私の好きな「すみだ」スポット(前編)

現在は生粋の千葉県人になりつつありますが、私が愛する墨田区の観光スポットベスト10について、熱い想いを書き綴ります。

1. 隅田川  Sumida-gawa (river)

すみだといえば、隅田川を抜きには語れません。
小学校4年生から高校2年生まで、私は姉と妹と共に八千代少年少女合唱団に所属していました。「春のうららの隅田川♪」で有名な唱歌「花」は、数えきれないほど歌ってきました。春の「墨堤さくらまつり」、そして夏の「隅田川花火大会」は毎年楽しみにしている行事です。

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墨堤の桜は、8代将軍吉宗が100本の桜を墨堤に植えて人寄せを行ったことで、地面が固められて天然の堤防の役割を果たすようになり、水害の減災に繋がったといわれています。全国の桜が川沿いに多く植えられているのは、こうした理由にも起因していることは興味深いです。

また、隅田川の花火は江戸時代の享保の大飢餓(1732年)で多くの餓死者が出て疫病が流行し、国勢に多大な被害と影響を与えたことから、8代将軍吉宗が犠牲となった人々の慰霊と悪病退散を祈って隅田川で水神祭を行い、両国橋周辺で花火を上げたことが由来となっています。


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東京スカイツリーの建設によって、江戸時代の絵師たちがこぞって描いた、隅田川と花火の風景に象徴される、水平線と垂直線が織り成す都市景観の構図が再び蘇りました。

2. 東京スカイツリー  Tokyo Skytree

日本人にとってなじみ深い「武蔵(むさし)」= 634mという世界一の高さを誇る自立式電波塔。足元の正三角形から頂点へ向かって円形へと変化します。そこには、日本刀の持つ凛とした「そり」と、寺院建築の列柱が持つゆるやかな「むくり」を持つシルエットが生まれ、見る角度によって違った美しさを楽しむことが出来ます。

敗戦からわずか15年足らずの 1958年に建った東京タワーは、戦後復興の象徴になりました。その東京タワーに代わるスカイツリーは、建設途中で東日本大震災に見舞われたものの、大きなトラブルは何一つ起こらず、直後の2011年3月18日に完成時の高さの634mへ到達しました。施工中に地震に遭った場合にも備え、施工段階ごとに揺れ方をシミュレーションして、徹底した地震対策が取られていたことは、世界一の耐震技術と災害への備えを象徴した建物であり、スカイツリーを見上げるたびに、守られているような気分になります。雨天時のみ運行される構造ツアーでは、最先端の耐震技術に身をもって触れることが出来ます。

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3. 本所防災館  Honjo Life Safety Learning Center

押上(スカイツリー前)駅から徒歩10分程の距離にある本所防災館は、‟楽しみながら学べる、身につく防災体験施設“ で、無料開放されています。自由見学コーナーでは、防災に関する基本情報や知識を学ぶことができて、説明は多言語化されています。予約制の体験ツアーコースは、消防のプロによるナビゲーションの下、地震や火災(煙)、暴風雨や都市型水害の体験が出来ます。防災シアターの上映作品は関東大震災、阪神淡路大震災、そして東日本大震災について、多言語対応のアニメーションで子供から大人まで一緒に学んで振り返り、日頃の暮らしに役立つ多くのヒントを学ぶことが出来るスポットです。

4. 回向院  Eko-in Temple Ryogoku

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「明暦の大火」による10万人ともいわれる犠牲者のために、4代将軍家綱が無縁塚を築いてその菩提を永代に渡って弔うように念仏堂を建立したことが起源とされています。以後も天災地変等の被災者など 「有縁・無縁に関わらず、生あるすべてのものへの仏の慈悲を説く」ことを理念とする寺院として「諸宗山無縁寺回向院」と名付けられ、江戸時代から庶民の心の拠り所として多くの参拝と信仰を集めています。境内では災害のたびに出開帳や相撲興行などが行われ、多くの観衆に支援の手が集まりました。大相撲の始まりは、ここで興業された勧進相撲が起源となっています。

 念仏堂は2013年に再建された新しい建物ですが、本堂前の天井に描かれた「鳴き龍」が見事です。2016年度グッドデザイン賞を受賞している建築物で、周囲にビルが立ち並ぶ谷間にあっても閑静な空間が保たれ、念仏する堂内では「生きる」ことを考える厳かな非日常空間に身を置くことができるのも回向院の魅力のひとつです。

5. 両国国技館 Ryogoku kokugikan  

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大相撲の聖地である国技館は、はじめは回向院境内に建てられました。年に6場所ある大相撲の3場所(初場所、5月場所、9月場所)が両国国技館で行われています。場所中は欠かさずテレビ中継を見ていた祖父の影響で、私もすっかり相撲好きになりました。国技館には年に一度は訪れて大相撲観戦を楽しんでいます。

国技館では、第九コンサートや、プロレス、ロボットコンテストも行われ、2020オリンピックではボクシング会場になることから、かつて向島に住んでいたちばてつやさんの「あしたのジョー」のポスターをあちらこちらで見かけるようになり、新たな魅力を増しているように感じています。

後編へつづく…


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