたのだった。
それにしても、今月引っ越したばかりなのに3か月分未納とは?
とりあえず電話してみた。
「ちょっと調べてみます」
とのこと。
そして、後ほど電話がかかってきた。
「えーと。 キム・ハナさんじゃないですか?」
ま た お 前 か !!!!!
借金に、ガス費滞納。
キム・ハナとはどんな人物なのか、むしろ興味がわいてきた。
2008年11月19日
新しいキムハナ情報が入ってまいりました。
今日の昼ごろですね、またメールが入りましてね。
「キムハナ様
罰金200万ウォン(今のレートだと16万円くらい)を、 納付日までに入金してください。
(ソウルの地名)地検」
またお金の催促か・・・とよく見たら。
差出人、地検ですよ、地・検!!
地検から罰金催促されるってーのはなんですか?駐車違反とかですか?
私、よく知らないので200万ウォン近くも払わないといけない罰金が、何をしたものなのか分からないのですが。
得体の知れない金貸し業者ならまだしも、地検とは・・・だんだん怪しい香りがしてまいりました。
2008年11月25日
指名手配されました。
いや、失礼。
まだです。
指名手配予定です。
私じゃないですよ・・・・?
キムハナさんが。
「キム・ハナ様は現在、罰金200万ウォン未納。 指名手配予定。即時納付してください。
○○地検」
この人はどこまでいくのか。
楽しみです。
2008年12月03日
ついにきました。
脅迫メール。
ではなく。
「キム・ハナ様
罰金200万ウォン未納、 刑執行状発布、警察官が会社、居住地訪問します
○○地検」
ま、ある意味脅迫ですが。
しかし、メールは本来届くべき人のところに届いてませんよー!
しかも、(元の)居住地に住んでいるかどうかもわかりませんよー!
検察、頑張ってー!
キムハナさんは逃げてー!
そこらのミステリとはまた違う、ある意味本格的なスリルです。
手に汗握る冒険です。今後も成り行きを見守りたいと思います。
とはいえ。
私もね、一度は「さすがに地検からのメールだし、放置するのも悪いかな・・・」と思って、送り先の電話番号に電話かけたんですよ。この前。
そしたら、「明るい地検~♪」みたいな陽気な音楽が流れるだけで、誰も取らなかったんだ!
だいたい、間違えられてずっとメールを送りつけられている私がわざわざ電話代かけてまで電話する義理はないんだ!
と。いうことで。
一度は試みたんだし、もう2度とこちらからは連絡しない。そして今後(があれば)の地検とキムハナさんの戦いを見守ることにします。
2008年12月20日
電話番号を換えて二か月。
未だによく前の持ち主宛ての電話がかかってくる。
そう。
キム・ハナ氏である。
地検から罰金200万ウォンの請求、そして指名手配予告、逮捕状請求が行われたということが携帯のメールによってこれまで生放送されてきた。そろそろ次の動きがあるかと期待していたのである。
ついでに、電話がかかってきたら
「罰金?なんのことですか?」
とすっとぼけ、あわよくばキム・ハナ氏の犯した罪状まで聞きだそうと張り切っていたのだが・・・。
例の泥酔騒ぎの翌日である。
朝、6時頃の後輩からのメールで目が覚め、何度かメールのやり取りをしたあと私はまた眠りに入っていた。かすかに頭が痛い。
そんな中、携帯が鳴った。
眼をつぶったまま電話を取る。
男「○○執行措置により、○○しに来ました」
(寝ぼけていて聞きとれていません)
私「・・・はい?」
男「ですから地検の・・・」
寝ぼけている上に、頭が痛い私は、すっとぼけて相手からいろんなことを聞きだすなんてことをすっかり忘れ、
私「キムハナさんでしょ?キムハナさんって人に何度も何度も電話がかかってくるんですけどね!私はキムハナじゃないんですよ!」
といきなりブチ切れてしまった。
ちょっとビビった相手は、そのあと「いつ番号を変えたのか」などを聞いて電話を切った。
電話を切ったあと思った。しまった。何も聞きだせなかった。
ちなみに今日も地検と思われる番号から電話がかかってきた。
前回、電話の相手を確認もせず話しだして私がキレたことを知ってか知らずか(とはいえ、ほとんどの電話は相手の確認などしてこない)、
「キムハナさんではないですか?」
というところから切り出された。
さすがにそう確認されたら、こちらもとぼけるわけにはいかない。
違う、と答えると
「ではキムハナさん知ってますか?」
ええ、ええ、そりゃーもちろんあちこちからお金を借りまくり、それなのにテレビショッピングをし(その請求メールもこちらにきた)、ヤバそうな男性から「おい、いつ金返すんだ」と電話がかかってき、そのうえ地検から罰金を払えと言われるような女性・・・だということをよーーーくしってますよ。
本人知らないですけどね。
一瞬でそんなことを思い巡らし、私は不機嫌な声で。
「知るわけないでしょう」
と答えたのだった。
普通は前に同じ番号を使っていた人のことなんて知るわけない。今の私のように、その人の名前どころかその人がどんな生活をしてるかまで垣間見てる(それも強制的に)のが異常な事態なのだ。
そんなわけで。
地検を通じたキムハナ情報追跡に失敗した。
だが、つい先日やはりメールで。
「おい、キムハナ。金はいつ返すつもりだ?
返さないつもりなのか?
それならどうしたいのか教えろ」
という、不穏な空気漂うメールが届いた。
こちらからもなにか動きがあれば、何か追跡できるかも知れない。
今後のキムハナ情報をお見逃しなく・・・(ぇ
2009年01月29日
日記で何度も言及している、私の携帯番号の前の持ち主、キムハナさん。
私が日本に帰ってきたあとにも、
「おい、なんで電話に出ないんだよ。
このまま逃げていても状況はどんどん悪くなるだけだぞ」
なんていう切羽詰まった脅迫?メールが届いていました。
さらには「罰金200万ウォン未納」・・・・
って、おいこら私はキムハナじゃないってすでに言っただろ!電話番号削除しとけよ!と思わず言っちゃうような地検からのメール。
「えっ、キムハナじゃないのっ?」
という女友達らしき人からの電話。
いろいろありました。
本当に、まだまだいろんなメールや電話がきます。
そして今日。
「おい、キムハナだろ」
と、突然どすを聞かせてきた男性からの電話。
もうね、この瞬間から私の機嫌と声は急降下。
「・・・私、キムハナじゃないんですけど」
と最初から超否定。
男「え?キムハナじゃない?じゃー誰?」
私「なんでそんなことまで言わないといけないんですか?」
男「いや、キムハナじゃないっていうから。誰よ?」
私「だからそんなこという必要はないでしょう。じゃああなた誰なんですか」
男「安社長だけど。で、そっちは誰」
私「・・・私、外国人なんで。とにかくキムハナじゃないです」
男「外国人ー?なんで外国人がそんなに韓国語話すんだよ」
私「そりゃ韓国に住んでますから」
なんかもー会話弾んじゃってます。
男「え、いや外国人って・・・在米韓国人?」
私「いや・・・日本人ですけど」
男「日本人?日本人がなんでそんな韓国語話せるんだよ」
私「いや、だから、私韓国に住んでますから」
男、近くにいる男と「外国人だってさ。むっちゃ韓国語話してるけど」などと会話。
男「じゃーどこに住んでるの」
私「いや、だからなんでそんなこと言わないといけないんですか」
男「いや、だって君、声可愛いから」
なんですとーーーーΣ(゚д゚lll)
精一杯不機嫌な声を出していた私ですが、ここで不覚にもふきだしたッ!
私「いや・・・・あの・・・・と、とりあえず私、キムハナじゃないんで」
男「わかった。じゃーまた電話するわ」
私「はい・・・・
いや、もう電話しないでくださいよ!」
男「じゃ、また電話するし」(ブツッ)
_| ̄|○ 誰なんですか。
声と、背後から聞こえてくる男たちの声を聞くと、明らかに堅気ではなさそうな雰囲気なのだが、あまりの会話内容に最後にはちょっと笑いまで出てしまう始末。得体のしれない男(しかもヤバそう)に個人的に電話されるなんていやだわーーーー!!
くそぅ、私の平穏な生活を返せぇぇぇぇぇぇ!!
2009年02月02日
キムハナ宛てに電話をしてきた安社長。
「また電話するし」
といって電話してきて以降、本気で毎日毎日電話をよこす。
一度も取ってないけど。
一日2回、多くて3回。
一度など、夜中の3時に電話がかかってきた。
・・・借金取り(かどうかはわかんないけど)のしつこさを目の当たりにした気分である。
2009年03月26日(おまけ)
携帯にメールが来ました。
「むすこ♡♡英語、がんばってる??一生懸命やって、家に早く帰っておいでん。楽しいプレゼントあるよ。ファイトよ、むすこ??」
わたし、自分は娘だ、娘だと思っていたのですが、 20代も後半になって、実は息子だったという衝撃の事実。
・・・いやいやいや、
あ な た 誰 よーーーーー!?
しかもね、このメールのニュアンスね、ちょっと気持ち悪いの。
韓国のドラマとかを見たことがある人は、聞いたことあるかもしれないのですが、良家の家庭でね、お金持ちの母親が美形の息子を呼ぶ時にね、
「私の息子」みたいな意味の韓国語で
アドォーーール
って呼びかけることがあるんですけどね、
「息子」って単語の発音は「アドゥル」なんですよ。
それをね、「アドォル」っていう発音にするとね、なんというかちょっと媚びたようなニュアンスになるんですけどね、このメールの文章は全体的にそういうカンジ。
たぶんね、良家のお母さんがね、息子を英語の塾とかに通わせててね、
「むーすこ♡がんばってるぅ?」
みたいな携帯メール送ってるんですぜ。
超お金持ちなカンジでね。
ペッ!
カーーーペッ!!
わたしの携帯にくるメールは、
金の取り立てと金貸しのお誘いと、過保護の金持ちだけか!
なんだか、心が殺伐としてきました・・・・。
2009年03月28日
水難だとか火難とかいう言葉ありますけれども。
そろそろ携帯難とかいう言葉を作ってもいいと思うんです。
・・・なんかこの言葉だけ聞くと、思っているのとは違う意味になりそうなんですけどもね。
私の携帯難は今回韓国にきて1ヶ月ほどで、新しい携帯会社と契約し新しい番号になったことから始まりました。
この番号を使っていた人間が、たぶん携帯を解約してすぐに私に同じ番号が回ってき、しかもその人間があちこちにお金を借りている多重債務者だった・・・ということは、これまでも何度もお話してきました。
おかげで、ガラの悪い取り立てやら、「以前にも使っていただけましたけど、現在お金のご入用は・・・」といった電話が今もかかってきたり、地検から「罰金を払え」とメールが来たり、それはもうさまざまな経験をいたしましたよ。ええ。
おかげで、韓国語でキレたりするという貴重な経験もできましたけれどもね。
そして今日。
・・・まぁ、大きなくくりでいえば自業自得なんですけれども。
夜、福岡人の集りがあったんですよ。
すこーし時間に余裕を持たせ、家を出ましてね。バスに乗り、それから降りて、次のバスの停留所(ちょっと離れているのです)までテクテク歩き、さて、次のバスに乗るか・・・とポケットを探ったのです。
日本にも交通機関の料金を払うときにカードで払えるところがあるように、ソウルの交通機関はバス・地下鉄、そして一部のタクシーは、すべて同じカードで支払うことができます。そのカードのサイズもまちまちでして、私は小さいストラップタイプのカードを携帯につけていたのでした。
ポッケを探り、鞄を探り、またポッケを探り・・・・
ない。
ないですよ。
そういえば横断歩道を渡ったとき、ちょっと走ったんですが、その時になんか・・・落ちたー・・・ような気がしなくもなかった。あそこかーーーー!!
思い当たる場所は、バスを降りたあたりの場所。
またテクテクテクテク戻る。戻ってあちこち見渡すも、ない。ないのだ。
運良く公衆電話を見つけ、自分の携帯に電話。
すると、おじさんが出てきましてね。どうも聞くところによると、すっごく遠くにいるわけではないようです。ご飯を食べているのだとか。
「税務署あるでしょ、税務署の近くのね、マグロ屋だから!」
でもわかりません _| ̄|○
だいたいね、うちの家はマンション群なんですよ。大きな道路に出るためには、そのためのバスに乗らないといけないんですよ。で、それからもっと賑やかな場所に移動してしまいますからね、近くに何があるのかはよくわからないし、税務署なんてね、行く機会もないですからね。
仕方なく、道路わきの地図を見ながら歩きだすものの、
「税務署どこですか」
って聞いてもね、
聞く人聞く人違うところを指すからね。
なに、そんなに税務署あちこちにありますか、みたいなね。
しかも、「マグロ屋」ですよ。
「いやー、税務署もわかんないしマグロ屋もわかんないから、もう少しわかりやすい目印ないですか」
と、言ってみたのですが、他には何もないようで。
「近くまで来たらまた電話してくれたらいいから」
って、携帯ないからできんのじゃーーーーー!
探してみると、意外と・・・というか、案の定公衆電話っていうのはなかなかないものですからね。小銭もほとんどありません。
今日のソウルは2度くらいですよ。
その中を、てくてくてくてく。てくてくてくてく。
家を出てから1時間くらい、私は家からさほど離れてもいないところであちこち歩き回っていたわけです。
「マグロ屋」を目指して。
しかしね、マグロをウリにしてる刺身屋なんてね、ソウルのあちこちにありますよ。それこそあちこちにありますよ。
「あのーマグロの刺身屋ってどこかありますか?」
と、道行く人に尋ねるも、みんなキョトーンですよ。
そりゃそうだ。そりゃそうだよ。
しょうがないのでね、もう少しわかりやすい場所を二度目の電話で聞きだし、店の外にまででてきてもらうことにしたのです。そしてやっと・・・やっと出会えた、私の携帯よ!
と。思ったんですけれども。
外まで出てきてくれたおじさんね、携帯持ってないの。
「さぁさぁ、店に入りなさい。」
「は、はい・・・」
「さぁさぁ、座りなさい」
「え、えーと、はい」
「さぁさぁ、お酒はどうだい?」
いやいやいやいや。
そのおじさんと、社長だとかいうおじさんにはさまれて座り、仕方ないので少しお話し、刺身や酒を勧められるのを断り、やっとのことで携帯が戻ってきたのでした。
それからタクシーに乗って集りに駆け付けたのですが、寒い中必死で歩き回ったせいか、なんつぅーかこぉ脱力感がずーっとありましてね。
「元気ないね」って言われましたけど、もぅほんと
この携帯イヤだわ。
お客様の中でどなたか祈祷師の方はいらっしゃいませんかー!
2009年04月07日
伊坂さんの「グラスホッパー」を読んでたんですけどね。
交通事故死やら、拷問やら、自殺やら、もうえぐいんです。
特に自殺をさせる専門の殺し屋(といっていいのか?)がいるんですが、家族に危険が及ぶというようなニュアンスのことをいうんですね。すると、対象者はちょっと諦めちゃうんです。
拷問の場合もそう。
まずは子供を殺して妻を殺し、さんざん後悔させたあとで拷問を・・・とかえぐいいいいいいいいいいいいいい!!!
そんな小説を夢中で読んでる時にですね、メール来ましたよ。
「天気もそろそろよくなってきたし
住所を確認して探し出してやるから
後悔しなくていいように
会う前に連絡してこいよ、楽に」
Σ(゚д゚lll)ひぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ
無残に切り裂かれる羊たち・・・
手足がねじ曲がってしまったカエル・・・
(注:羊とカエルはこの時私が大切にしていたぬいぐるみたち)
そんな光景が脳内に浮かびましたよ。
なんて残酷な。
許せない。
私は震える手で返信しましたよ。
「誰ですか?」
すると、しばらくしてまたメールが来ました。
「ハナじゃないんですか?」
またお前じゃあああああああああああああああああああああ!!!
そういえば、前も同じような口調(といっていいのか)のメールが来たことがありましたね。そのときは確か、放置しておいたのでした。
私はそっと、
「違います」
と一言だけ返信しておいたのでした。
さようならハナさん。
私と違う世界で、頑張って生きててください。
※ ※ ※
ここでキム・ハナに関する日記は終わっている。キム・ハナがどうなったのか、もちろん私は知らない。
しかし、彼女は今日もしぶとくソウルのどこかで金を踏み倒しながら生きている、と信じている。
これは携帯ごときに振り回されたかわいそうな私の供養のための記事である。
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