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俺の少年よ

いつのことだか おもいだしてごらん
あんなこと こんなこと あったでしょう
うれしかったこと おもしろかったこと
いつになっても わーすれない

俺の少年よ



小2の時、お兄ちゃんのおさがりで乗っていたブリジストンのモンテカルロで公文に通っていた

プリント全問解けば帰れるけど、簡単に解ける問題も自転車のライトをつけたいからワザと遅く終わって、暗い夜道を嬉しい気持ちいっぱいでペダルを漕いでライトを照らした

俺の少年よ



家から公文までの中間地点に集会所があり、たまにお葬式をしていることがあった
その度に、”お葬式は幽霊”だった小学生の時は幽霊から逃げる為に息をとめて集会所の前を走りぬけた

息をとめるのは幽幻道士の影響で息をとめるとキョンシーに見つからないから

お葬式には幽霊がいる
ではなく
お葬式は幽霊
それが

俺の少年よ



夏になると手持ち花火ができることが嬉しくて毎日したいぐらい好きだった
いつも夕方まで遊んでいる自分が住んでる団地の前の団地に囲まれた公園でする花火が好きだった
花火をする日の昼過ぎに地元のおもちゃ屋かスーパーに花火を買いに行く時間が嬉しくて好きだった
手持ち花火の詰め合わせに入っている鉄砲の形の手持ち花火が一番好きだった
鉄砲の部分は紙でできていて必ず最後に燃やしていた

小3の夏、なんのきっかけもなく単に手持ち花火でワクワクしなくなった瞬間を鮮明に覚えている
手持ち花火をつけた時に気持ちの変わり目に動揺して花火をつけたままバケツの水にぶくぶくと押し込んだ
鉄砲の形の手持ち花火はバケツの水にへばりついて浮いていた

その日を境に自分が住んでる団地の前の団地に囲まれた公園で遊ばなくなり、家から離れた大きいグランドや違う地区の公園で遊ぶようになった

少年が少し少年じゃなくなった

俺の少年よ



卒園式の時に歌う「思いでのアルバム」を練習している時に
少年は気持ちの意味もわからずに初めて哀愁を感じる

俺の少年よ

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